J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
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護送車が襲撃され、犯人は囚人2名を殺害し逃亡した。責任を問われ停職処分を受けた看守長は、単身、犯人追及に乗り出した。連続殺人の蔭に踊る黒幕を追うサスペンス・アクション。
香港で定年を迎えた父が退職金を持って失踪。妻と娘が甥の新聞記者に調査を依頼したところ、父が騙されて麻薬密輸に手を貸してしまったことが判明する。新興宗教などの当時目新しい題材を取り入れ、ドキュメンタリー・タッチで描かれるサスペンス。
ふたりの新聞記者が、互いにライバル意識を剥き出しつつ国際密輸組織の内幕を暴いていく。熱血事件記者の闘志を、斜めの構図とたたみこむような緊迫したカットの連続で描いたアクション映画。
苛立ちを抑えられず破滅へと突っ走る若者たちの姿を、自在に動き回る手持ちカメラやモダン・ジャズによって表現。ファッション・モデル出身で清順もお気に入りだった禰津良子、川地民夫の個性が光る。吉永小百合もワン・カットだけ出演。
淡路島の旧家の当主が死に、妾腹の定夫が跡取りとして島へ呼ばれる。そこへ用地買収を進める悪徳業者と定夫の母が現れた。和田浩治が鈴木清順と初コンビを組んだ記念すべき作品。原作は原健三郎。
父の死により、急遽、三代目組長を襲名することになった高校生が、みにくい大人の世界に挑んで大暴れ！和田浩治の颯爽とした正義の騎士ぶりが最高な痛快アクション。原作は原健三郎。
ローラースケートの指導員をしている青年が街の愚連隊相手に正義の鉄拳を振るい、姉のように慕っている娘の窮地を救う。あえて当時の慣習を破り、ラストシーンでヒーローに虚無的な表情をさせた斬新作。
流れ者が天竜川の大森林地帯で3人の悪人と散弾銃で対決し、恋人の仇を討つ。小林旭ばりにギターを弾きつつ歌う二谷の姿が微笑みを誘う、鈴木清順流無国籍アクション。
放浪学生と旅芸人の一座との交流をコミカルに描いた鈴木清順＝和田浩治コンビによる青春映画。かき氷をかけ合う度に画面がイチゴ色になったりメロン色になったりするシーンに、のちの清順美学の片鱗が覗える。
生まれ故郷の対馬に派遣された海上保安大学生が、島民の密航密輸事件を探るうち、事件に兄が関与していることが明らかになり。現職海上保安官の体験談をもとにした兄弟愛あり、恋愛ありの海洋アクション。
ボクシングのチャンピオンを目指して上京した三井と下山。下山はヤクザの経営するジムにスカウトされるが、三井は極貧ジムの戸を叩く。同じ夢を抱きながらも違った運命に引き裂かれていく二人の青年を描くボクシング映画。
高校生の次郎は商店街を横行するヤクザを倒したことから、町の用心棒にまつりあげられてしまう。ヤクザの暴力に身体を張って抵抗する高校生に川地民夫が扮した青春アクション。
チャンピオンに挑むひとりのボクサーと、彼に賭けた周囲の人間たちの壮絶なドラマ。『百万弗を叩き出せ』に続くボクシングものだが、真っ赤に塗られた壁面など、後に“清順美学”と呼ばれることになる独特の色彩感覚の萌芽が見られる。
マシンガン銃撃事件のニュースを聞いた私立探偵の田島は警察と協力し、囮捜査でギャング組織の一網打尽を狙う。大藪春彦のハードボイルドな原作を、ユーモアとスリリングなアクション、さらにはミュージカルシーンを挿入するなど独特な清順の感性で仕上げられた。今年のヴェネチア国際映画祭でも回顧上映された日活コメディ・アクションの金字塔。
暗黒街に単身飛び込んで、二つのギャング組織を潰そうとする元刑事の活躍を描く。大藪春彦の『人狩り』が原作で、ハードボイルドの体裁を取りつつも、マジックミラー越しのキャバレー、映画館の裏にある暴力団事務所など、特異なディテールに凝る様は清順ならでは。公開当時「清順美学の誕生！」と映画ファンをうならせた。辛口の批評家たちにも絶賛される清順作品のひとつ。
素行不良で“悪太郎”の名を着せられた青年が、転入先の学校で校医の娘に恋をし、強引ながらも一途に彼女と付き合い始める。大正時代を舞台に若い男女の恋愛を描き、清順自らが傑作と評する今東光原作の文芸青春ロマン。また盟友・木村威夫（美術）と初めてタッグを組んだ作品でもある。
ヤクザの幹部・鶴田は、賭場で出逢った妖艶な女が、伝説のイカサマ賭博師の情婦であることを知る。だがそれを知りつつも、鶴田は女に惹かれていく。鈴木清順が小林旭を主演に迎えて放った初の任侠映画。歌舞伎的要素を取り入れた清順美学が全編を貫き、中でも、クライマックスで主人公が男を斬った瞬間、背後の襖が倒れ画面一面に真っ赤な空間が広がるシーンは、清順＝木村威夫（美術）の真骨頂だ。原作は平林たい子の朝日新聞連載小説「地底の歌」。
大正ロマン華やかなりし頃の浅草。この街に恋女房と逃げ込んだ元ヤクザの男が殺し屋の執拗な追撃を受ける。『関東無宿』に続いて鈴木清順×小林旭コンビで作られた仁侠映画で、後の『ツィゴイネルワイゼン』などの“大正3部作”の原型と言われる作品。当時の風俗を見事に再現した美術の木村威夫が脚本で参加。
