J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
歌舞伎に対抗する新国劇でリアリズムの殺陣に挑戦する男の求道精神を描く芸道もの。長谷川幸延の同名戯曲を黒澤明が脚色し、スランプに陥っていたマキノ雅弘監督は山田五十鈴の助言もあり、本作で見事に復活を遂げた。大正時代、新国劇を創設した師匠・沢田正二郎の下で、近代的な新しい殺陣を生み出そうと模索する殺陣師の段平(月形)。しかし方向性の違いから沢田と決別し、最愛の妻・お春(山田)にも先立たれ、絶望の中で段平は芸道を極めてゆく。
巨匠・マキノ雅弘が木暮実千代を主役に迎えて撮り上げたメロドラマ。山小屋で起きた不慮の出来事から窮地に立たされる有閑夫人の苦悩を木暮実千代がしっとりと演じる。名門相馬家に嫁いだ道子(木暮)は、従兄の謙作(田崎)とその恋人の田鶴子(宗方規子)の3人でスキーに出かける。そこで吹雪に遭い、凍死寸前となった道子を助けるため、謙作は自分の肌で道子を温める。しかし下山後、道子は田鶴子から中傷され、相馬家からも責められる。
辰巳柳太郎の宮本武蔵、島田正吾の佐々木小次郎という新国劇の2大スター共演で描いた時代劇。諸国を巡り士官を目指す小次郎は、武蔵を倒すことを条件に俸禄を約束される。武蔵は吉岡道場の二代清十郎、三代伝七郎との決闘を経て、12歳の四代又七郎をも斬るはめになるが、これらを裏で策したのは評判の高くなった武蔵に勝つことを名誉とする小次郎であった。やがてついに二人は巌流島で対峙するが。
鶴田浩二&岸惠子のコンビによる股旅時代劇。原作は子母沢寛で、松浦健郎が脚本を執筆、ベテラン・マキノ雅弘がメガホンを取った。鶴田浩二の颯爽とした股旅姿、そして苦境に立たされるお雪を演じる岸惠子の芝居にも注目。また弥太郎の友人・地方見廻り役人の桑山盛助を演じる高田浩吉もいい味を出している。
鶴田浩二&岸惠子のコンビによる股旅時代劇。原作は子母沢寛で、前作同様、松浦健郎が脚本を執筆、ベテラン・マキノ雅弘がメガホンを取った。後編では、弥太郎×大八一家との対決、そしてお雪との再会が物語の軸となる。
当時、連載中の人気小説・村上元三原作の『次郎長三国志』を、時代劇映画の巨匠・マキノ雅弘が監督した全9作からなるシリーズ第1作!田崎潤が原作を読んで、桶屋の鬼吉役を志願、マキノ監督に映画化を懇望したことで実現した作品で、講談や芝居、映画など、数ある“次郎長もの”の決定版となった痛快娯楽巨編!
今日出海の原作をマキノ雅弘監督が映画化。ハワイロケは、共同監督の松林宗恵が担当した。スポーツ親善使節としてハワイへ派遣された加納明(鶴田)と牧野春夫(三橋)は、日系二世のジーン河合(岸)、隆夫(水島)姉弟と出会う。いつしかジーンと恋に落ち、再会を誓って帰国した明だったが、真珠湾攻撃を経て日米開戦を迎える。ハワイを舞台に、戦争に翻弄された男女の悲恋を描く。
第1作の庵原川の喧嘩を無事納め、津向の文吉・和田島の太左衛門・江尻の大熊ら親分衆を逃がしたあとで世間を騒がせた責任をとって次郎長は旅に出た。途中、小料理屋を営む兄弟分・沼津の佐太郎を訪ねるが、佐太郎の博打癖で酒の振舞いもままならないほど店は傾いていた。佐太郎の女房は、亭主の大事な客人のためと着物を売ってしのぐのだが、佐太郎はまたも博打の誘惑でフイにしてしまう。ダメ亭主とできた女房の泣き笑い、夫婦の機微が描かれる。次郎長一行も佐太郎の博打代に着物まですられたのに、裸のまま明るく旅空の下に駆け出してゆく!
本作からお馴染み、森の石松(森繁久彌)と増川の仙右衛門(石井一雄)が登場!増えた子分を引き連れて、痛快無比の裸道中!次郎長シリーズ第2弾!
雪山で死んだ最愛の恋人を忘れられない雪子は、死んだ恋人に瓜二つの男と出会う。だが男は組織に追われているギャングで、二人は雪山へ逃げるが。マキノ雅弘監督が山口淑子と三船敏郎を主演に迎えて放つメロドラマ。
遊び人・追分三五郎(小泉博)と道連れになった森の石松は、投げ節お仲(久慈あさみ)のお色気たっぷりの壷振りにスッテンテンにされる。お仲に一目惚れの石松と、捨てた女に追われる三五郎がひと騒動。一方、開帳中を役人に捕らえられた次郎長一家は、牢内の横暴な牢名主をとっちめる。そんな折、張子の虎三が義兄弟・大熊の危機を知らせる。
前作では顔見せ程度だった森繁久彌演じる森の石松大活躍の『次郎長三国志』第3弾!張子の虎三を演じているのは、浪曲界の大御所・二代目広沢虎造。もともと浪曲によって広く知られることとなった“次郎長”、劇中でも随所にその名調子が挿入され、ミュージカルのようなモダンな効果をもたらしている。本作から久慈あさみの投げ節お仲と小泉博の追分三五郎が登場!
