J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
非行少年の姿を通して、シラケ世代の青春像をモノクロ映像の中に焼き付けた藤田敏八(クレジットは繁矢名義)の衝撃の監督デビュー作。非行少年の純は更生を誓って少年院を出て、指導員の家に引き取られた。だが素行は相変わらずで、昔の仲間と行動を共にするようになってしまう。
学生運動華やかなりし1968年の混乱と狂熱が渦巻く日本の若者たちを撮影したドキュメンタリー映画。もともとは『非行少年』の河辺和夫、藤田繁矢(敏八)、浦山桐郎、斎藤光正の4監督で撮影がスタートしたが、学生運動がエスカレートする様子を見て会社側が映画製作の 中止を決断。浦山・斎藤の2監督は途中降板し、藤田・河辺がゲリラ的に製作を続行して映画を完成させたが、劇場公開されず、1995年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で初めて上映された。
太陽がギラつく夏。一人の美女が非行グループペリカン・クラブに近づき、宗教団体の寄付金強奪という儲け話を持ちかけた。メンバーは海辺での強化合宿を経て、やがて実行の日を迎えるが。梶芽衣子を主演に迎えたシリーズ第2弾。
死神と恐れられるムショ帰りのヤクザが、マリファナの密売をしている青年とその恋人と手を組んで、サソリと呼ばれる殺し屋からマリファナ強奪を企てる。渡哲也 と原田芳雄共演による日活ニューアクション。殺し屋に扮した成田三樹夫もカッコイイ!
新宿をねぐらにするフーテンたちのもとに、ミリタリールックに身を固めた親衛隊・ブラックSSが現れた。彼らは地方都市のボスに頼まれ、家出した息子を連れ戻しにきたのだった。だがやがて、それは街ぐるみの銃撃戦へと発展していく。ザ・スパイダース、モップスらのGSサウンド満載のシリーズ最終作。
灼けつく真夏の海辺で、高校を中退した青年とその友人、不良に強姦された娘の3人が、偽善的な大人の世界に反抗する。本作が劇場公開されたのは、学園紛争が撤退を余儀なくされた1971年。当時の若者たちの行き場を失った苛立ちと焦燥が、灼けつく真夏の海辺を舞台に瑞々しく描かれる。時代を切り取ることの上手かった藤田敏八監督ならではの青春映画の傑作だ。石川セリによる主題歌も印象的。この作品を最後に日活がロマンポルノ路線をスタートさせることになったのも、何やらシンボリック。キネマ旬報ベスト・テン第10位。
藤田敏八監督が若者の性の暴走を鮮烈に描いた“エロス三部作”の第一作。レジ強盗を働いた不良少年に惹かれるデパート店員を、川村真樹がグラマラスな肢体をさらして熱演。閉店間際のデパートで少年がレジの金を奪って逃げた。少年に掌を刺された店員の圭子(川村)は、何故か彼が忘れられない。愛人・芝木(永井)と旅行に出かけた圭子は、海上を進むフェリー上で不良グループの中にあの少年の姿を見つけ、彼らの後を尾行する。
4人の男女が気楽に共同生活を始め、やがて破綻を迎える青春ドラマ。「八月の濡れた砂」の藤田敏八が若者の閉塞感と焦燥感をあぶり出す。伊佐山ひろ子と桃井かおりが存在感ある演技を見せる。カメラマンの浩一(高橋)、服飾デザイナーの悦子(桃井)、漫画家志望の昭(谷本一)、ホステスの雪絵(伊佐山)の4人は、さしたる理由もなく共同生活を始める。しかし楽しい時間は束の間、ヒモ同然の男たちに嫌気のさした雪絵は家を出る。
