J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
「楢山節考」の深沢七郎による同名小説を映画化した、木下惠介監督には珍しい時代劇。戦国時代、甲斐の国・笛吹川に架かる橋の下に住む貧しい農民の一家。農家を嫌う若者は、褒美と出世のために戦に出ようとするが、息子だけでなく娘まで戦争によって奪われる母親は必死に引きとめようとする。武田家の盛衰に左右された五代にわたる農村一家を通して、戦乱の世に生きる人間と戦争のむなしさをつづった感動作。
日本映画を代表する映画監督、木下惠介が雄大な阿蘇山を舞台に描く叙事詩。高峰秀子演じるさだ子には隆という恋人がいたが、大地主の息子・平兵衛の暴力によって体を奪われ、結婚することになる。子供を3人もうけながらも、さだ子は隆を忘れられずに夫を憎み続けるのだが。仲代達矢が夫役を演じ、さだ子の息子役で田村正和が出演している。
木下惠介監督が河野道工の歌集「道路工夫の歌」をもとに映画化した感動作。昭和21年、戦地から復員してきた義男は、道路工夫として働き、家族と質素な生活をおくっていた。息子が大学に進学したため、夫婦は生活を切り詰めて仕送りを続けながら、ひたすら息子の幸せを願う。佐田啓二と高峰秀子が『喜びも悲しみも幾歳月』に続いて夫婦役を演じている。
有吉佐和子のベストセラー小説を原作に、母娘二代の波乱に富んだ人生を、明治から昭和にわたって描いた文芸大作。20歳で未亡人となった郁代は、再婚したものの生活苦から幼い娘の朋子を半玉として売る。朋子は13歳になり、花魁(おいらん)となって現れた郁代と再会。17歳で水揚げされた朋子が真面目で一本気なのに対し、虚栄心の強い郁代はその美ぼうで多くの男性遍歴を重ねていく。
享楽に生きる母の面倒をみながら、芸者から料亭のおかみへと身を立て黙々と生きる娘。母娘の60年にわたる年代記をとおして、対照的な女性像を鮮明に描き出した有吉佐和子のベストセラー小説を映画化した木下惠介監督作品の名編。母・郁代のために士官学校の生徒・江崎との恋にやぶれた朋子。わがまま放題の郁代に痛めつけられながら、戦後の荒廃のなかで料亭を再建させる朋子だったが、やがて郁代は交通事故で帰らぬ人となる。
離島にやってきた青年教師がバレーボールを通して島の子供たちと交流する心温まる人間ドラマ。木下惠介が脚本も執筆し、1964年の『香華』以来、3年ぶりにメガホンをとった。昭和29年、教師・家田(夏木)は離島教員として小手島に赴任した。小さな島の大人たちは昼間から酒や博打に明け暮れ、子供たちの心は荒みきっていた。家田はバレーボールを教えることで、生徒たちにスポーツの楽しさと努力する精神を学ばせようとするが。