清水へ戻った次郎長は、一家総出の引越し。祝いの酒宴の最中に、江尻の大熊が持ってきた縄張り争いのことで、大政・鬼吉・綱五郎が甲州・黒駒の勝蔵(石黒達也)に話をつけに旅立つ。一方、石松と三五郎は、行倒れの力士・八尾ヶ岳(千葉信男)の一行を助け、相撲興行を打ち、また花会を催した。大政一行が旅から戻り、話はついたかに見えたが、次郎長生涯の敵手・黒駒の勝蔵との関係に緊張が走る・・・。喧嘩仕度に身を固めた黒駒勢が船で押し寄せ、清水の街になだれ込んできた!次郎長一家も飛び出し大暴れ!!
本作から、三保の豚松(加東大介)登場!喧嘩に、笑いに、恋、男の生き様ここに極まる!一家勢揃いで『次郎長三国志』シリーズひとつのヤマ場を迎えた娯楽超大作!遂に次郎長一家の面々が勢揃い!『次郎長三国志』第4弾!
刀剣蒐集狂の命を受けた丹下左膳が、妖刀・乾雲、坤龍を持ち主から奪い取るが。戦前、伊藤大輔監督などの作品で丹下左膳に扮し当たり役とした大河内傳次郎が、戦後初めて左膳を演じた作品。林不忘の原作シリーズ中『乾雲坤龍の巻』を、脚本:伊藤大輔、監督:マキノ雅弘で映画化。多作で知られるマキノ監督は生涯で丹下左膳ものを3度映画化しているが、大河内“左膳”はこの作品のみ。撮影当時すでに50歳を超えていた大河内傳次郎は、若い頃のように体が動かず、前編が撮り終わったところで「もう出ない」とダダをこねたらしい。
名刀・乾雲、坤龍をめぐる江戸市中の混乱のもとが饗庭藩士、丹下左膳にあると知った奉行は、饗庭候を問いただす。だが卑怯な饗庭候は左膳なる者を知らぬと断言し、刺客に左膳暗殺を命じるのだった。原作:林不忘
次郎長一家の恋愛模様が展開するかと思いきや、それぞれの思いに決着をつけ、一転、キッタハッタのやくざ渡世。甲州にある大熊の賭場が猿屋の勘助(小堀誠)に荒らされ、物見役を買って出た投げ節お仲は、甲州へ潜入したが、その正体がばれて捕まってしまう!お仲に惚れている石松・三五郎をはじめ、次郎長一家ついに甲州へ殴り込み、勘助との直接対決。はたしてお仲を助け出すことができるのか?!
小堀親子が次郎長と勘助、敵役で共演!シリーズ最高、迫力の剣戟シーンが展開する痛快娯楽巨編!!投げ節・お仲に危機迫る!血煙あがる甲州路、次郎長一家VS黒駒の勝蔵一味!手に汗握る『次郎長三国志』第5弾!
村上元三原作の「次郎長三国志」シリーズ第6弾!前作、甲州路で勘助を叩き斬って兇状旅に出た次郎長一家だが、捕手に追われ、徐々に疲弊してゆく。かつて急場を救った力士・八尾ヶ岳を訪ねるが、力士をやめ保下田の久六と名を改め、尾張で売出しの親分になっていた。小松村の七五郎の家に落ち着いた一行、しかし次郎長の恋女房・お蝶が病に冒され弱っていた。行く先々で、恩を受け、裏切りにあい。果たして誰が敵で誰が味方なのか?!槍を構えて啖呵を切るのは、越路吹雪演じるお園。さらに、マキノ監督の「清水港」でデビューを飾った長門裕之が、本作「次郎長三国志」に島の喜代蔵役で出演!
お蝶の死を早めたのは保下田の久六裏切りだ!お蝶の百箇日が終わったら仕返しだ!と息巻く次郎長一家。前作から登場、次郎長に預けられたまだ前髪姿の少年 島の喜代蔵(長門裕之)は、次郎長のようなやくざに憧れている。お仲にも、次郎長と結婚して自分の “おっかあ”になってくれとせがみ、困り果てたお仲は旅に出てしまった。そんなこんなでようやく迎えたお蝶の百箇日、次郎長一家はなんと、酒盛りでフグの毒にあたり、動けなくなってしまう!そこへ久六一味がやって来て!!動けるのは女達だけなのか?!次郎長一家またまた危機一髪!『次郎長三国志』第7弾!
