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ECサイトのお勧め商品カタログ|映画好きのBS/CSガイド

ゆがんだサングラス

From 2004-10-08(金)
To 2004-11-11(木)


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GOOD EVENING

岡林信康「ゆがんだサングラス」


やっと、岡林信康のCD化されているアルバムをオークションで買い揃えました。

最後に入手したのは岡林曰く一番のスランプ時期のアルバム『誰ぞこの子に愛の手を』(1975年作品)

このアルバムの中に先日のコンサートでも歌われ、「一番苦しかった時期の歌が案外受ける」とご満悦だった「ゆがんだサングラス」

後半、歌詞がハチャメチャになるけれども、この歌、僕も好きなんですよね。

このサングラス ひどくゆがんでた
はずしてはじめて 気がついた
あんなにひどい ブスに見えてた
君がこんなに イカしてた
これから腕組み 大通り
二人で一緒に 歩こうよ
このサングラス ひどくゆがんでた

「ゆがんだサングラス」現在視聴可能アルバム

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一番美しく

黒澤明一番美しく』(1944年作品)


黒澤明監督の国策映画

男子の足手まといになりたくない。
屋根から落ち、怪我した事がすまない。
病気になってすまない。
仕事から外されたくないから、夜、熱が出るのを隠してくれ。
不注意でチェックし忘れた製品を徹夜して、探す。

エピソードの全てが自己批判の全体主義。
悪いのは自分であり、敵と戦う兵隊さんに申し訳がない。

日本国民、戦争を忘れても、その当時の精神は未だ健在なんじゃないでしょうかね?

戦後、民主主義を高らかに讃える映画『素晴らしき日曜日」(1947年作品)と同じ調子で黒澤は日本人の精神美学を描いています。

国策から民主主義への違和感なき変身。
健常者幻想のルーツのようで、ちょっとご紹介。

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SABU さぶ

山本周五郎さぶ


山本周五郎原作を三池崇史監督が映画化した『SABU さぶ』(2002年作品)を観ました。

幼なじみの勝ち気な栄二と弱気なさぶ。あらぬ疑いをかけられ、寄せ場送りになる栄二を信じ続けるさぶ。復讐心に心囚われる栄二も寄せ場暮らしの荒波に揉まれ、疑いの真相を知り、許しの気持ちを持つ。それを知らずに、真相を知りつつ、自分が罪をかぶろうとするさぶ。

「自分のやっている事が全て正しいと思っている栄二が嫌いだ」

寄せ場の監視が吐き捨てる言葉をさぶは胸に秘め、栄二を立ち直らせようとする。

「ひとりで人間は生きられないからね。」

寄せ場送りになった仲間の言葉をおそらく栄二は自分が憎まれたとしても立ち直って貰いたい一心のさぶの行動に見いだしたのだろう。

弱虫の腕ある者への敵討ち。「ひとごろし」と追いかけ回す『ひとごろし』(大洲斎監督、松田優作主演、1976年映画化)「言葉は剣より強し」ともども山本周五郎の社会観、人生観、見直したいところ。

20代、30代で人生語りたがるむきにはお勧めかと。

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小林正樹いのちぼうにふろう』(1971年作品)

続けて、山本周五郎原作『深川安楽亭』の映画の話。

与太者のたまり場飲み屋「安楽亭」。その場所を密貿易の基地にしたい八丁堀。

そんな場所に恋人を女郎に売られ、人を殺め、逃げ込んだ若者の「いのちぼうにふっても助け出す」という言葉に与太者たちは心動かせる。

「体が不自由なら、世間様、同情してくれるが、ここにいる奴らは獣だ。気性の不自由さは世間様に疎まれる。」

かばい通す店屋の親父も与太者たちの心根に一肌脱ぐ決心をする。

自分勝手にいのちぼうにふるのも、社会にしたがっていのちぼうにふるのも、無駄死にでしかない。どうせなら、ぎりぎりまで生きて、人様のためにいのちぼうにふろう。

一肌脱いだ企みはあえなく、八丁堀に潰され、最近寄りついた酔っぱらいの客から若者は恋人を買い戻す金を頂く。

「女房子供と幸せに暮らすために稼いだ金。帰ってみれば、女房子供は悲惨な死に方をしていた。今の俺にとっちゃ、100や200の金なんか、死に金だ。くれてやるよ。」

酔っぱらいの客に扮する勝新太郎がいい味を出している。

山本周五郎の戦争を生き抜いた人生観が存分に出た作品であり、後に『東京裁判』を撮る小林正樹監督の視点と相まっての力作。それにしてもこの映画、豪華キャスト。

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フリーホイーリン・ボブ・ディラン

ボブ・ディラン「戦争の親玉」(1963年作品)


