J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
ポーランドの鬼才、ロマン・ポランスキーの長編処女作。週末のバカンスをヨットの上で過ごそうと湖に向かう途中、ヒッチハイカーの青年を車に乗せた夫婦。そのまま青年とともに海に出るが、青年の屈折した言動に夫がいらだちはじめ、やがて青年が持っていたナイフが思わぬ事態を巻き起こす。船上の限られた空間でわずか3人の登場人物それぞれの心情を鋭い視点で描き出し、ベネチア映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。
ロマン・ポランスキーがカトリーヌ・ドヌーヴ主演で男性に激しい嫌悪感を抱くようになった女性の狂気を描いた心理ドラマ。姉と2人暮らしのキャロルは、毎晩のように姉とその恋人の情事の音を聞かされるうち、あらぬ妄想を抱くようになり、やがて幻覚に悩まされるように。そんなキャロルの状態に気付かない姉は旅行に出かけてしまい、1人残されたキャロルのもとを彼女の恋人が訪れるが。ドヌーヴの鬼気迫る演技は圧巻。
閉鎖された場所での人間の狂気に迫ったロマン・ポランスキーによる異色作。満潮時には外界と完全に遮断される孤島の古い城に住む夫婦のもとへ、逃亡中の凶悪犯が押し込んできた。ひん死の重傷を負った相棒が死に、向かえも来ず、そのまま城にとどまる凶悪犯。3人で過ごす奇妙な時間は、やがてそれぞれにゆがんだ感情をもたらしていく。ベルリン映画祭で金熊賞(グランプリ)、ベネチア映画祭でイタリア批評家賞を受賞した。
『ローズマリーの赤ちゃん』『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキーが監督&脚本&出演した、ドラキュラ映画の傑作パロディ!シャロン・テートの美しさも忘れがたい。サラ役のテートは本作で出会ったポランスキー監督と結婚するが、69年にカルト集団に惨殺された。
マンハッタンの古いアパートを舞台に、自分が悪魔の赤ん坊を生むのではとおびえる若妻の恐怖を描く、アイラ・レヴィン原作の名作オカルト・ホラー。
1930年代のロサンゼルスを舞台に、ポーランド出身の鬼才ロマン・ポランスキーが監督したハードボイルド映画の傑作。ダム建設にからんだ殺人事件を追う主人公の私立探偵にジャック・ニコルソン、事件の鍵を握る女性にフェイ・ダナウェイがふんし、見事な演技を展開、ポランスキー監督自身もギャング役で登場している。アカデミー脚本賞受賞作。
文豪トマス・ハーディの名作を『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞した名匠ロマン・ポランスキーが映画化。貧しい家に生まれた娘テスの波乱の生涯を格調高く描いた文芸大作。奉公先の家の息子に見初められて望まぬ子供を産み、その子を数週間で亡くしたテス。その後心ひかれた男性と結婚するが、その過去を知った夫は彼女のもとを去り、更なる悲劇が彼女を襲う。アカデミー撮影賞、美術・装置賞、衣装デザイン賞受賞。
『戦場のピアニスト』の鬼才ロマン・ポランスキーが監督・脚本を務めたハリソン・フォード主演のサスペンス。アメリカ人医師のリチャードは妻と共に学会出席のためにパリを訪れた。しかし突然妻が何者かに誘拐され、言葉も通じない異国の地で悪戦苦闘しながらも自ら捜索に乗り出す。そして妻の行方を知る謎の美女と出会い、リチャードは犯罪へと巻き込まれていく。
『戦場のピアニスト』の鬼才ロマン・ポランスキー監督が、愛憎相半ば、愛欲に溺れる男女を『フランティック』のエマニュエル・セニエの官能美とともに描いた衝撃作。まだ若い『モーリス』のヒュー・グラントも好演。
禁断の書と言われる“悪魔の書”を手にした書物ブローカーに起こる迷宮的恐怖を描く。ポーランド出身のロマン・ポランスキー監督、ジョニー・デップ主演のオカルト・ホラー。
2002年のカンヌ映画祭においてパルムドールに輝いた『戦場のピアニスト』は、ロマン・ポランスキー監督が指揮することを運命づけられた映画である。幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督こそが、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい唯一の人物と言える。ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びる。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩となっており、シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせている。一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、『戦場のピアニスト』は希望と精神的純潔性の究極的な調べを奏でている。『シンドラーのリスト』と同様に、人間性の最も暗い部分を描き出した偉大な映画の中の1作である。
『戦場のピアニスト』でカンヌを制したポランスキー監督が、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名作を映画化。舞台は19世紀のイギリス。孤児のオリバー・ツイストは、夕食の席でおかわりを求めたことから救貧院を追い出されてしまう。奉公先でも理不尽な目にあった彼は、大都会ロンドンへ。そこでドジャーという少年に助けられるのだが。度重なる不幸にも、純粋な心を失わず幸せを求める少年の物語。
2007年5月、カンヌ国際映画祭が60回目の開催を迎え、記念すべき年の一大プロジェクトとして、世界の著名監督に委嘱した短編によるオムニバス作品が作られることになった。国籍もキャリアも全く異なる監督たちが名を連ね、日本からも北野武監督が参加。3分間という制限の中で、監督たちがそれぞれの視点による“映画館”を描く、まさに珠玉のオムニバス作品。
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