明治30年代の函館。船乗りの九里は、遊郭の女に惚れた親友のために、遊郭に潜入し女を連れて逃げ出そうとする。マキノ雅弘監督が越路吹雪、河津清三郎、田崎潤ら『次郎長三国志』シリーズのメンバーを迎えて撮った、哀愁の人情群像劇。
ひとりの爺さんから、行方不明の娘の安否を占ってほしいと頼まれた河内山宗俊と暗闇の丑松らは、娘が蔵奉行の悪事の犠牲になったのではないかと調査を開始する。マキノ雅弘監督をはじめ、『次郎長三国志』シリーズのスタッフ、キャストの面々が勢ぞろいした痛快時代劇。
石松絶命!?シリーズ最高傑作と絶賛された「次郎長三国志」シリーズ第8弾!お蝶の法事を終えた次郎長から愛刀を讃岐の金比羅様へ納める役を仰せつかった森の石松が旅に出る。夕顔(川合玉江)という女郎に一目惚れした石松は、身愛山鎌太郎(志村喬)のはからいで夕顔を見受けすることになる。ところがその帰途、ワラジを脱いだ都鳥の吉兵衛(上田吉二郎)一味の闇討ちにあい。本作だけは、これまで脚本に参加していた原作者・村上元三にことわり、マキノ雅弘が森繁久彌のために書いたというオリジナルのストーリーで、森繁の熱演と相まってシリーズ最高傑作と なって大ヒットを記録した。マキノ監督は「石松開眼」というタイトルを考えていたというがその理由は見てのお楽しみ!
平五郎親分のところに草鞋を脱いだ旅烏の弥太郎は、そこの用心棒・筧の妹で足の悪いお篠と恋仲になる。筧は弥太郎の人柄に惚れてはいたが、大切な妹をヤクザ者にはやれぬと、弥太郎と対決することに。マキノ雅弘監督が鶴田浩二を主演に迎えておくる股旅映画。
神戸の長吉が親の代から持つ縄張り・荒神山に、安濃徳が賭場を開くという。争いを嫌う長吉は、吉良の仁吉に相談を持掛けた。が、そのことで仁吉は安濃徳の黒幕である黒駒勝蔵を敵に回してしまい、清水一家とともに荒神山で戦うことになる。この一戦を最後にヤクザから足を洗う決心をした仁吉だったが。
マキノ監督は『第八部 海道一の暴れん坊』を最後に幕を引く予定であったが、前作の大ヒットを受けてつくられたシリーズ第9弾!本作の最後、次郎長一家が仁吉の復讐のため旅立ったところで幕を閉じる。
江戸末期、高禄を食らう直参旗本・松平帯刀(徳大寺伸)らは、鬼神組などと徒党を組んでは喧嘩、酒、女、賭博と無頼の徒にも等しい有様であった。一方、貧乏旗本の此村大吉(鶴田浩二)、座光寺源三郎(田崎潤)、大河内善兵衛(河津清三郎)、横井甚兵衛(田中春男)らの一派は、太田鉄斎(荒木忍)の説く「幕府政治の無能無策」に深く共鳴していた。此村一派を快く思わぬ松平らは、鉄斎逮捕、そして此村一派の追放を企てる。
松竹の専属であった鶴田浩二を主演に招いて製作された時代劇巨編。当時、大映京都撮影所がフル稼働中であったため、下加茂にあった京都映画にて撮影が行われた。監督は東宝で『次郎長三国志』シリーズをヒットさせていたマキノ雅弘があたった。田崎潤、田中春男、河津清三郎といった出演者たち、撮影の山田一夫、音楽の鈴木静一も『次郎長三国志』シリーズでおなじみの面々であり、異色の大映映画となった。
上州赤城山麓国定村に流れて来た二人の旅鴉が、農民を搾取しているヤクザの親分・国定忠治に立ち向かう。貧民の英雄という従来の国定忠治像に新解釈をほどこし、農民の血税を吸い取る悪者として登場させたマキノ雅弘監督の股旅映画。
幕末の会津戦争時。官軍に包囲された城から身重の妻を連れ、逃げ出した孫次郎は、官軍偵察隊に捕まり殺されそうになる。だが突然の妻の出産で、彼と隊の間に一体感が芽生え。マキノ雅弘監督が人間愛に目覚めていく兵士の姿を描いたスペクタクル時代劇。
力士上がり、もと会社社長とその部下、浪曲師、流行歌手、漫才師など愛きょうたっぷりな面々がそろった軍隊仲間と、彼らをなにかと助ける見習士官。終戦から5年後のクリスマスに再会を約束した彼らの友情を、涙と笑いで描いた力道山主演作品。空手チョップもあざやかな力道山のリング姿も楽しめるほか、東千代之介との顔合わせをはじめ、豪華な共演者が話題を呼んだ感動編。
郡山藩武術師範の生田伝八郎は、御前試合の遺恨から遠城宗左衛門を切り、万造親分のもとに身を寄せながら遠城兄弟のあだ討ちを受けて死ぬ覚悟だった。だが伝八郎を愛する万造の娘お勝が彼の意に反し、子分を総動員して遠城兄弟を返り討ちにしてしまう。武士の意地ゆえに破滅していく伝八郎と、愛するがゆえに彼を狂気へと導くお勝の悲劇を描いた力作。マキノ雅弘監督が自身の作品「崇禅寺馬場(1928年)」を再映画化。