J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
中学の英語教師・苦沙弥先生の家に出入りする一風変わった知識人たちと、その身辺で起こる小事件を、飼い猫の目を通して描く。夏目漱石初の長編小説を、山本嘉次郎監督が原作の持つ軽妙洒脱な味わいを損なうことなく映画化、徳川夢声の妙技も相まってソフィスティケートされた作品となった。
東宝移籍第1回作品。原作は菊池寛、製作主任をまだ20代の黒澤明が務めた大作。時は元禄の京都。都万太夫座の役者・坂田藤十郎は、リアルな濡れ場をどう演ずるかで苦悩する。芸のためにと自分を慕う、祇園一の歌奴を口説くが、やがて悲劇が起こる。
綴り方(作文)の得意な少女と両親の貧しいながらも幸福な日常のスケッチ。原作は1937年に出版されベストセラーとなった豊田正子による作文集。14歳の高峰秀子が主人公を演じる。正子(高峰)は優しい母(清川)、ブリキ職人の父(徳川)と長屋に住んでいる。貧しさ故に生活は苦しいが、正子は綴り方に日常を生き生きと記す。大木先生(滝沢修)は正子の才能を励まし、作文は文集に掲載されるがそれが元で一家は長屋にいられなくなってしまう。
特殊技術撮影 : 円谷英二のミュージカル・コメディ。話はご存じ、「西遊記」。榎本健一ことエノケンの孫悟空。戦前の日本のセンスを知るよい教材かも。メガネをかけた子役、中村メイ子が一見の価値あり。
東北の片田舎に生きる農家の娘(高峰)が、新しく生まれた仔馬をひたむきな愛情で育て上げ、立派な軍馬として世に送り出していくまでを描いた山本嘉次郎監督による名編。撮影は盛岡で1年がかりの長期ロケで行われ、春・夏・秋・冬とそれぞれ別のカメラマンが担当した。東北の農村の美しい四季の移り変わりや風格、その純朴な人柄が描写された写実的作品。当時山本監督の愛弟子だった黒澤明が製作主任を担当した映画としても有名。
山本嘉次郎監督の結婚をテーマにした人間ドラマ。大学生・努(池部)の祖父の図らいで、努と縁談になった女学生の秀子(高峰)。しかし、結婚はまだ現実味がない。二人は、既婚の兄姉の家を見てまわることになり。努の姉役・原節子は白無垢の花嫁を演じ、入江たか子や霧立のぼるなど豪華女優陣が脇を固めた。
太平洋戦争時、真珠湾とマレー半島沖の奇襲攻撃の大戦果を受けて製作された、開戦1周年記念映画。昭和11年、友田義一(伊東)は、海軍航空予科練習部に入る。山下分隊長(藤田)のもと、厳しい訓練に耐える義一。やがて、出撃した彼の前に不沈の巨大艦・プリンス・オブ・ウェールズが静かに姿を現した。実際に予科練で撮影された兵士達の訓練シーンや、終戦後、米軍が実写と間違えたという円谷英二らによる特撮シーンは見応え充分。
1942年(昭和17年)5月22日 加藤隼戦闘隊長戦死
新鋭戦闘機「隼」を乗りこなし、第二次大戦で活躍した加藤建夫の伝記映画。イギリス空軍の戦闘機スピット・ファイアーなどを実際に使った空中戦も見どころで、特技監督は円谷英二が担当している。昭和16年12月初旬、フコク島へ進駐した加藤部隊長(藤田)率いる部隊は、西へと航行する大船団を空から援護をするよう命じられるが。
1944年(昭和19年)10月 海軍による特攻攻撃開始
山本嘉次郎監督と円谷英二がコンビを組んだ、海軍省の企画による戦意高揚映画。敗戦色濃い1944年12月に公開された。3人の海軍少佐を中心に、航空兵が魚雷を積んで敵空母に突入するまでが描かれる。三上(藤田)、川上(森)、村上(河野秋武)の3人は、雷撃の神様と軍の中でも知られた存在。ある日、敵艦隊発見の無線が入り、三上と村上は出撃をするのだが。
豊田四郎、成瀬巳喜男、山本嘉次郎、衣笠貞之助の4人の監督によるオムニバス作品。
第1話「初恋」。女学生(久我)と高校生(池部)の淡い恋心を描いた作品で、オルゴールが効果的に使われている。脚本は黒澤明。
