J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
岡本喜八の『暗黒街の顔役』に続く、“暗黒街”もの第2弾。殺し屋と拳銃に支配された町を舞台に、伝統的な任侠スタイルの地元のやくざと、スーツ姿のギャングスタイルでキメた新興暴力団の争いを描く。岡本監督の鬼才ぶりがいかんなく発揮されたオシャレな傑作アクション映画。原作 大藪春彦「血の罠」より。
岡本喜八が佐藤允を始め東宝青春スターを総動員して監督した青春アクション映画。吹雪のために山小屋に閉じ込められた大学山岳部の若者たちの前に、警官に追われたふたり組の強盗が逃げ込んでくる。鶴田浩二が山岳部の先輩役で特別出演。
中国戦線を舞台に、はみ出し部隊の活躍をユーモラスかつダイナミックに描く『独立愚連隊』シリーズ2作目。北支戦線、歩兵第463連隊は中国の八路軍に攻撃を受け、軍旗を抱いて脱出した北原少尉(久保明)を残して玉砕した。師団本部は軍旗捜索のために、日本軍隊から厄介者扱いを受け、危険な戦線にばかり送り込まれてきた独立左文字小隊を派遣する。加山雄三の初主演作。
岡本喜八の“暗黒街もの”第3弾。高性能エンジンのテスト中に事故死した兄の死因をさぐるうち、産業スパイの存在と背後にうごめく暴力団の影が見え隠れする。岡本監督独特のスピーディーな展開とユニークな見せ場の多いアクション巨編。
岡本喜八監督が大藪春彦のハードボイルド小説「火制地帯」を翻案、スピーディーで歯切れの良い独特の語り口で地方暴力団の抗争を描く。某市長が何者かに狙撃され殺される。父の死を聞き、アラスカから戻った市長の息子・次郎(加山)は、現市長となった叔父の今村(柳永二郎)を訪ね父の死の真相を調べ始めるが。
中村真一郎の推理小説「黒い終点」をもとに岡本喜八監督が描く娯楽活劇。国際コールガールのポン引きをする一方、得意のカメラでエロ写真を客に売り付けている戸部修(三橋)は、あるネガを拾ったことから、1億5千万の横領事件に関わり、殺し屋に命を狙われるハメに陥る。
岡本喜八の快作『独立愚連隊』の延長戦上にある西部劇タッチの戦争アクションで、佐藤允以下、岡本喜八一家が総出演している。第二次世界大戦末期の中国大陸。陸軍のある小隊に配属された新任の参謀・関大尉(夏木)は負傷して、敵ゲリラ隊の捕虜になった。師団長は彼を取り戻すよう、特命隊の白虎(佐藤)に指令を下す。白虎は、軍法会議へ掛けられに行く道中に、ある4人のはみだし兵(加山、中谷一郎、田中邦衛、砂塚秀夫)を貰い受け、最前線へと出かけていく。敵の特務隊と丁々発止の駆け引きをしながら敵前突破する5人のアウトローたちが痛快に描かれる。
カメラ会社の営業マン・吉本(宝田)は、出世のためなら何でもすることから“出世計算器”と異名を取るほど要領のいい男。ある日、石油王国からホセ・ダゴン(ジェリー伊藤)という富豪がやってきて、ライバル会社と商談を始める。吉本は負けじとダゴンと交渉するが、ダゴンは、吉本の愛するホステス・和子(司)と結婚させてくれれば商談をまとめてもいいと持ちかけてきて。
岡本喜八の西部劇タッチの演出が光る傑作アクション時代劇。時は群雄割拠の戦国。武田家の忍者・吉丹(加山)は、冷酷な武田信玄に仕える生活に嫌気が差し逃亡。彼を追ってきた播磨(中谷)は、木下藤吉郎(佐藤)の入れ知恵で馬借隊有吉党に入ることになった。藤吉郎の目的は、当時の最新兵器である鉄砲“種子島”300廷を堺から織田領内まで運ぶことにあったのだが。鉄砲“種子島”をめぐる壮絶な争奪戦が展開。藤吉郎に扮した佐藤允の怪演も楽しい一編。
洋酒メーカーの宣伝マンである中年サラリーマン、江分利満氏(小林)の生活を通して、戦中戦後を生き抜いてきたサラリーマンの悲哀と屈折した心情を大胆な手法でコミカルに描いた傑作。実際に洋酒メーカーに勤めていた山口瞳の直木賞受賞作を、鬼才・岡本喜八が映画化。主演の小林桂樹が毎日映画コンクール男優主演賞に輝くなど、数々の映画賞に輝いた秀作。
昔気質のヤクザ・大作(伊藤)が出所すると、組は市会議員に立候補する新興ヤクザ・矢東(中谷)に乗っとられていた。怒り狂った大作は、万年筆爆弾を使って矢東を殺そうとするが。それぞれの登場人物のバックに洋楽や邦楽などの音楽を使い分けて流すという一風変わった演出のミュージカル・コメディ。コーネル・ウーリッチ原作のサスペンスを岡本監督が痛快作に仕立てた。