小池一雄&上村一夫コンビによる同名劇画を、藤田敏八監督が鮮血飛び散る派手な演出でダイナミックに描いたバイオレンス・アクション。文明開化華やかな明治初期を舞台に、母から託された怨念をはらすために、修羅の道を歩く美貌の殺し屋・雪の姿を描く。鬼才タランティーノが『キル・ビル』でオマージュを捧げ、雪の庭園での決闘を見事に再現。ルーシー・リュー演じたオーレン・イシイはお雪がモデルだという。
貧しくもひたむきに生きる恋人たちの儚い幸せと破局を藤田敏八監督が描く。“かぐや姫”の同名のヒット曲を原案に秋吉久美子が薄幸のヒロインを好演。同棲時代と呼ばれた70年代を代表する作品。駐車場に勤める政行(高岡)は新宿の雑踏で知り合った幸枝(秋吉)と一緒に暮らし始める。やがて幸枝が妊娠、2人はアパートを転々とし、下町の貸家でようやく落ち着く。赤ん坊も生まれ幸せだったが、幸枝の心は次第に蝕まれていく。
両親の仇を討って逮捕されたお雪は、死刑の日、特高警察長官・菊井に助け出された。そして命と引き換えに、アナーキスト徳永を殺して、隠し持つ手紙を盗みだすことになる。お雪は家政婦として徳永宅に潜り込むが、彼の革命に対する情熱と菊井の謀略を知って。壮絶なアクションと斬新な映像美で大ヒットした『修羅雪姫』の続編。明治期の政治的混乱に巻き込まれた梶芽衣子扮するお雪が、 再び紫紺の蛇の目傘に仕込んだ刀を手にして、今度は恋人の恨みを晴らすべく警察相手に壮絶な死闘を繰り広げる。原作 : 小池一雄 上村一夫
藤田敏八監督が『赤ちょうちん』に続き、かぐや姫の大ヒット曲を映画化。兄と妹の近親相姦的愛情を描いた青春問題作。秋吉久美子のヌードシーンも話題になった。運送業を営む秋夫のもとに、結婚したはずの妹がひょっこり戻ってきた。戸惑いながらも妹を温かく迎え、恋人のように振舞う兄。そんな二人だけの生活を送っていたある日、妹から「夫を殺した」と告白され。
『赤ちょうちん』『妹』のゴールデンコンビ、監督・藤田敏八&主演・秋吉久美子による異色青春大作。秋吉久美子がそれまでとは一転して生粋のバージンを演じ、長門裕之扮する父親ともいえる中年男にあこがれを抱きながら、人生を転落していく予備校生を見事に演じている。主題歌は作家・野坂昭如の歌う「バージンブルース」。
アリスのヒット曲に乗せて、10代の若者のほろ苦い青春の日々をノスタルジックに描いた作品。父の死の報せを聞き、帰郷することになった辰雄は、列車に揺られながら6年前を回想していく。当時、高校3年だった辰雄は、喫茶店で働く真紀子に想いを寄せていたが。主人公が初体験の相手と交すキスシーンは日本映画史上屈指の名場面。
青春映画の名匠、藤田敏八が監督・脚本を務め、山口百恵・三浦友和のコンビでおくる現代の恋愛のかたちを描いたラブ・ストーリー。同せいをしながらつつましく暮らす浩平と恵子。恋人としてうまくいっていたが、あるきっかけから2人は自分たちの過去や家族のことを何も知らない関係だと気づき不安におちいる。そんな時、恵子は浩平の子供をみごもるが。あやふやな恋人から確かな愛へと発展していく過程を描いた秀作。原作は高橋三千網
自由奔放な少女(浅野)とオートバイ好きの青年(古尾谷)、そして妻子と別居中の謎めいた中年男(山崎)。行きずりの男と女の恋を通じて、世代間の交流と拒絶を描いた片岡義男原作小説の映画化。監督は『八月の濡れた砂』など青春映画で異彩を放つ藤田敏八。『妹』『バージンブルース』の監督+脚本(内田栄一)コンビの佳作。南佳孝の主題歌も大ヒットした。
警官のホルスターから強奪された一挺のリボルバーが、様々な人間の運命を変えていくというサスペンスで、藤田敏八監督の遺作となった作品。沢田研二がくたびれた中年警官を好演している。鹿児島県警の巡査部長・清水は、中年男に拳銃を奪われてしまう。偶然その拳銃を拾った高校生の進は、自分を暴行したチンピラに復讐しようとするが。