J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
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選挙違反の罪を問われた父の自殺後、残された母と弟妹のため懸命に働く長男・健一郎。定職をもたない次男、出征中の三男、学生の四男、工場勤めの妹。それぞれの悩みをかかえ、ときには衝突し、そして和解する姿をしみじみと描いた家族ドラマの名編。一家を支える実直な長男の人間像を笠智衆が好演。島津保次郎門下だった吉村公三郎が、同じく島津門下だった木下惠介の初脚本を映画化している。
京都の花街を舞台に、他人を信じずドライに生きる芸者の姿を通して名匠・吉村公三郎が女の幸せとは何かを問う女性ドラマ。京マチ子がしたたかなヒロインを体当たりの熱演で見せる。静乃家のおきく(瀧花久子)の娘、君蝶（京）は、自分に貢ぐ男たちから金を搾り取るだけ搾っては捨てるを繰り返す凄腕の芸者。姉とは対照的に、妹の妙子（藤田）は地味な公務員。妙子は料亭の一人息子の孝次（小林）と恋仲だが、その母から身分違いと反対される。
のん気な夫と快活で行動的な妻の周囲で巻き起こるてんやわんやの大騒動。朝日新聞に連載されベストセラーとなった獅子文六の原作小説を大映と松竹で競作し、両作ともに大ヒットした。妻・駒子（木暮）から家を追い出され、あらゆるものからの解放を求め浮浪者の仲間入りをした五百助（小野）。初めて接する浮浪者たちの社会とそこに棲息する自由な人びと。五百助は次第に義理や肩書きに縛られない真実の生き方を見い出していく。
大映が創立十周年を記念して、総力を挙げて製作した文芸大作。社長の永田雅一自ら製作にあたり、監督の吉村公三郎を筆頭に、脚本の新藤兼人、撮影の杉山公平、音楽の伊福部昭ら、実力派スタッフが顔を揃えている。さらに監修に谷崎潤一郎、「源氏物語」研究の第一人者・池田亀鑑を迎え、徹底した考証の元、豪華絢爛な平安絵巻が繰り広げられる。また徹底した二枚目ぶりを演じる長谷川一夫、そして、長谷川を取り巻く木暮実千代、京マチ子、乙羽信子、水戸光子ら煌びやかな女優陣の競演も見逃せない。
京都の織元として名を馳せた一家が時勢に逆らえず没落してゆく様子を描く。前年の『源氏物語』に続いて新藤兼人が脚本を手がけ、撮影は宮川一夫。妾役の田中絹代が存在感を見せる。かつては全盛を誇った西陣の織元、大森家の主人(柳永二郎)が莫大な借金を苦に自殺した。残されたのは妻と３人の娘、そして主人に囲われていた芸者の染香（田中）。忠実な番頭・幸吉（宇野重吉）は一家のために心を尽くすが、高利貸は容赦なく身ぐるみを剥いでいく。
亡き愛人の面影を宿すその息子に惹かれてしまう中年女性の狂おしい葛藤。川端康成の原作を新藤兼人が脚色し、吉村公三郎が監督。木暮実千代が恋にのめり込むヒロインをたおやかに演じる。亡父の愛人だった太田夫人（木暮）と茶会で再会した菊治は、夫人と親しく付き合うようになる。やがて夫人は菊治の中に父親の面影を見い出し、心が傾く。夫人の娘・文子（乙羽）はそんな母を軽蔑するが、彼女もまた菊治に恋してしまうのだった。
生活のため妾になるべきかためらうヒロインを温かく見守る人情ドラマ。松竹を経て大映作品へ出演した水戸光子が混乱を明るく生き抜くヒロインを好演。昭和 20年代の風俗や市井の人びとの様子が細かく描かれる。焼け残った借家に義母と暮らす咲枝（水戸）は、兵隊にとられ戻ってこない夫を待つ身。大家の紺野（小澤榮）から、立ち退くか自分の妾になるかと迫られ悩んでいる。しかし咲枝は、下宿人で実直な工員の河田（菅原）といると心休まるのだった。
“木曽路はすべて山の中である”で有名な島崎藤村の同名小説を新藤兼人脚本を担当し吉村公三郎が監督。幕末の木曽の山中、宿場町を舞台に民衆の側から見た明治維新を重厚なタッチで描く。京と江戸を結ぶ木曽山街道・馬籠宿場に本陣を構える青山家。跡継ぎ息子の半蔵（滝沢）は、江戸で学問を学んで帰郷。農民に寄生する寺院をつぶして民事は神式にすると唱えるが、上層階級の反対に遭い失敗する。幕府の崩壊は間近まで迫っていた。
田宮虎彦の3つの短編小説『絵本』『菊坂』『足摺岬』(『足摺岬 田宮虎彦作品集』収録)を新藤兼人が脚色、吉村公三郎が監督した作品。軍国主義が台頭し始めた昭和初期。苦学生・浅井は表現の自由を奪われた苦悩などから、死を覚悟して愛する人の故郷・足摺岬へと向かう。
沢野久雄の原作を名匠・吉村公三郎が手がけた文芸映画。伝統的な京染の世界で仕事に打ち込む女性の一途な恋情を綴る。古風なモラルと新時代の奔放さを備えたヒロインを山本富士子が好演する。京都。伝統ある京染屋を支える長女・きわ（山本）は、結婚もせず家業に打ち込んでいた。ある日、唐招提寺を訪れたキワは大学教授・竹村（上原）と出会い、いつしか彼に惹かれる。二人は愛し合うようになるが、竹村には愛娘と病身の妻がいたのだった。
