J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
大林宣彦監督の劇場映画デビュー作で、現在もカルト的人気を得ているホラーファンタジー。監督の愛娘をイメージにヒントを得て製作された。7人の少女が生き物のような「家」に、次々と食べられてしまう物語を、様々な特撮を駆使して描く。夏休みに、オシャレ(池上)、ファンタ(大場)、ガリ(松原)、クンフー(神保)、マック(佐藤美恵子)、スウィート(宮子昌代)、メロディー(田中エリ子)の7人の少女は、おばちゃま(南田洋子)に会いに羽臼(ハウス)屋敷へ行くことになる。そこは静かな森の中の古びた一軒家だった。少女たちは楽しく語らい食事をするが、やがて次々と姿を消してゆく。
山口百恵と三浦友和のコンビによるラブ・ストーリー。平凡な毎日に嫌気がさし、新しい女性になろうとサンフランシスコへ旅立った杏子。そこで出会った青年、哲夫と恋に落ち、再会を誓って東京に戻る。しかし、哲夫は約束を果たさず、悲しむ彼女の前に現れた青年実業家は彼女にプロポーズする。哲夫の本心を確かめるため、杏子は再びアメリカに赴くが。若い2人が傷つけ合いながらも愛を求め続ける青春賛歌。
ある窃盗団が 秘宝"不二子像"の頭部を奪って逃走した。犯人逮捕に燃える等々力警部(田中)は、名探偵・金田一耕助(古谷)の協力を得て遂に窃盗団のリーダー、マリアを追いつめるが。金田一耕助が過去に唯一解決できなかった「瞳の中の女」事件の謎に挑むという設定で描かれた異色映画。全編に映画・TVドラマ・CMなどのパロディが次々と挿入される遊び的な演出があふれている。台詞ライターはつかこうへいが担当。劇中映画の金田一役で三船敏郎が登場するなど大物スターのゲスト出演も見逃せない。原作は横溝正史。
SF小説の旗手・眉村卓の原作を薬師丸ひろ子主演で映画化。高校生の由香(薬師丸)は、自分の念じたことが現実化されてしまうという特殊な力に気付き不安を感じていた。そんなある日、不思議な力を持ったみちる(長谷川)が転校してくる。当時17歳だった薬師丸が自然体で挑んだ青春SF映画。主題歌は松任谷由実の「守ってあげたい」。
ある日、斉藤一夫(尾美)のクラスに幼なじみの女の子・斉藤一美(小林)が転校してくる。二人はふとしたことから心と体がそっくり入れ替わってしまい、ガキ大将の一夫は途端に女っぽくなり、一美は荒っぽく変貌する。二人は周囲に秘密がばれないように元通りになろうとするが。山中恒原作の「おれがあいつであいつがおれで」を映像の魔術師・大林宣彦監督による『時をかける少女』『さびしんぼう』と続く"尾道三部作"の第1作。奇想天外なストーリーで思春期の男女の揺れ動く心を描いた異色のラブ・コメディ。小林聡美の本格的映画デビュー作。
ある土曜日の放課後、実験室で強いラベンダーの香りをかいで気を失った和子(原田)は、それ以来時間の感覚がおかしくなって不思議な体験をする。和子は知らぬ間にタイムトラベラーとなってしまったのだ。ある日未来からやってきた男の子・一夫(高柳)と運命的な出会いをするが。1966年に発表された筒井康隆のSF小説を大林宣彦監督が尾道を舞台に映画化したSFファンタジー。原田知世は角川映画『伊賀忍法帖』のオーディションで特別賞を受賞後、この作品で映画デビュー。
福永武彦の同名小説を大林宣彦が映画化。商業映画とは一味違う16ミリフィルムで全編撮影されているが、画面や音には繊細な配慮がされており、低予算映画とは思えないほどの仕上がりを見せている。江口(山下)は古びた運河の町が火事で焼失した事をニュースで知り、十数年前に大学の卒業論文を書くためにそこを訪れた事を思い出す。当時青年だった江口は、取材のため旧家に泊まり込んでいた。そしてある日、旧家の娘・安子(小林)と知りあい、やがて姉の郁代(根岸)の事を聞く。1984年度キネマ旬報ベストテン第9位。
