J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
「週刊少年マガジン」に連載され人気を博した柳沢きみおのマンガを映画化。不動産屋の手違いから同居する羽目になった高校1年の男女をコミカルに描いた青春映画。この作品の後、若者から大きな支持を獲得した相米慎二の監督デビュー作。相米監督独特の長回し多用による演出が観客、批評家から絶賛を浴びた。弁護士を目指して九州から東京の名門校に入学した勇介(鶴見)は、不動産屋の手違いから美少女・山葉圭(薬師丸)と一ヶ月の条件で同居することに。お互い意識しているのに好きだといえない二人だが。初公開時にカットされた部分を加えて再編集したオリジナル版がDVD化されている。
前作『翔んだカップル』で初主演した薬師丸ひろ子を再び主演にした相米慎二監督第2作目。その年の邦画で興行収入第1位となる大ヒットとなった。父を殺されたばかりの女子高生・星泉(薬師丸)は、組員4人のおんぼろヤクザ・目高組の組長を襲名するハメになった。父親殺しの犯人は?そして時価2億円という巨額の麻薬の行方は?角川映画『野性の証明』で鮮烈デビュー、『翔んだカップル』『ねらわれた学園』を経てトップアイドルになった薬師丸ひろ子主演作。”カイカン“の言葉とともに大ヒットを記録した。劇場公開時にカットされたシーンを加えた“完璧版”。セーラー服と機関銃 [Single]も入手可能。原作は赤川次郎。
永瀬正敏が高校生時代にオーディションに応募して俳優デビューを飾った一作。『翔んだカップル』『セーラー服と機関銃』に続く相米慎二監督3作目。ジョジョ(永瀬)、辞書(坂上)、ブルース(河合)の三人は、日頃からいじめられているガキ大将デブナガ(鈴木吉和)に仕返しをと考えていた。ところがデブナガは彼らの目の前で誘拐されてしまう。三人はデブナガをぶちのめすためにデブナガ奪還作戦を開始する。ヤクザ風の中年男・厳兵(藤)と共に横浜から大阪への冒険物語が始まった。
吉村昭の同名小説を原作に、『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』などの鬼才・相米慎二監督のメガホンで描いた骨太で崇高な人間ドラマの傑作。それまでアイドル映画における長回し演出ばかりが取り上げられがちだった相米演出だが、ここでは大人の男女の愛憎をじっくり見せこむための手段として長回しが大いに功を奏しており、また実際に俳優たちに危険なマグロ漁を行わせ、その緊迫感をあますところなく映像に収めており、そのダイナミズムはそこらのスペクタクル映画がひれふするほどである。
ホテトル嬢とタクシー運転手の愛を相米慎二監督が描くロマンポルノ。『天使のはらわた 赤い眩暈』『花と蛇』などを監督した石井隆が脚本を手がけ、男女の切ない感情を描く。事業に失敗しタクシー運転手となった村木(寺田)は、2年前に出会ったホテトル嬢の名美(速水)を客として乗せる。村木は運命の再会と信じるが、会社の上司との不倫に苦しむ名美は、当初、彼の思いを受け止めかねる。徐々に村木に惹かれていく名美は村木の心を試すある嘘をつく。
ディレクターズカンパニーのシナリオ募集コンクール準入選の脚本を、相米慎二が演出した映画的興奮にあふれる傑作。第1回東京国際映画祭ヤングシネマ部門グランプリほか、1985年度キネマ旬報ベストテン第4位に輝いた。東京近郊に台風が接近。不安定な肉体とやり場のないいらだちを抱えながら日々を過ごしていた理恵(工藤)、恭一(三上)ら中学3年生たちは、台風の接近とともに感情を昂ぶらせ、とうとう激しい雨の校庭に飛び出して裸の饗宴を繰り広げる。翌日、晴れ上がった窓の外を見つめる恭一は、みんなを起こすと窓からまっさかさまに飛び降りた。
