J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
第43回文藝春秋漫画賞を受賞した黒鉄ヒロシの「新選組」を、原画から抜き出した切り絵のキャラクター人形を1400体も作成して、全編人形劇のように操演する手法で撮られた“三次元的立体漫画映画”。アニメでもCGでもないこの革新的な映像は、名付けて「ヒューマン・グラフィック 崑メーション」。これまでの映画の常識を覆しながらも、市川作品として見事な調和を保つ傑作である。もともとアニメーターとしてそのキャリアをスタートさせた市川崑のグラフィカルな才能を見ることができる。主題歌「星のない夜に」を小西康陽が作曲。
日本映画界の巨匠たち黒澤明、木下惠介、市川崑、小林正樹が結成した「四騎の会」で最初に共同で書かれた脚本を、市川崑監督が30年経って映画化。役人たちが悪人と手を組み、悪政吹き荒れる藩に江戸から1人の男が町奉行として送り込まれる。役人らしからぬ振る舞いで“どら平太”と異名をもつその男は、持ち前の豪快さで悪の巣くつに乗り込むのだった。山本周五郎原作「町奉行日記」の痛快娯楽時代劇。
山本周五郎の同名小説に基づき、妻・和田夏十と映画化を暖めていた市川崑が主演に岸恵子を迎えて実現させた念願の企画。貧乏長屋で暮らす一家を通して家族の愛情、人への信頼を描く。天保末期の江戸、とある貧乏長屋には気丈なおっかあ、おかつ(岸)と五人の子供が住んでいた。噂ではかなりの金を貯めているらしいが、それを狙って泥棒・勇吉(原田)が忍び込む。おかつは怯えることもなく、勇吉に貯金の理由を語り始める。
1976年に映画化された横溝正史原作ミステリーを、市川崑監督自らが完全リメイク。莫大な資産家・犬神家の遺産相続にまつわる連続殺人事件に、名探偵・金田一耕介が挑む。信州の製薬王・犬神佐兵衛(仲代達矢)が死去し、腹違いの3人の娘を筆頭に犬神家の人々が一堂に集った。遺言状には、孫息子たちいずれかとの結婚を条件に、佐兵衛の恩人の孫娘・野々宮珠世(松嶋)に全財産を譲ると書かれていた。やがて血生臭い連続殺人が発生する。
夏目漱石の幻想的な短編小説集『夢十夜』を、市川崑らベテランから松尾スズキら気鋭の若手まで10人の監督と、豪華キャストにより映画化したオムニバス作品。松山ケンイチは第十夜に出演している。町一番の色男・庄太郎は目の覚めるような美女に誘われて絶品の豚丼を食べに行くが、その作り方は世にもおぞましいものだった。