第2話「別れも愉し」。ダンサーだった美津子(木暮)は、有田(沼崎)と同棲していたが、有田がほかの女と知り合ったことから、わざと愛想を尽かしたように見せかけ、自ら別れを切り出す。
第3話「恋はやさし」。三枚目役者(榎本)と踊り子(若山)の他愛ない恋。エノケンひきいる浅草オペレッタの貴重な映像を堪能出来る。
第4話「恋のサーカス」。空中ブランコ乗り(河野)の命がけの恋。感覚派の衣笠貞之助の作風が楽しめる。
サラリーマン小説の名手・源氏鶏太の原作を山本嘉次郎が監督。東宝の名物シリーズに先立つサラリーマン喜劇。新入社員・ホープさんのサラリーマン生活を小林桂樹が飄々と演じる。大学野球部の補欠選手だった京太(小林)は寮で背広を盗まれ、ユニフォームを来て出社する。見かねた同僚の若子(高千穂)は兄の形見の背広を譲り、京太は彼女に恋心を抱く。しかしライバル会社との野球試合で活躍した京太に、社長令嬢(関)が関心を抱き。
明治初期を舞台に軍人と娘のロマンスを描いた恋愛物語。山本嘉次郎監督が脚本も担当した。維新の騒ぎが落ち着いた東京。西郷隆盛を深く私淑する仁礼(藤田)は、剛直な気質で女嫌い。しかし、豪商家の娘・雪子(原)に愛鳥を助けられてから、彼女の美しさにうたれ、食事も喉を通らなくなり・・・。原節子と新聞屋の青年役・榎本健一が初顔合わせした。
腕っ節が強いが涙もろい興行界の顔役で、ダフ屋の取締りを一手に引き受ける銀座の顔役「ビュイックの牧」(三船)と、色男で口八丁・手八丁のダフ屋の兄貴分「ラッキョウの健」(鶴田)。硬派・軟派で正反対の二人が火花を散らす闘いを描く、死闘と友情の痛快活劇。鶴田浩二と三船敏郎という日本を代表する二大花形スターが初顔合わせした豪華作。
従来の右門ものより娯楽度を高めた本作。伝六をエノケンが演じ、アラカンとの名コンビは痛快そのもの。毎晩のように起こる、老人、中年男を狙った連続殺人事件。殺人現場は人通りが絶えない盛り場ということもあり、江戸の町はこの噂でもちきりになるが、被害者にある共通点が判明する。
目端が利いて女にモテるため、兄貴やボスから狙われる青年ヤクザの冒険。山本嘉次郎が監督し、主役の鶴田浩二をはじめ志村喬、三船敏郎ら男優陣が充実したライトなギャングもの。キャバレー経営を任せられている庄司(鶴田)は、親分(志村)の覚えもめでたい古谷組の新顔。しかし兄貴分たちは庄司を妬み、機会があれば蹴落とそうと企んでいた。そんな折、親分の妾の夏江(根岸明美)と庄司がデキていることが兄貴の鉄(杉山)にばれてしまう。
昭和19年の年末、上野動物園では来るべき爆撃に備え軍の命令の下、猛獣を毒殺することになるが。実話をもとに、象と飼育係の愛情を見事に描き出した感動篇。自ら出演を切望したエノケンが力演し、名作『馬』の山本嘉次郎がメガホンを取っている。
山口淑子の映画生活20年記念にして引退記念作品。アメリカで成功した女流デザイナーのお忍び帰国から始まる大騒動を歌と踊り満載で見せる。東宝のオールスターキャストが総出演。ニューヨークで活躍するデザイナー、メリー川口(山口)が両親の墓参りで20年ぶりに帰ってきた。彼女の帰国を知った同業者の蝶子(久慈)は、合同ファッション・ショーを提案する。他にもメリーの名声を利用して一旗あげようと企む人々が次々に現われる。
植木等が花のお江戸を舞台に、活躍する爆笑喜劇。ずうずうしくて無責任という江戸っ子気質の助六を、植木がその持ち味をフルにいかして演じている。また植木、谷、ハナのほか、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータローといったクレージー・キャッツの面々が出演。
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