J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
競馬騎手の次郎が惚れたのはヤクザのボスの情婦だった。やがて二人の関係を知ったボスが、次郎に八百長を強制する。本名の“清太郎”名でメガホンを取った記念すべき監督デビュー作は、青木光一のヒット曲『港の乾杯』をモチーフに作られた歌謡メロドラマ。助監督として蔵原惟繕、藤田敏八が顔を揃えた。
ハンサムで歌の上手い捕鯨船員・八郎が、鯨ならぬ女群に追いかけ回される。清順2作目も、春日八郎のヒット曲『海の純情』をモチーフにした歌謡映画。多くの清順作品に名を連ねる撮影の永塚一栄と編集の鈴木晄は、これが清順組初参加。
護送中に脱走した大庭は、香港へ逃亡するため、仲間の早崎と結託して現金輸送車襲撃を計画。しかし何の因果か、早崎の恋人は大庭を逮捕した巡査の娘だった。鈴木清太郎3作目にして初のアクション作品。当時人気を誇っていた河津清三郎の暗黒街ギャングもの。
殺人の濡れ衣を着せられた男が、真犯人を探し復讐の決闘を挑む。暴力団の抗争を描くバイオレンス・アクションでありながら、春日八郎のヒット曲を素材にした歌謡映画という二面性を持つ作品。まだデビュー2作目の二谷英明を主演に抜擢。
台風で列車が立ち往生。臨時バスに乗り込んだ15人の乗客は、恐怖の8時間を二人組のギャングと過ごすことに。当初、サスペンスの題材をコメディ映画として撮ってしまったため、再編集の後公開。監督自身は半年近く干されてしまったといういわくつきの作品。
カメラマンが女の罠にはまり、殺人犯として逮捕される。やがて釈放された彼の前に、以前罠にかけられた女とそっくりな女が現われた。冒頭から下着にレインコートを羽織っただけの裸女が登場するなど、エロティシズムが散りばめられたアクション作品。
血ぬられた死体の腹に秘められた一粒のダイヤモンドを巡って、かつてのボスと死闘を繰り広げる男と、彼を翻弄する女を描いたサスペンス。鈴木清順に改名後の1作目であり、清順初のシネマスコープ作品。編集の鈴木晄曰く、シネマスコープが清順を変えた。アメリカでDVD化されてます。
青少年非行矯正ボランティアに携わる若い女が、一人の不良少年を更生させようと使命感に燃えるうちに、次第に少年に愛情を抱くようになるが。清順初の太陽族映画で、ほろ苦いストーリーにもかかわらず、軽やかな躍動感が全編に溢れる作品。
強姦された過去を持つ母、彼女を恐喝する腹違いの息子。目を背けたくなるような異常な環境の中で、歪んでしまった家庭の崩壊と再生を描く。当時としてはショッキングなストーリー展開の中、清順独特の映像美が光る作品。
殺人犯の声を偶然聴いてしまった電話交換手は、数年後同じ声を自宅にかかってきた電話から聴いてしまう。原作は松本清張の短編小説『声』。推理小説ブームのさなか、鈴木清順が本格ミステリーに初めて挑んだ作品。
クラブのピアノ弾き・梢は支配人に求婚されていたが、遠く離れていても文通を続けている恋人がいた。だがある日を境に恋人からの返事が途絶えてしまい。登場人物はたったの4人、役者のやたら深刻な演技、ラストのとんでもないドンデン返しでカルト映画の金字塔と言われる作品。あの小林信彦氏も珍品映画ベスト1に選出。鈴木清順のルーツを探る上で外せない必見作。添え物映画専門の監督と評されていた彼は、この後『素ッ裸の年令』を演出、清順映画の方向性を確立していく。
トロンボーン奏者・伊吹の新妻がハネムーンに向かう列車内で失踪した。絶望して帰宅した伊吹は部屋に横たわる妻の絞殺体を発見してしまう。筑波久子と白木マリという二大グラマー女優の共演が話題になった異色のサスペンス・スリラー。
米軍基地の片隅にうち捨てられてあるカマボコ兵舎。そこでは不良ローティーンたちが公衆電話のコインを盗むといった手軽な手段で金を稼いでは共同生活を営んでいた。ユートピアとその終焉を描いた異色青春映画で、赤木圭一郎の初主演作。