J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
ミハリス・フォトプロス出稼ぎから帰郷した夫の存在が邪魔になり、愛人と共謀して夫殺しを企てる人妻の姿を描く、名匠アンゲロプロスの記念すべき長編第1作。アンゲロプロス自身も出演。
いかにしてギリシャで右翼軍事独裁体制が誕生したかをアイロニカルに描く、アンゲロプロスの長篇第2作。監督自ら名作『旅芸人の記録』の前編と位置づける作品。
1939年から1952年までの14年間、メタクサス将軍の軍部独裁、ドイツ軍の侵攻、英軍の進駐、右翼王党派と左翼パルチザンの内戦、激動の時代を目撃し、参加したある旅芸人一座の激動の生きざまを描く人間ドラマ。ギリシャ神話の復讐劇の名を名乗る一座を巻き込む歴史的事件は<神話>を端的に<歴史>に刻む。『アレクサンダー大王』のアンゲロプロスが軍事政権下、果敢に制作した作品は1975年カンヌ映画祭に秘かに出品され、国際批評家大賞を受賞。
『1936年の日々』『旅芸人の記録』に続く、アンゲロプロス監督のギリシャ現代史三部作の最後を締める作品。雪山で30年前のパルチザンの死体を発見した6人の狩人たちの幻想的なドラマ。
20世紀の幕開け、マケドニアの伝説、アレクサンダー大王が北ギリシャの小さな村に現れる。ギリシャの民の糧で肥え太る英国貴族、炭鉱資源を農民から奪おうとする地主、村を共産村としようとするイタリア人アナーキスト、土地の所有でもめる村人、その中に巻き込まれていくアレクサンダー大王。大王にとって、敵は村人か、アナーキストか、地主か、英国支配下の政府か。それらが入り乱れ、大王は伝説と化す。敵、その正体を知り得た時、アレクサンダーを名乗る少年は村を出る。
さっぽろ映画祭1983 パンフレット執筆に加筆。
「シテール島への船出」という映画を準備中の映画監督。そこへ内戦でソビエトに亡命した父が現れる。民主化10年目の繁栄に招かれざる客。帰る国を失った父はよき理解者である母とビーナスの島シテール島へ船出する。監督はギリシャが誇る世界的映画作家、『旅芸人の記録』のアンゲロプロス。
北ギリシャを旅する初老の養蜂家を通して、人間の愛と老いを描く寓意に溢れた映像詩。ギリシャ映画の巨匠アンゲロプロスの“沈黙の四部作”第2作。
幼い姉弟が父を探し求めてアテネからドイツへ旅に出たという実話を寓話的な映像詩として描き出し、ベネチア映画祭銀獅子(監督)賞を受賞したほか、各国で絶賛された秀作。さまざまな出会いと別れの中、厳しい現実を味わう2人がやがて行きつく先は・・・。途中、2人が出会う青年オレステスはアンゲロプロスの過去作「旅芸人の記録」の登場人物の延長線上の青年で、ほかの旅芸人たちもそのままのキャラクターで登場する。
番組作りのためにクルーと共に国境近くの村にやって来たテレビレポーターを主役に、難民や国境の問題に迫るドラマ。名匠アンゲロプロス監督の長編第9作。
行方不明になっているギリシャ最古の映画フィルムを探し求めて、動乱のバルカン半島を旅する映画監督の旅を描く映像叙事詩。1995年カンヌ映画祭グランプリ受賞。
ギリシャが生んだ世界の巨匠テオ・アンゲロプロスが、「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツを主演に迎え、命の終わりを覚悟した詩人の人生最後の一日をつづる。入院を明日に控えたアレクサンドレは、娘の家へ向かう途中でひとりの難民の少年に出会う。そこから、少年とアレクサンドレの思い出と現実、そして幻想が入り混じった心の旅が始まる。カンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドールを審査員の満場一致で受賞した。c
『旅芸人の記録』以来、アンゲロプロス全作品の字幕を手がける作家・池澤夏樹がアテネに彼を訪ね、インタビュアーとしてアンゲロプロスが監督を手がけた11作品の魅力に迫るドキュメント。
1919年頃、ロシア革命によりオディサのギリシャ移民は故国へ逆難民として帰る中、孤児となったエレニもその中にいた。年が経ち、エレニは助けてくれた一行の長の息子、アレクシスと恋に落ち、逃避行の生活が始まる。
「いつか二人で、河の始まりを探しに行こう」
時代は民主化から軍事政権へ。アレクシスは家族を養うために単身、アメリカへ。エレニは反逆者をかくまった罪で幼子を残したまま、牢獄へ。また幾月が過ぎ、ナチスの侵略、連合軍の進行。
「銃弾一発はいくらです?命ひとつはいくらです?」
残した幼子は内戦で敵味方に別れ、戦死し、夫もオキナワで戦死する。釈放されたエレニは孤児に舞い戻り、泣き崩れる。河の始まり、地に降る涙のように。
20世紀はサラエボで始まり、サラエボで終わった。
『テオ・オン・テオ(Theo on Theo)』テオ・アンゲロプロス談
2007年5月、カンヌ国際映画祭が60回目の開催を迎え、記念すべき年の一大プロジェクトとして、世界の著名監督に委嘱した短編によるオムニバス作品が作られることになった。国籍もキャリアも全く異なる監督たちが名を連ね、日本からも北野武監督が参加。3分間という制限の中で、監督たちがそれぞれの視点による“映画館”を描く、まさに珠玉のオムニバス作品。
[1960s][1970s][1980s][1990s][2000s]