大林宣彦を監督に迎えて、エンピツ画の使用など多彩な手法を取り入れて製作された冒険アニメーション。舞台は1941年のイギリス領ケニヤ。サイに襲われ父とはぐれた日本人少年・村上ワタルが、マサイ族の大酋長に育てられて成長していく様を描いた山川惣治原作のアドベンチャー映画。角川映画でおなじみの原田知世と高柳良一が声優に挑戦したのも話題に。主題歌は渡辺典子が歌っている。
『時をかける少女』で鮮烈なデビューをした原田知世の主演3作目となるファンタジックな青春ドラマ。女流作家・森村桂のベストセラー小説を奇才・大林宣彦が監督・潤色・編集の3役を兼ねて映画化。ニュー・カレドニアの美しい大自然の中で繰り広げられる、思春期を迎えた少女の自分探しの物語が描かれる。女子高生の桂木万理(原田)は、亡き父が5歳の時から語り聞かせてくれていた“天国にいちばん近い島”を見つけ出そうと思い、ツアー旅行に参加する。行き先はニュー・カレドニア諸島。万理は父の言葉を頼りに目的の島を探しだそうとするが。
高校2年生のヒロキ(尾美)は、下校途中に見かけるピアノを弾く憧れの君(富田)に"さびしんぼう"と名付けていた。そんなヒロキの前にピエロの化粧をした不思議な女の子(富田・2役)が現れ、 自ら"さびしんぼう"と名乗る。「人を恋することはとっても寂しいから、 だからあたしは、さびしんぼう」。たびたび現れて騒動を巻き起こすこの"さびしんぼう"を、ヒロキは最初は煙たがるのだが。山中恒原作「なんだかへんて子」の映画化で、『転校生』『時をかける少女』に続く"尾道三部作"第3作。ショパンの「別れの曲」のメロディにのせて描かれる、切なくて優しい恋物語。あの黒澤明が黒澤組のスタッフに見るようすすめたというエピソードが残っている。
雑誌「プチセブン」(小学館刊)で長期連載された、大山和栄の同名コミックを映画化。京都を舞台に、4人姉妹の愛と青春を描いた現代版「細雪」といった趣の作品。多喜沢家の四姉妹は両親亡き後、長女・彩(紺野)、次女・茜(浅野)、大学生・杏(沢口)、高校生・藍(富田)で茶房、小径を営んでいた。ある日、杏は、桜庭諒(尾美としのり)と柚木冬悟(宮川一朗太)に同時に愛を告白された。それを知った冬悟の許嫁・毬子(横山美樹)は、杏に多喜沢家の本当の娘は彩だけだと知らされる。
角川映画のアイドル原田知世の実姉・原田貴和子のデビュー作。原作は、片岡義男の同名小説。初夏の信州で知り合った男女が、オートバイを通して結ばれる青春映画。橋本巧(竹内)は、音楽大学に通うかたわら、プレスライダーのバイトをしている。ある日、先輩から妹・冬美(渡辺)との責任を取れと迫られ、心の整理をつけるため、信州にバイクで一人旅に出る。そんな彼の前に、不思議な透明感を漂わせるミーヨこと白石美代子(原田)が現れる。
佐藤春夫の自伝的小説「わんぱく時代」を大林宣彦監督が映画化した文芸大作。戦争の影が忍び寄る頃の尾道を舞台に、たくましく生きる少年少女の日常が描かれる。美少女・鷲尾いさ子の第1回主演作。カラー版(豪華総天然色普及版)とモノクロ版(質実黒白オリジナル版)が作られ、当時別々に劇場公開された事も大きな話題となった。大林監督の "尾道もの"の集大成ともいえる内容。
第1回山本周五郎賞を受賞した山田太一の小説を、大林宣彦が映画化した大人のための異色ファンタジー。妻と別れ、孤独な日々を送るシナリオライターの原田(風間)は取材中道に迷い、気がつくと幼い頃暮らしていた浅草へと迷い込んでいた。そこで出会った1人の男は、原田が幼い頃に亡くなった自分の父親(片岡)だった。当時のままの若い姿の父親に連れられて、行き着いた先はかつて家族で暮らしていたアパートだった。そしてそこには、若く美しいままの母親(秋吉)がいた。第12回日本アカデミー賞最優秀賞2部門受賞ほか優秀賞を多数受賞し、ブルーリボン賞など各映画賞を総なめにした。
