J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
イタリアの名匠フェリーニが、大道芸人のわびしい浮草生活を描いた名作中の名作。名コンビであるニーノ・ロータの哀切なメロディーにのせて、粗野な大道芸人ザンパノと無垢(むく)な心を持つ娘ジェルソミーナとが街から街へとめぐる。いくたびも無残に娘を傷つけ、やがて娘の死後、男は夜の海に向かって泣き叫ぶ。アカデミー外国語映画賞、ベネチア国際映画祭銀獅子賞に輝いた。
詐欺師の姿を通して人間の醜い欲や愚かさを描き出したフェリーニ監督作。ある時は司教に化け、またある時は役人に化けて貧しい人々をだまし、金をしぼり取っていた詐欺師たち。ある日昔の仲間だった男の豪勢なパーティーに招待され、一番年配のアウグストは自分のケチな人生が惨めになる。その後、久々に会った娘の目の前で警察に連行されたアウグストは、出所してもまた詐欺師として生きるしかなく。
男に騙されてばかりいるのに、いつか本物の愛に会えると信じている、どうしようもなく楽天的で無垢の魂を持つ娼婦の姿を描き、世界中の感動を呼んだ珠玉の名作ドラマ。
名匠フェデリコ・フェリーニが第二次大戦後の高度経済成長で急激に豊かになったローマを舞台に、華やかで退廃的な生活におぼれる上流階級の人々を描いた大作。作家志望だったが夢かなわずゴシップ記者になったマルチェロ。大富豪の娘や女優などと戯れる日々の中、友人を襲った悲劇を目の当たりにし、享楽を追い求めた果てに彼が見たものは。アカデミー衣装デザイン賞、カンヌ映画祭パルムドール(グランプリ)受賞作。
ボッカチオの艶笑談の現代版的オムニバス。『デカメロン』の中世イタリアの作家ボッカチオが現代に生きていたら、こんな挿話をその著書に書き入れたかも知れない。そんな発想で生まれた物語四編を、イタリア映画お得意のオムニバス形式で映画化した62年度作品
主人公を映画監督に据えたフェデリコ・フェリーニ監督の自伝的要素の強い作品。主人公の夢、心理といった内面世界を自由に描いためくるめくイメージの洪水。フェリーニの力量の大きさを証明した映画史に残る名作。主演はフェリーニの分身と言えるマルチェロ・マストロヤンニ。クラウディア・カルディナーレ、アヌーク・エーメ、サンドラ・ミーロといった豪華女優陣が華を添えている。音楽はニーノ・ロータ。「8½」という題名は、短編や共同監督作品を半分として数えると、本作にいたるまでのフェリーニの作品数が8½本になるということからきている。
フェリーニ初の長編カラー作品で、ふとしたきっかけから夫に愛人がいるのでは、と疑い始めた妻が、妄想と現実の間をさまよいながら、やがて自らの魂と向き合っていく姿を描く。結婚15周年の記念日、ふたりきりで過ごそうと夫を待ちわびるジュリエッタ。しかし夫は大勢の客を連れて帰宅した上、寝言で別の女性の名前をつぶやいた。その夜、鏡の中の自分と対話するジュリエッタは。幻想的な映像が美しい。
エドガー・アラン・ポーの短編集の中から、3人の鬼才がそれぞれ一編ずつ選んで中世・近代・現代を舞台に描いた怪奇幻想の世界。ポーの知られざる同名小説を映画化した豪華オムニバス大作。
イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督が自らの心象を投影し、「永遠の都」と称される美しき都市ローマを描く。10代後半からローマに移り住み、やがて映画界へと足を踏み入れたフェリーニ。彼の目に映ったローマの風景が、その独特の映像世界の中で過去と現在を織り交ぜてつづられる。
“アマルコルド”とは、フェリーニの故郷の古い言葉がなまったもので、“私は覚えている”という意味。フェリーニが故郷の北イタリアの港町で過ごした少年時代を、特有の映像美でファンタジックに描く。
フェリーニがテレビ用映画として監督した異色作。とある古い寺院で行われたオーケストラのリハーサルで起こる大騒動を描く。テレビ局の取材が入り、個性豊かな演奏者たちをインタビューし始める。やがて指揮者が到着したものの、その厳しさに不満の声が爆発し、リハーサルは混乱のうずへと巻き込まれる。『カビリアの夜』『甘い生活』をはじめ多くのフェリーニ作品で音楽を手がけたニーノ・ロータとの最後のコンビ作品。「音符にしがみつけ!」フェリーニのシニカルさが存分に発揮された作品。
フェデリコ・フェリーニ監督が、女たちの迷宮に入りこんだ男の幻想を描く。17年ぶりにフェリーニと組んだマルチェロ・マストロヤンニが、女好きの中年男を軽妙に演じている。
偉大なオペラ歌手の遺灰を葬送するため、彼女の故郷であるエリモ島沖へと向かう豪華客船に乗り込んだ人々の姿を描く。船上には、大物オペラ歌手や皇族など、彼女の死を悼む著名人が世界中から集っていた。航海中、漂流していたセルビア難民を救出したことで、乗客たちの優雅な船旅は予想外の展開を迎える・・・。船上に集ったそうそうたる人々を取材しようと同乗していた記者の目を通して、旅の様子がユーモラスにつづられる。
名ダンス・コンビ、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが活躍したダンス映画時代への郷愁を、30年ぶりに再会する老芸人コンビの姿を通してフェリーニ監督が滋味ゆたかに描いた作品。TVショーの舞台裏がコミカルに風刺され、マシーナとマストロヤンニが老芸人のきめ細やかな心情を好演している。
『甘い生活』以降のほとんどの作品をイタリアのチネチッタ撮影所で撮っているフェデリコ・フェリーニ監督が、チネチッタ創立50周年を記念して映画への思いをつづった一編。新作撮影中のフェリーニの様子や、彼を取材する日本のTV局へ語った若き日の思い出などが再現される。フェリーニ自身はもちろん、マルチェロ・マストロヤンニや『甘い生活』の主演女優アニタ・エクバーグも出演。カンヌ映画祭40周年記念賞受賞。
1993年に亡くなったイタリアの巨匠、フェリーニの遺作となった奇想天外なファンタジー。イタリアの架空の田舎町で、純粋むくな魂を持ち、時折月の声が聞ける男がその“声”を求めて現実と幻想の間をさまよい歩く。『ライフ・イズ・ビューティフル』でアカデミー主演男優賞を受賞したロベルト・ベニーニとイタリアの国民的コメディアン、パオロ・ビラッジョ主演で、彼らを取り巻く奇妙で美しい世界が詩情豊かに描かれる。原作・脚本はエルマンノ・カバッツォーニ。
フェデリコ・フェリーニが亡くなる直前にダミアン・ペティグリュー自ら行ったインタビューをベースに、巨匠の人となりや創作の秘密の一端を明かしていくドキュメンタリー。フェリーニ作品の未公開映像やスタッフの証言も満載。ダミアン・ペティグリュー監督作品。
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