新聞記事に「農業用水浪費で食料難に 25年に世界で深刻化」。

ネットで調べてみると今世紀は「水戦争」の世紀らしく、縦長のてんこ盛りページで「水戦争」の実態はおおよそつかめましたが、20年後に急に深刻化するわけでもなく、すでに深刻化してるんだろうがというのが感想。

簡単にまとめれば、食肉用の牛を育てるための穀物を作るために使われる水資源が生態系を崩す結果を招いており、先進国のブルジョワジーの食を変えなければ、20年後には深刻な食糧問題となるという事らしく、「集金」のみでなく、「食」でも生態系を崩す事が指摘されたのでしょう。

岡林信康が師と仰ぐボブ・ディランの初期作を聴きたく、買い集め、フォーク期の代表曲が収録された『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』(限定紙ジャケ仕様)を聴いているところ。

岡林もデビューアルバム『わたしを断罪せよ』でカバーしている(訳詞は高石友也)「戦争の親玉」。いい歌ですね。「風に吹かれて」「はげしい雨が降る」なんかも好きだけど。

こわすこと以外 なにもしたことがない あんた
あんたは おもちゃのように おれの世界をもてあそぶ
おれの手に鉄砲を持たせ おれの目から隠れるが
弾丸がとびはじめたら まわれ右して一目散

日本は五木寛之の旦那曰く、「心の戦争」とか。日本の戦争の親玉さんたち、あんたが変わんなきゃ、この国は滅びますぜ。

今日も19歳の青年が虐待餓死のニュース。

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静かなる決闘

黒澤明静かなる決闘』(1949年作品)


ケーブル引き、黒澤映画の見直しが出来る喜び、満喫しています。

戦後民主主義を満喫出来ても、豊かさを得られないカップルを描いた『素晴らしき日曜日』(1947年作品)以降、黒澤明は三船敏郎というキャラクターを得て、社会の矛盾にカメラを向け始める。

そんな一作、『静かなる決闘』(1949年作品)。
戦時中、野戦病院で兵隊を手術した際、メスで怪我をし、梅毒を移されてしまう医師。戦後、帰還し、許嫁にもそのことを打ち明けず、別れを告げ、献身的に貧しい者の治療に取り組む。そんなある日、移した兵隊だった男と巡り会い、楽観的に生きるそいつを責める。

人道的に生きようと脂汗流しながら苦しみに耐える生き方と楽観的に生き、毒をまき散らす生き方。

おそらく「静かなる決闘」は今も続いているのでしょう。

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国破れて山河あり

先日、帯広畜産大の環境昆虫学教授の岩佐光啓さんが書かれていた新聞コラムに「害虫退治」で「殺虫剤」という「力の論理」が害虫を退治するどころか、生物群集のバランスをかく乱させ、天敵をも減少させるため、害虫がかえって増加するという「誘導多発性(リサージェンス)」を招くとされ、それが「テロとの戦い」にもいえるのじゃないか、害虫を生む背景や土壌を探る事と同じく、世界の富の極端な偏在、差別、抑圧が発生する社会システムの見直しが本来の「テロとの戦い」ではないのかという論旨が書かれてあり、そうだよねと思った次第。

先週のテレビの特集にも感心する番組あり、先日までストリーミングも流されていたので、ご承知の向きもあるかと思いますが、肥満大国アメリカ合衆国で肥満は社会保障費を将来的に抑圧するので、胃の摘出手術を州が助成支援しているとのニュースがあり、特集では摘出手術の失敗例として壊死した腕で生活送る人と、肥満による糖尿などの併発におびえる肥満の方々を映し出し、「袋小路」にはまった悩める国の実態を紹介していました。

「国破れて山河あり」と社会なくとも自然があれば人は生きられる格言も、「国破れて山河なし」の状況進行下、どうなっていくのかなと思ったりしています。

かく言う自分も数ヶ月の仕事が終わり、パソコンに向き合う時間が長かったせいか、首筋から頸椎まで負担が溜まり、ちょっと疲れ気味。好きな映画の情報整理にと『映画データベース』なるものを手がけだしたけど、好きな分だけ、夢中になりすぎ、悪循環かなと。「国破れて山河あり」まずは自分の自分に対するいたわり度なのかなとも思うのですがね。これが人間一番の難題だったりしますから。

