J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
瀬戸内にあるハンセン病療養所で働く女医と入所を拒否する患者たちの葛藤を描いた女医の手記の映画化で、当時大きな反響を呼んだ豊田四郎監督作。杉村春子の演技は、女優・高峰秀子に「衝撃を受けた」と言わしめた。戦前の瀬戸内海の小島に建てられた国立ハンセン病療養所。女医・小山(夏川)はハンセン病患者を持つ家々をまわって熱心に入所を説くが、村民たちはなかなか心を開かない。
豊田四郎監督が、当時進歩的な劇団として活動していた前進座のメンバーを起用した作品。寒村の農民が新天地を求めて満州に移住する姿を、ドキュメンタリータッチで綴る。長野県の大日向村の村民たちは、昔から痩せた土地での生活に苦しんでいた。生き延びるには、政府が奨励する満州大陸への集団移住しかないと村の指導者たちは判断し、村民の堀川(河原崎)は視察に行くが。原作は和田傳(伝)。
陸軍病院の看護婦だった女性が身体の不自由な兵士との結婚を綴った山口さとのの実話小説を、豊田四郎が映画化。国策色が濃厚な「軍国美談」映画。主演の山岸美代子は新劇出身で、岩下志麻の母親である。赤十字看護婦のさと子(山岸)は、前線で負傷して下半身不随となった戦傷兵・山田(遠藤)と出会い、彼の妻になることを決意する。郷里の両親は反対するが、二人は最終的には幸せに結婚する。
終戦を迎え、復員した役者が父を捜すために帰郷する人間ドラマ。実際には3歳しか違わない当時40歳の志村喬が長谷川一夫の父親役に扮し、名演を見せる。劇団「新生座」の看板役者・曾太郎(長谷川)が戦地から復員した。地方巡業である村を訪れた曾太郎は、生き別れの父親に会うために恋人の邦子(山田)を連れて故郷に向かう。しかし、父は実は曾太郎のすぐ近くにいた。
豊田四郎、成瀬巳喜男、山本嘉次郎、衣笠貞之助の4人の監督によるオムニバス作品。
第1話「初恋」。女学生(久我)と高校生(池部)の淡い恋心を描いた作品で、オルゴールが効果的に使われている。脚本は黒澤明。
第2話「別れも愉し」。ダンサーだった美津子(木暮)は、有田(沼崎)と同棲していたが、有田がほかの女と知り合ったことから、わざと愛想を尽かしたように見せかけ、自ら別れを切り出す。
第3話「恋はやさし」。三枚目役者(榎本)と踊り子(若山)の他愛ない恋。エノケンひきいる浅草オペレッタの貴重な映像を堪能出来る。
第4話「恋のサーカス」。空中ブランコ乗り(河野)の命がけの恋。感覚派の衣笠貞之助の作風が楽しめる。
「医師に恵まれない人達のために働く」という理想に燃えて、東京から東北の小田内村の診療所にやって来た医者・小山(池部)は、その施設があまりにも貧弱なことに落胆する。しかし、村の人々の熱烈な歓迎ぶりを見て、「東北一の診療所にしてみせる」と奮起し仕事を開始する。そんな時、彼は村に結核患者が多いこと、それも小学生の間に発病者があることに気づき検査をしようとするが、封建的な村人たちの反感を買ってしまう。
豊田四郎監督が、思春期の不安定な少女の内面を細やかに描写する青春映画。当時新人の井川邦子と若山セツ子のセーラー服姿が初々しく、ガーリー映画としても楽しめる。両親の不仲に悩み不良学生と付き合うようになった令子(井川)を、優等生の公子(若山セツ子)は心配していた。教頭に逆らいクビになった美術教師・牧(水島道太郎)を密かに恋していた令子は、牧の下宿を訪ねるようになる。