J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
大阪の河内へやって来たドサ回り一座は大盛況で、座員は大喜び。だが新しく一座に加わった大学出の演出家・新吉は、低俗な座員たちに嫌気がさしてしまう。渡り鳥のように賑やかにやってきては淋しく去っていく旅回り一座を舞台に、色と欲にまつわる人間模様を笑いとペーソスの中に描いた今村昌平の監督デビュー作。
西銀座駅前で薬局を営む一家の主人には、現実と幻想が混乱してしまうという奇病があった。親友の獣医の診断によれば、唯一の薬は浮気をすることらしい。そこで主人は、妻が留守の日をねらって浮気を決行しようとするが。フランク永井のヒット曲から企画された、今村流ドタバタコメディ。
敗戦時に埋蔵した時価6,000万円のモルヒネを発掘しようと、欲に駆られて集まった4人の男と一人の女。だが各人の勝手な行動のせいで計画は前進せず、その一方で女の存在に男たちが刺激され始める。物欲と色欲に振りまわされる人間の醜さ、滑稽さをスリルと笑いたっぷりに描く。
昭和28年、佐賀県鶴の鼻炭坑を舞台に、炭坑で両親を亡くした4人の兄弟姉妹が、苦境に負けず明るく生きる姿を描いた感動作。当時、ベストセラーとなった10歳の少女の日記を映画化、センチメンタルな描写を回避した異色の今村映画。
基地の街・横須賀で売春業から手を引き、養豚業を始めたチンピラヤクザの欣太。ヤクザに死体の始末を頼まれた欣太は、豚に喰わせたところ、食卓に上がった豚料理から金歯が出てきて。戦後の日本と日本人を諷刺し、今村重喜劇のスタイルを確立したと言われる作品。
女工からコールガールの元締めとなった女の半生と日本の近代史とを対比させた今村昌平監督の傑作。会社とのいざこざから、父と娘を残して上京したとめ。そこで出会った女たちとコールガールの組織を作るが、仲間の密告から売春罪で逮捕されてしまう。
人妻がある悲劇をきっかけに女として逞しく成長する姿を描いたドラマ。人妻の貞子は、ある日強盗に強姦されてしまう。そのことを夫に打ち明けられず悩む貞子の前に再び強盗が現れるが、彼から意外な言葉が発せられ。
「人間の生きる楽しみの根源は性欲である」と説くスブやんは、エロに関する事なら何でもやるという男。そんなスブやんが下宿先の未亡人とデキてしまい、彼女の子供も養うことに。だがスブやんはその子供にも手を出してしまう。野坂昭如の処女小説『エロ事師たち』をもとに、今村昌平が日本人の性概念や家族制度をブラックなユーモアを交えて描いた、おかしくも哀しい重喜劇。主演の小沢昭一は真面目にエロに取り組むスブやんをコミカルに演じて、その年の主演男優賞を総ナメにした。キネマ旬報ベスト・テン第2位。
劇場公開当時、その画期的で衝撃的な内容が話題を振り撒いた今村昌平監督による劇場用ドキュメンタリー。現実に失踪した男性を探しだすため、婚約者・佳江とレポーター・露口茂が共に行方を追った7ヵ月間の物語を描いている。
文明から隔絶された南海の孤島に、四昼夜にわたって大暴風雨が吹き荒れた。島民はこの厄災の原因は、太家の長男が妹と関係を持ったせいだと信じた。そんな時、東京から一人の技師がやってきて。自然と文明の接触、近親相姦を繰り返す一族を通して日本人のルーツまでをも描き切った傑作であり、今村監督初のカラー作品。
横須賀のバー「おんぼろ」を経営していたマダムが、ニュースフィルムを見ながら、戦中から戦後である現在までの1人の女性の歴史を振り返る中で、日本はどのように変貌してきたのかを見つめる。
1945年(昭和20年)8月6日 広島原爆投下
井伏鱒二のベストセラー小説をもとに、今村昌平監督が原爆被害者の悲劇を庶民の普通の生活を通して淡々と綴った力作。昭和20年8月6日。広島に近い疎開先にした二十才の矢須子(田中)は、瀬戸内海の小舟の上で強烈な閃光とキノコ雲を見た。その直後、空がたちまち暗くなり矢須子は黒い雨を体中に浴びてしまう。それから“黒い雨”は矢須子を確実に蝕んでいった。
坂口安吾の小説を下敷きにして、戦時下の岡山県の小さな漁師町を舞台に開業医と周囲の人々との人間模様を描いたドラマ。何でも肝臓炎としか診断しないことから“カンゾー先生”と呼ばれている風変わりな町医者・赤城(柄本)。ある日、彼のもとに、若くて美人の看護婦・ソノ子(麻生)がやってきた…。第22 回日本アカデミー賞で柄本が最優秀主演男優賞を、麻生が最優秀助演女優賞・新人俳優賞を受賞。
リストラされ妻とも別居中の男が、不思議な女と出会い、関係を持つようになる。その女は性交しないと体内に水が溜まって悪事をしてしまうという不思議な体質を持っていた。『楢山節考』『うなぎ』で2度のパルムドールに輝く世界の巨匠・今村昌平が、性の大らかさを高らかに歌い上げ、カンヌで熱狂的な歓迎を受けた大人のためのファンタジー。2001年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。原作:辺見庸。
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