J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
井上靖の「あすなろ物語」を黒澤明が脚色した文芸大作。『生きる』『七人の侍』等で黒澤明の助監督をつとめてきた堀川弘通の第一回監督作。三つの挿話のうち第三部は黒澤自ら書き下ろしたオリジナルストーリーである。祖母の手ひとつで育てられた少年、梶鮎太がたくましく成長していく姿を、冴子(岡田)、雪枝(根岸明美)、玲子(久我美子)という三人の女性との出会いを絡めて描く。鮎太の小学生時代(12才)、中学生時代(15才)、高校生時代(18歳)を順に追う形で綴られる。
真山青果の戯曲『元祿忠臣蔵、大石最後の一日』をもとに、浪士のひとり、磯貝十郎左衛門と彼を慕うおみのの悲恋を描いた、東宝ダイヤモンドシリーズ初の時代劇。歌舞伎の名門・松本幸四郎、中村鴈治郎らが重厚な演技を見せる。細川家に身柄を預けられ、次々と切腹の座につく赤穂浪士たち。死の直前の十郎左衛門にひとりの女性が逢いに訪れるが。
油屋の道楽息子・与兵衛は、遊女に入れあげて莫大な借金をしてしまう。親からも見放された彼は、心優しい豊島屋の女房・お吉に相談に行くが、話がこじれて殺してしまう。油まみれ、血まみれの壮絶なラストがあまりにも有名な近松門左衛門の世話浄瑠璃を、中村扇雀、鴈治郎の父子共演で映画化。
生まれつき知的障害を持つ清は、兵隊検査が近づいたある日、戦争怖さに八幡学園を飛び出して放浪の旅に出た。放浪の画家として知られる山下清に小林桂樹が扮した人情喜劇。
松本清張の原作「黒い画集」の中の一篇「証言」を橋本忍が脚色した社会派サスペンスの傑作。数多く映画化されている清張原作映画の中でもエンターテイメント色の強い作品となっている。会社の課長・石野(小林)は部下で愛人の千枝子(原)との情事の帰りに保険外交員の杉山(織田政雄)に会う。数日後、杉山は殺人容疑で逮捕されてしまった。杉山のアリバイを証言できる石野だったが千枝子との関係が発覚し、社会的地位を追われることを怖れ、証言を拒否する。そして、石野に平穏な日々が戻ったに見えたが。
有名弁護士・宗方の妻が殺され、まもなく自白によって犯人は逮捕された。だが数日後、この事件を担当した落合検事は、浜野という弁護士が宗方の妻と不倫関係にあったことを聞きつけ、捜査を振出しに戻す。『砂の器』『白い巨塔』で知られる橋本忍のオリジナル脚本による社会派サスペンス。
場末の玉突き屋の雇われマスター・次郎は、海外に単身赴任中のいとこの妻・正子と関係を結んでしまった。正子の口から多額の貯金の存在を知った次郎は、恐るべき完全犯罪を企むが。仲代達矢主演のサスペンス。
" 東洋の魔女"と言われた東京オリンピック女子バレーチームのスポ根映画。「おれについてこい!」の台詞で一世を風靡した大松博文監督に扮するのはハナ肇。女優たちは実際にバレーの猛特訓を受けた。東京オリンピック、女子バレー決勝戦に臨む選手と大松監督(ハナ)は、数年間の苦闘の日々を思い返す。メンバーの河西(白川)は父の死に目にも会えず、大松自身も引退を考えたこともあった。しかし今日、いよいよソ連と闘うのだ。
1966年、五木寛之33歳のときに発表された処女作で、「小説現代新人賞」を受賞したベストセラー小説の映画化。かつてのジャズ・ピアニスト北見英二(加山)は、音楽界の裏で起こる黒い事件に嫌気がさして音楽から遠ざかっていた。日本のジャズバンドをソ連に送るという、日ソ芸術協会のプロモーターを引き受けモスクワに飛んだ北見は、そこでも協会が絡む政治的陰謀に巻き込まれようとするが。モスクワ・東京を舞台に、失われつつある音楽への情熱を取り戻そうとする一人の青年の姿を綴るドラマ。日本の一流ジャズ・プレーヤーの演奏も話題となった。
二・二六事件を契機に軍部の政治進出に拍車がかかり、東条内閣成立後、太平洋戦争へとひた走る日本の近代史を記録フィルムを随所に挿入して描いた「東宝 8.15シリーズ」の第4作。「軍閥」と呼ばれる軍上層部のグループが力を持つに至った事実を明らかにし、軍国主義へ警鐘を鳴らそうとする意欲作。
松本清張の同名小説を『激動の昭和史 軍閥』の堀川弘通が監督、『華麗なる一族』の山田信夫が脚色した裏金をめぐるサスペンス・ドラマ。青島幸男が悲劇に巻き込まれる小市民を好演し、物語の怖さを引き立たせる。食堂を経営する省吾(青島)は、妻とその兄で若手議員の芳太(渡辺文雄)に頭が上がらない。芳太は密かに派閥を裏切り、反対勢力から三千万円の資金援助を受ける。金の運搬をすることになった省吾だが、魔が差して温泉宿に身を隠し。
明治中期、飢餓に苦しむイヌイットのため新天地を開拓した男の生涯を描く。新田次郎の同名小説を「告訴せず」の堀川弘通が監督。主演の北大路欣也は第1回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した。明治時代、単身アメリカへと渡ったフランク安田(北大路)はアラスカへたどり着き、現地の女性ネビロ(三林)と結婚する。飢餓に苦しむイヌイットを救うべく、先住民族のジョージ大島(宍戸)と共に新天地を求めて旅に出るが…。
小学6年生の山下睦子(磯崎)は戦争で父親を亡くし、その翌年、横浜大空襲で母と弟までも失う。路頭に迷った睦子は唯一の従姉・香代の元で暮らし始めるが、ある日突然肺結核に冒される。隔離された防空壕で仲良しの友達・町子(有常舞美)と出会うのだが・・・。冷たい防空壕の中、わずか12歳で命を落とした睦子の悲劇を描いた中尾町子の原作による戦争ドラマ。太平洋戦争終結40周年記念作品。
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