「星の流れに身をまかせ、どこをねぐらの今日の宿」終戦直後の東京を舞台にした田村泰次郎原作を鈴木清順が監督。ボルネオ・マヤら星条旗の色を身にまとった5人の娼婦が復員兵をめぐって欲望と嫉妬に狂う。宍戸錠が汗、獣、SEXのイメージをギンギンに体現、肉体のエネルギーを放出させている。比較的出演することの多かった鈴木清順監督作品の中で、本人が一番気に入っている作品。鈴木監督は25日間の撮影中、一睡もしていなかった、というエピソードも。「人間らしくなるとは生きていけなくなるという事なの？」生きるために徒党を組み、人間らしさを忘れていく人々。どぶ川に捨てられた日章旗、星条旗はためく日本を清純美学は見事に映像化している。
ヤクザの家に生まれた二人の兄弟。恋人を殺されて復讐を誓う兄が、弟にだけはまっとうな一生を送らせようとするが。車の窓を流れる雨が不思議な効果をあげていたり、印象的なカットが多い。清純派の役どころが多かった松原智恵子の情婦姿も魅力的。
第二次大戦下の中国。一人の兵士に恋をした従軍慰安婦の一途な姿を描く。公開当時は田村泰次郎の同じ原作を映画化した谷口千吉の『暁の脱走』と比較されたが、時を経て評価が高まった作品。中国大陸の戦地を合成で再現するなど、清順作品の中では珍しく特撮を多様している。アメリカでDVD化されている[Story of a Prostitute (Criterion Collection)]。
昭和初期の河内。飲んだくれの父を持つ秀才青年が、二人の女−肉体的な女と精神的な女−の間で揺れる。『悪太郎』に始まり、『けんかえれじい』で結晶する清順流青春映画の一本で、リリカルな叙情が光る作品。
昭和初期、渡世の義理で相手親分を刺した鉄太郎は、堅気の弟と満州へ逃れようと港町へ向かう。だがそこでもヤクザのいざこざに巻き込まれ、鉄太郎は怒りを胸に組の屋敷へと殴り込む。無人の座敷で次々に開かれる襖の色、畳をガラスにして下から捉えた立ち回り。ありきたりの仁侠映画を装いながらラストに至って突如、清順的様式美が爆発する傑作。アメリカでDVD化されている[Tattooed Life]。
河内の田舎に生まれた女が、強姦されたことをきっかけに大阪へ家出し、その美貌を武器に男たちの間を逞しく生き抜いていく。『肉体の門』『春婦伝』に続いて、野川由美子が主演、彼女のポップな魅力が光る女性映画の傑作。舞台美術めいたセット、広角レンズの使用など実験的試みも全開！原作は今東光。
組の解散で東京を追われた“不死鳥の哲” が各地を流れ歩き、東京に戻るまでを描く。清順いわく「主題歌が何回入るか挑戦した」という異色アクション。ハードボイルド・タッチの東京編、任侠映画風の新潟編、コメディ・タッチの北九州編とあたかもオムニバス映画のような構成や、大胆な色彩感覚によるオープニング・シーンなど、清順スタイルを堪能できる名場面がたっぷり。海外での人気も高い作品。鈴木清順によって渡哲也の魅力が開花した傑作で、『無頼』シリーズの藤川五郎や『仁義の墓場』の石川力夫などに通じる、孤狼型ヒーロー・渡哲也の原点でもある。
昭和初期、岡山中学の南部麒六は、“けんかキロク”とあだ名されるけんか好きで、下宿屋の娘・道子に思いを寄せながら日々けんかに明け暮れていた。配属将校に立てついて放校となり会津に転校するが、そこでも硬派集団の頭にのし上がり、敵対集団との大一番に挑む。初恋に悩み、一本気に生きる熱血青年を高橋英樹が好演、アクションとユーモアあふれる鈴木清順監督の青春映画の代表作。原作 : 鈴木隆。
殺し屋ランキング1位の座を狙う男の孤独な戦いを描いたフィルム・ノワール。「訳のわからん映画を撮るやつはいらない」と当時の日活社長の逆鱗に触れ、解雇通告を受けたいわく付きの作品。しかしファンの間で熱狂的支持を得て、近年ますます評価が高まっている。ジム・ジャームッシュやウォン・カーウァイらも熱狂したという世紀の大怪作。
せっかく別荘に来たというのに、仕事漬けの夫に不満を募らせる妻。そこへ一人の男が雨宿りに訪れる。始めは粗野で無遠慮な男に嫌悪感を覚えた妻だったが、やがて夫にはない逞しさに惹かれ始める。しかしそれに気付いた夫は、男に散弾銃で決闘を挑む！
1968年6月16日TBS系にて放映(TVドラマ『愛妻くんこんばんは』第33話)
これが正真正銘、清順最後の日活作品（TBS＝日活製作）。前年の『殺しの烙印』で、当時の日活社長・堀久作の怒りを買った鈴木清順だったが、翌年本ドラマの撮影に入る。しかしその直後、事実上日活を解雇、その後10年間映画を撮れなくなってしまう。『悲愁物語』までの“失われた10年”はこうして始まった。本作はこれまで回顧上映などでも取り上げられたことのない幻の一本!
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