J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
『個人教授』などのフランス人俳優、ルノー・ベルレーと浅丘ルリ子が共演した美しい愛の物語。監督に市川崑、脚本に詩人の谷川俊太郎。金沢の薬屋の娘・みや(浅丘)は医者の婿をとって家を継ぐという条件でパリへ留学する。だが、語学学校へ通い出した彼女はフランス人青年・ニコ(ベルレー)と愛し合うようになり。
やくざ渡世の世界に憧れ故郷を飛び出した三人の若者、源太(萩原)、信太(小倉)、黙太郎(尾藤)の無鉄砲な生き方と3人のそれぞれの青春を描く。市川崑監督の意欲あふれる青春時代劇。3人は渡世で名を売ろうと父を斬り、惚れた女を売りとばすなどおよそ人の道から外れた旅を続け、最後にみじめな死を迎える者も。詩人谷川俊太郎が市川と共同脚本を手掛けた。主演の3人の取り合わせが絶妙で、70年代のシラケ世代の若者像とダブり、姑息なタイプのアウトローとして異彩を放っている。
夏目漱石の同名小説を名匠・市川崑監督が映画化。一匹の猫の目を通して、通俗的な社会にはかない抵抗を示す中学教師の姿を描いた喜劇。文明中学の英語教師・苦沙弥(仲代)の家に一匹の猫が強引に住みつき、苦沙弥は飼うことにする。そんなある日、彼の家によく来る堅物の寒月(岡本)が、実業家・金田の娘、富子(篠ヒロコ)に恋をした。富子の母親・鼻子(岡田茉莉子)は、寒月の人物鑑定をするため苦沙弥に家にやってくる。
美しい四人姉妹とその夫たち、そして次女の夫の愛人が織りなす人間関係を描いた瀬戸内晴美の同名小説の映画化。豊田四郎と市川崑が共同で監督し、それぞれ得意分野で才を発揮する。本作が豊田監督の遺作となった。京都老舗の紙店の長女・安澄(三田)は、大恋愛の末に家を出て着物デザイナーとして成功した。店を継いだ次女・優子(大空)は夫の女癖に悩み、三女(酒井)と末妹(仁科)も密かな悩みを抱えていた。
日本映画に一石を投じた角川映画第1回作品。横溝正史のベストセラーミステリーの映画化。信州の大財閥・犬神家の創始者・犬神佐兵衛が遺した遺言状が公開され、その莫大な遺産を相続する権利が3人の孫に与えられる。だが、その条件とは、佐兵衛の恩人の孫娘・珠世(島田)と結婚することだった。珠世をめぐって3人の男たちの間で争奪戦が繰り広げられるが、ついに殺人事件にまで発展。依頼を受けた名探偵・金田一耕助(石坂)が捜査に乗り出すが、第2、第3の殺人事件が起こる。
『犬神家の一族』に次ぐ、市川崑・石坂浩二、横溝正史原作「金田一耕助シリーズ」第2弾。文明社会から隔離された鬼首(おにこべ)村。そこでは由良家と仁礼家の二大勢力が対立していた。ここに人気歌手・青池リカ(岸)が帰省してから、村に古くから伝えられる手毬唄になぞらえた殺人事件が起こる。金田一耕助の捜査が進まぬうちに第2、第3の犠牲者が出て。今回は犯人探しよりも、多分に情緒に訴えるストーリーと絵作りが強調されている。
市川崑・石坂浩二、横溝正史原作「金田一耕助シリーズ」第3弾。終戦から1年たった昭和21年。戦地から帰国の途中で、引き揚げ船の中で病死した男の遺書を持って、金田一耕助が瀬戸内海の孤島・獄門島を訪れる。その直後から島内で奇怪な連続殺人事件が起こる。やがて、金田一は事件のカギが松尾芭蕉とその弟子・其角が詠んだ俳句にあることに気づくが。原作の持つおどろおどろしい執念を生かしながら、映画化にあたって原作と犯人を変えている。脚本の久里子亭はアガサ・クリスティをもじって市川崑と日高真也がつけた、二人の連名を表すペンネーム。
市川崑・石坂浩二、横溝正史原作「金田一耕助シリーズ」第4弾。源頼朝の後裔という大道寺家の美女・智子(中井貴恵)をめぐり、婚約者の座を狙う男たちが次々と殺されるという不可解な連続殺人事件が起こる。“あの娘の前には多くの男の血が流されるであろう。彼女は女王蜂である”という一通の警告状が告げる凄惨な連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑む。だがそこには意外な結末が。高峰三枝子・司葉子・岸恵子ら豪華女優陣の競演も見もの。
手塚治虫のライフワークと言われた壮大なスケールの長編マンガ「火の鳥」第1部の“黎明篇”を名匠・市川崑監督がオールスターキャストで実写映画化。脚本を谷川俊太郎が執筆し、テーマ音楽を『シェルブールの雨傘』のミシェル・ルグランが作曲。古代のヤマタイ国を舞台に、永遠の時間にわたって人類の運命を温かく見守る“火の鳥”の視点から人類の歴史を描く。部分的にアニメーションが使用されている。
市川崑・石坂浩二、横溝正史原作「金田一耕助」シリーズ最終章。金田一は写真屋の徳兵衛からある女性の身辺調査を依頼される。戦前まで繁盛していた病院内で首吊り事件があったことで“病院坂の首縊りの家”と呼ばれる廃墟に住む不審な女性から、結婚記念の出張撮影を頼まれたというのだが。