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ニワトリはハダシだ

日本の一番長い一週間、いかがお過ごしでしょうか。

僕の方は肩こりから来ると思われる口の中の出血もだいぶ良くなり、こりの根っこのようなものも認識。これが数年前、くしゃみでヘルニアを引き起こし、数週間歩けなくなった原因の根幹なんだろうなと再認識しています。

好きな映画監督森崎東さんの新作『ニワトリはハダシだ』に関するニュースに、いたく共鳴しているところ。

京都・舞鶴を舞台に知的障害者の少年サムと彼を取り巻く環境やそこにある差別を描いた本作

本作を製作するにあたって森崎監督は「自身、障害者の親で、こういう映画を作って彼ら(障害者)を見せもののようにしていいのだろうか?と悩みましたが、『面白い息子をもっと多くの人に見せびらかしたい』という大阪で出会った障害者の母親に出会って考えが一変し、製作する気になった」と撮影までの経緯を語った。

ゴダール青年黒沢清の近作もぼちぼち見始め、「自然の法則」にあらがう人間たちの秩序はまさに「生き物の記録」であるという論法にニンマリもし、ニワトリはハダシ、如何に「自然の法則」の中、生きる術を見いだすかが「幸福論」かと。

折しも「強制でないことが望ましい」という御言葉が出され、右往左往する人々の読み替えが行われようとするこの頃。ニワトリはハダシである事をお忘れなくと言伝。

隙与えぬ人よりも隙だらけの人間の方が人間らしく、「自然の法則」に叶っているとも。

今の世、求められているのは『男はつらいよ』さくらのような「ピアカウンセリング」じゃないのかな。

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JSA

パク・チャヌクJSA』(2000年作品)


軍事境界線北緯38度。
日本のどの位置にあたるのだろう。

板門店そば、共同警備区域(JSA)で起こった射殺事件。
中立国監督委員会として、父が韓国人であるスイス人である女性将校による取り調べ。軍事境界線を超えてしまったがために知り合った南北兵士たち。その証言は虚偽に満ちていた。

朝鮮戦争時、内戦の中の内戦により、「北」にも「南」にも帰る事を望まなかった人々、スエーデン、スイスの中立国はその立場ゆえに彼らを受け入れなかった。

真実を語れない苦悩と真実を証させたい誠意。それが互いに裏目に出る。

貧富の格差広がる「南北」半島では本当の豊かさを求め、未だ続く戦争を見直しているのでしょう。

その要因を作った国にも北緯38度は存在しているのに。

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エノケン芸道一代

七回忌


風邪をこじらし、咳、鼻水止まらず、お陰でなかなかほぐれない肩こりはだいぶほぐれたけれど。(笑)

世の中は勝利得た時代遅れのカースト制、KKKの親玉が悪党かくまう地球憎しと総攻撃とか。地球って粘土のようなもので、何処か引っ込めば、何処か盛り上がる性質持ち、太平洋戦争時、叩かれ続けた成果として、昭和新山出来たようにも思うけど、このところ連日揺れる大地はKKKのイラク征伐のせい?

お陰かどうか、11月としては気味悪いくらい暖かく、冬場の灯油価格コントロールの被害も受けず、安堵しているけれども、この後、『デイ・アフター・トゥモロー』なんて、ご勘弁を。

監視システムでとらえた黒人青年の自殺シーンをアダルトサイトで、「黒人はこのように死ね」なるメッセージを添えてアップするKKKの本拠地ならかまいませんが。

明日は一月早めた父の七回忌。父の姉である伯母も転び、骨折し、入院で、母と二人だけの法事。思い返せば、くしゃみから数ヶ月身動き出来なくなった年、やっと動けるようになった時の不幸だったなぁと。

過酷な試練は自然だけで十分と思うのだけど、色ぼけ、欲ぼけは過酷な試練を浴するのでしょうね。

盛者必滅、会者定離。
南無阿弥陀仏。諸行無常。
榎本健一法界坊」より「ナムアミダブツ」
エノケン芸道一代』収録

ジョルジュ・メリエス監督、映画「月世界旅行」より。地球もさぞかしこんな心境かと。

人面顔の月の目にロケットが刺さっている画像

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徒然なるままに : 過去記事 2004-10-08 掲載 2004-11-11加筆
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