元禄時代、年貢が納められず妻子をつれて夜逃げした農民・仁兵衛は、大阪の船着場で落ちていた米を拾い続け、商売人として身をたてる。一代にして財をなす徹底した守銭奴の主人公を中心に、金に振り回される人々の人間模様を喜劇的に描いた異色時代劇。井原西鶴の戯曲に材をえて原作を書き下ろした溝口健二監督が、撮影開始直前に他界したため、吉村公三郎監督が遺志を継いで完成させた。
山本富士子と京マチ子の二大女優がライバル店のマダムに扮し、すさまじい女のバトル繰り広げる。監督は女性映画を革新したといわれる名匠・吉村公三郎。宮川一夫の流麗で艶やかなカメラも見もの。銀座でナンバーワンと評判のバーを経営するマリの前に、京都のやり手マダム・おきくが現れ、銀座に店を出すという。二人は熾烈な戦いを始めることに。
『夜の蝶』の吉村公三郎が監督した川口浩と野添ひとみ主演の文芸作。遊廓裏の置屋の二階で貧しい暮しを送る平一郎と母のお光。登校途中に出会った和歌子に恋し結ばれ、やがて将来を誓い合った平一郎だったが、学校の思想調査で、彼女への恋文を発見され停学処分になってしまう…。
日本舞踊家の朱実は、権謀術策を弄してついに舞踊界最高の地位を極めた。だが朱実の若い弟子は、彼女を追い越そうと野望に燃えていた。日本舞踊界の花形になった女の内面をドラマチックに捕らえた新藤兼人の脚本を、吉村公三郎監督が映画化。
二・二六事件を背景に令嬢の目を通して当時の空気を描く異色歴史ドラマ。武田泰淳の同名小説を原作に、昭和初期の貴族の優雅な生活と戦争の忍び寄る不穏な情勢を緊張感たっぷりに綴る。進歩的な考えの持ち主である貴族院議長を父に持つ令嬢・氷見子（金田一）。その兄で見習士官の義人（本郷）は、氷見子の親友・節子（叶）と惹かれ合っていたが、節子は兄妹の父に強姦される。やがて義人は血気盛んな青年将校たちに共鳴する。
出戻りの長女、兄嫁いびりに精を出すオールドミスの次女、恋愛と結婚は別と割り切る三女、それに夫の浮気を知って内心大慌ての兄嫁。結婚に人生の夢を託す4人の女の心理的葛藤を描く。水木洋子のオリジナル・シナリオを吉村公三郎が監督したホームコメディ。
ファッション業界を舞台に、トップを狙う女たちの争いと彼女たちを手玉にとって成り上がる青年が虚々実々の駆け引きを繰り広げる。大抜擢された新人・田宮二郎の悪魔的な美青年ぶりが圧巻。戦後の大阪、式子（京）が始めた洋裁学校は時流に乗って発展し、次々と学校を開設する。経営コンサルタント・銀四郎（田宮）は、式子の3人の女弟子を誘惑し学校の実権を狙っていた。銀四郎の思惑に気づいた式子は彼を解雇しようとするが。山崎豊子原作の映画化。
広島の原爆をモチーフに新聞記者と美貌のバーのマダムの出逢いと恋を描く。若尾文子が被爆の苦しみを背負うヒロインに扮した異色の恋愛ドラマ。1963年モスクワ映画祭ソ連平和擁護委員会賞を受賞した。戦後17年目の原爆記念特集号の取材で広島を訪れた記者、加宮（田宮）。立ち寄ったバーのマダム・秋子（若尾）に惹かれるが、彼女は女学生時代に被爆し、心身ともに傷を負っていた。加宮はそんな秋子をいっそう愛してしまう。
“女性はなぜ嘘を付くのか”をテーマに、増村保造、吉村公三郎、衣笠貞之助が綴ったオムニバス映画。
男を手玉にとってきた女性が、別の女に本命の男を取られそうになる第1話「プレイガール」
パトロンとの縁切りを目論む社長が、ひと芝居打つ第2話「社用2号」
ある男性の殺人事件を巡って3人の女性の証言が裁判で食い違う第3話「3女体」の全3話。
越前の寒村に住む若い竹細工師・喜助は、父がかつて愛人にしていた遊女・玉枝と所帯を持つが、夫婦生活のない夫に不満を感じた玉枝は不倫の子を身ごもってしまう。しかし、堕胎に失敗した玉枝は死に、失意の喜助は人形制作をやめる。水上勉の原作を、吉村公三郎が哀切きわまる情話に仕立てた名作。
吉村公三郎監督が、病後再起第一作として2年ぶりに手掛けた意欲作。福島県本宮町の主婦を中心に誕生した「本宮方式映画教室運動」に新藤兼人の近代映協が協力して製作。現地が舞台となったほか、現地出身の脚本家や小学生が要役を演じるなど、地元に基づいた作品。産休をとった坂井先生（吉行）の臨時教員を、教師経験のある本間（山岡）がつとめることに。複雑な家庭環境を持つ生徒・西坂清の態度に手を焼くものの、大きな愛情で彼を見守ることでだんだんと少年の心に優しさが戻ってくる。やがて、3ヶ月の大任を果たして子供たちと別れる感動の日を迎える。
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