万延元年、時の大老・井伊直弼(松本)の開国強行策に反対する水戸浪士・星野監物(伊藤)以下三十数名が、井伊の暗殺を企てる。井伊大老が妾に産ませた子・新納鶴千代(三船)は、一攫千金、立身出世の打算から水戸浪士の一味に加わり、実父とは知らぬまま桜田門で井伊直弼の首を落とす。雪の降りしきる桜田門での集団殺陣は、名殺陣師・久世竜の迫真の剣法と岡本喜八監督の十八番、スピーディーなカッティングによって生み出された見応え十分の豪快なシーンとなった。原作は郡司次郎正の「侍ニッポン」。
昭和二十年、敗戦直前の北支戦線。軍楽隊の少年兵13人を率いる曹長・小杉(三船)の部隊が、八路軍との砦をめぐる熾烈な戦いを繰り広げ凄絶に全滅するまでを描いた反戦色の濃い戦争アクション作品。伊藤桂一 原作の「悲しき戦記」を骨子に岡本喜八が共同で脚本を手掛けた。
中里介山の大河小説『大菩薩峠』に鬼才・岡本喜八が挑んだ意欲作。妖刀“音無しの構え”の名手・机竜之助を仲代達矢が演じ、巡礼の亡霊に惑わされて新選組を延々斬りまくるシーンはアクション派・岡本喜八ならではの迫力。このシーンは、アメリカ公開時にも話題になった。竜之介(仲代)は、同門の文之丞(中谷一郎)と奉納試合で立ち合うことになっていた。残忍な竜之介の剣を恐れて、文之丞の妻・お浜(新珠)が試合を止めさせようとするのだが。
大学講師(仲代)の背中の傷に埋め込まれているヒトラーのダイヤモンド“クレオパトラの涙”をめぐって、人口調節のため殺人を行う奇妙な団体“大日本人口調節審議会”と、講師の仲間たちが争奪戦を繰り広げていくスリリングで奇怪なコメディ。都筑道夫の原作「飢えた遺産(なめくじに聞いてみろ)」を映画化。元ナチスの将校、義眼に毒針を仕込んだ女など登場人物がひとくせもふたくせもあり、次の展開が読めない面白さを持つ異色の傑作。
ポツダム宣言受諾をめぐり、1945年8月14日正午から翌15日正午の玉音放送までの24時間をメインにドキュメンタリータッチで描く。大宅壮一が当時の政治家・宮内庁関係者・元軍人などから収録した大宅壮一編の同名実録が原作。東宝35周年記念作品でもあり、三船敏郎以下総勢100名近い俳優が出演したオールキャスト超大作で、いわゆる“8・15”もののさきがけとなった。刻一刻と変化していく軍や政府内部の状況が克明に描かれ、手に汗握る展開が見どころ。
江戸末期、天保四年。上州小此木藩では、その圧政との悪政に耐えかねた正義に燃える七人の武士が、城代家老を襲って斬った。彼ら七人は江戸にいる主君の裁決を待って砦山に立てこもったが、この機に藩政をわがものにすべく、用心棒を募り、私闘と見せかけて彼らを殺そうと企む次席家老であった。そこへ腹をへらして二人の凄腕の剣客兵頭弥源太(仲代達矢)と田畑半次郎(高橋悦史)がやってくる。原作は山本周五郎の「砦山の十七日」。斬って斬って斬りまくる圧巻の殺陣は、『乱』撮影中に他界するまで、黒澤監督の『用心棒』『椿三十郎』『赤ひげ』や稲垣浩の『大坂城物語』『士魂魔道 大龍巻』など常に一線で活躍した名殺陣師・久世竜による。
太平洋戦争末期に学徒出陣経験のある岡本喜八が、戦争の真実の姿を描こうと私財を投じてATGで映画化を実現した作品。主人公の兵士“あいつ”(寺田)は、本土決戦のための特攻作戦の準備と称してバカげた訓練に明け暮れている。一体何のために死んだらいいのかわからない。“あいつ”は艦隊を迎え撃つために魚雷にくくりつけられたドラム缶に入り敵艦の到着を待つが、糞尿処理船の船長に終戦を告げられるのだった。1968年度キネマ旬報ベスト・テン第2位。大谷直子のデビュー作。
慶応4年、江戸から明治へと体制が大きく変わる革命期に、江戸に進撃する官軍の先駆となったのは,相良総三(田村高廣)を隊長とする赤報隊であった。沢渡宿出身の百姓上がりの赤報隊士・権三は、沢渡宿で圧制を敷く駒虎一家を倒し、借金を棒引きにして女郎達を解放したり、代官屋敷から年貢米を百姓に返すなど、赤毛をなびかせて故郷に錦を飾ったが・・・。世界の三船が得意とするキャラクター、強く純粋で、正義感溢れる男・権三を豪快に演じる。新しい世界を夢見て、必死に闘い生きた男の行く手にあるのは果たして何か?!時代の狭間で生きる若者を痛烈に描く、鬼才・岡本喜八監督の時代劇巨編!