孤児の少女が2人の男から愛され、殺人事件に巻き込まれる佐々木丸美の原作サスペンス。当時アイドルとして人気を博していた斉藤由貴の映画初主演作。主題歌『情熱』も歌う。孤児の少女・伊織(斉藤)は養家の那波家から虐待され、広瀬(榎木)に引き取られる。10年後、伊織は広瀬と親友の津島(世良)に見守られ、美しい少女に成長していた。ある日、那波家の長女・裕子(岡本)が何者かに殺害され、伊織に疑いがかけられる。
東京に出たまま帰らない婚約者・栗子(安田)を捜しに北海道の山奥から上京してきた熊のような大男(武藤)は、栗子を愛人にしてシャブ中毒にさせたクラブの経営者(すま)を逆上して殺害。歌の魂を失って歌えなくなっていたクラブの歌姫・芳乃(秋吉)と愛し合うようになる…。相米慎二監督が小檜山博の原作を映画化した異色のラブ・ファンタジー。人気プロレスラー・武藤敬司と、無国籍性を漂わせた秋吉満ちるという異色のキャスティングも話題となった。
『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』の相米慎二監督が描くファンタスティック・コメディー。事故で死んだ少女が、死を受け入れるまでこの世で精一杯生きようとする姿を描く。本作が映画デビューとなる牧瀬里穂が好演、特にクライマックスのジャズ・バーでのミュージカル・シーンが印象的。キャンペーン中に交通事故で死んだモデルのユウ(牧瀬)は、死神(鶴瓶)をだまして地上に舞い戻り、自分の担当であった広告代理店の雨宮(中井)の家に幽霊として現れる。
少女の心の成長を描いたひこ・田中の原作を映画化した相米慎二ワールド全開の名作。NHK朝の連続テレビ小説「私の青空」で大ブレイクした田畑智子の12才のデビュー作。その新人らしからぬ演技が絶賛された。父親(中井)が離婚前提で家を飛び出し、母親(桜田)と二人暮しになった小学6年生のレンコ(田畑)は、家族の絆を取り戻そうと、以前家族旅行で行ったことのある琵琶湖へ両親を無理やり連れ出すが、父母の間の溝の深さを思い知ることに。
相米慎二が『お引越し』に続いて撮影した湯本香樹実原作のキッズ・ムービー。神戸の住宅街に住む小学6年生の三人組が人の死に興味を持ち、荒れ放題のあばら家に住む"いかにも死にそうな"一人暮らしのおじいさんを観察し始める。始め、生ける屍のようであった老人は日を追うごとに元気になり、付きまとう少年たちをこき使うようになる。又、少年たちも最初の目的を忘れ、いつの間にかその老人を慕うようになってゆく。死や戦争という思いテーマを、子供の目を通してさらりと描いた秀作。
死んだはずの老父が現れ、息子一家に波紋を投げかける家族ドラマ村上政彦の「ナイスボール」の映画化。新人時代に『魚影の群れ』『ラブホテル』で相米映画に出演した佐藤浩市が主人公を演じる。共演に山崎努、斉藤由貴、藤村志保など豪華俳優陣が集う。一流大学を卒業し、良家の令嬢・瑞穂(斉藤)と結婚、一人息子にも恵まれたエリート・サラリーマンの紘(佐藤)。彼の前に、父の笹一と名乗る老人(山崎)が現れる。笹一は紘が幼い頃に死んだはずだったが、彼の戸惑いをよそに笹一は家に居着いてしまう。
小泉今日子と浅野忠信というキャスティングが話題となった相米慎二監督の遺作。原作は乱歩賞作家・鳴海章の同名長編小説「風花」。故郷の北海道に残した一人娘に五年ぶりに会いにいく風俗嬢・ゆり子(小泉)と、酔った勢いからドライブに付き合うことになる謹慎中の文部省キャリア官僚・廉司(浅野)。性格も生活も旅の目的も全く異なる二人の、ぎくしゃくとした旅が始まる…。人生から落伍して「死」に引き付けられている男と女が、それぞれの思いを胸に広大な北海道で車を走らせて行く姿を描くロードムービー。
放浪作家、森敦が自身の体験を基に書き綴った異色作を柄本明が朗読する。原作は1974年に発表し、著者が62歳で芥川賞を受賞した『月山』。映画監督の故・相米慎二が演出を担当する。死者の山として畏れられる出羽の霊山・月山。そのふところの寺に、ある夏、ひとりの男が辿り着く。男はそこで冬を過ごし、生死の境を歩くような不思議な体験をする。雪に埋もれた長い冬に耐え抜いた男は、春の終わりと共に再びいずこかへ去る。