赤川次郎の同名小説を原作にしたファンタジー。"新・尾道三部作"の第1作目。美人で頭のいい姉の千津子(中嶋)と正反対の妹・実加(石田)。突然、交通事故で千津子が急死したことから、 家庭は徐々に崩壊していく。そんなある日、実加の前に千津子の幽霊が現れる。千津子のアドバイスで実加は家庭の崩壊を食い止めようとするが。少女が様々な困難を乗り越えて成長する姿がファンタジックに描かれた、 ちょっと哀しい青春ドラマ。
時は1965年、香川県の田舎町。ベンチャーズ『パイプライン』のギターサウンドに、「デンデケデケデケ」と天啓を受け、ロックバンドを結成した高校生たちの物語。直木賞を受賞した芦原すなおの同名小説を、大林宣彦監督がノスタルジックに映画化。合い間を埋める久石譲の音楽が不思議な魅力をかもし出している。
『ふたり』に続き赤川次郎の「午前0時の忘れ物」を映画化したファンタジー。"新・尾道三部作"第2作目。小型客船・呼子丸が嵐で尾道沖で遭難し、乗客9人の絶望が伝えられて3か月が経った。残された家族や恋人の元に「今夜0時に呼子浜で待っている」というメッセージが届けられた。高校生の恵(宝生)、ヤクザの親分・金澤(植木等)、大学生の法子(高橋)たちは、死者たちとの約束を信じ、桟橋の待合い室に集まるが。
『ふたり』『あした』に続く大林宣彦監督による"新・尾道3部作"の完結編にして、尾道市制百周年記念作品。いつも考え事をしていて周りから"ボケタ"と呼ばれる少年と、妙な行動でボケたと言われるおじいちゃんが体験する不思議な冒険。夏休みの間、ボケ気味のおじいちゃん(小林)の監視をするため尾道を訪れた小学5年生の由太(厚木)。ところがおじいちゃんと過ごす毎日は不思議なことがいっぱいで監視どころじゃない。ある日、由太はおじいちゃんと一緒に、おじいちゃんの少年時代へタイムスリップした!
映画、ドラマ化の相次ぐ三浦哲郎の芥川賞受賞作を大林宣彦監督が演出。三浦友和が朗読し、高橋かおりが“聴き手”として登場。背景の障子を原稿用紙に例えるなど、想像力を喚起させる試みがなされている。兄姉たちを次々に自殺や失踪で失いながら生きてきた「私」は、忍ぶ川という料亭で働く志乃と宿命的に出会う。東北出身の「私」と対照的に東京下町の深川で生まれ育った志乃もまた、断ち切れない家族との絆に苦しんでいた。
大林宣彦監督が伊勢正三の名曲『なごり雪』をモチーフに、人生に疲れた中年男が静かに再生していく様を描いた、切ないラブストーリー。50歳を目前にして生きることの意義を見失った祐作は、旧友の妻・雪子の死をきっかけに帰郷した。彼はかつて自分を愛していると知りながら雪子を残し、東京へ旅立った若き日を回想していく。
宮部みゆきの直木賞受賞作を、大林宣彦監督がWOWOWのTVドラマ作品として映像化、あまりの反響の大きさから劇場公開に至った。高層マンションで発生した惨殺事件の真相を、凝った構成で見せる。嵐の夜、荒川区の超高層マンションで一家4人殺害事件が起こる。しかし被害者たちは全員赤の他人で、住民台帳に記載されている一家とは別人だった。殺された4人は何者なのか? 容疑者としてその部屋を購入した石田直澄(勝野洋)が浮かぶが。
40代の中年男が20代の女性と出逢い、若き日の自らの苦い恋を思い返す切ない恋愛ドラマ。大林宣彦監督が2002年に発表した『なごり雪』に続いて伊勢正三の名曲を映画化した大分三部作の第2弾。部下のOLとの不毛な関係に疲れた商社マンの俊郎(筧)は、コンビニのレジで「22才の別れ」を口ずさむアルバイトの少女・花鈴(鈴木)と知り合う。花鈴から援助交際を持ちかけられ戸惑う俊郎だが、花鈴といるうちに若き日に別れた恋人を思い出す。
身体が入れ替わった少年少女が異性の肉体に戸惑いながら成長する名作『転校生』が、舞台を尾道から信州に移して大林宣彦監督自らの手で甦る。主演の蓮佛美沙子はキネマ旬報新人女優賞を受賞した。両親が離婚して母と一緒に信州に引っ越してきた一夫(森田)は、幼なじみの一美(蓮佛)と再会する。思い出の“さびしらの水場”に転落したことで互いの身体が入れ替わってしまった2人は、家族や友人を巻き込んで大騒動を引き起こす。