J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
東京の下町にある小学校の2年生の授業風景を生き生きと捉えた羽仁進監督の傑作ドキュメンタリー。引込思案な子供、グループに入るのに気後れする行儀のよい子供、父子家庭の子供…。隠し撮りをせず、子供がカメラに慣れるまで充分な時間をかけたことで、ひと味違う見応えのある作品となっている。教育映画祭最高賞、ブルーリボン賞教育文化映画賞。
子供達を自然のままとらえ、それまでの教育映画の概念を破ったといわれる『教室の子供たち』に続き、さらに子供達の変化し成長していく様子をもとらえようと試みた姉妹編。子供達の絵と生活の結びつき、その心理を、東京江東区のある小学校1年生の教室に約9ヶ月間カメラを持ち込んで追ったドキュメンタリー。白い画用紙を与えても最後まで何も描かない生徒、ランニングでビリになった体育の時間の後、不思議な紫の花の絵をかく生徒の2人を中心に、子供たちの成長を綴る。
日本に実験映画を根付かせる目的で、記録映画作家・勅使河原宏や映画監督・川頭義郎ら8人で結成したグループ“シネマ57”が製作したドキュメンタリー。1958年のトウキョウと江戸を対比させたユーモラスな作品。
羽仁進監督による日本初の長編カラー海底映画。水中撮影は、前年の1957年に日本初の水中写真展を開催した舘石昭が担当。ある少年の目を通して、海の自然や生命の仕組みを説き明かしていく。少年はサンゴ礁の美しい琉球八重山の島に住んでいる。 泳ぎながら釣りをしたり、海中散歩を楽しむ毎日で、家族には新しい生命が誕生したばかり。そんなある日、少年に懸賞が当たり、都会の水族館に行くことになる。
『絵を描く子どもたち』などの記録映画を撮り続けていた羽仁進監督の劇映画第1作。日本映画監督協会新人賞受賞。音楽は武満徹。原作は、主人公でもある浅井少年の手記「とべない翼」(地主愛子編)で、監督が脚色した。ドキュメンタリー色を出すため、隠しカメラで撮影したり、ノーライト、オールロケを敢行。浅井少年(山田)の二週間に渡るネリカン(鑑別所)生活が始まった。チンピラ社会の序列を嫌う浅井少年は、収容された少年院でボス格の少年にケンカを売りまくるが。
当時、気鋭の劇作家と組み、実験的な映画作りを続けていた羽仁進が、『充たされた生活』に続き清水邦夫と組んだ社会派ドラマ。東京郊外の団地に住む一人の平凡な主婦が、団地の隣にある回収業者の集落で起こった火事をきっかけに、集落の人々とふれあうようになっていく。日常の中のかすかな心理的波乱をとらえた野心作。1962年に発足直後のATGで配給された。ベルリン映画祭特別賞受賞。
ハイティーンの少年少女の性的遍歴を、現実と深層心理を巧みに織り交ぜ、ポエティックかつ大胆に描いた、寺山修司・羽仁進脚本による異色作。素人の役者を使っての即興的演出により、生々しくも実体感のある若い男女のありさまを鮮やかに浮き彫りにして見せている。父が死に母が再婚して救護院に入れられていたシュンは、ある夫妻に引き取られて育てられる。ある日、シュンは集団就職で上京してヌードモデルをしている少女ナナミと出会いホテルへ行く。子供時代、養父にレイプされ、今も関係を強要されるシュンはいつも孤独だったが、彼の心にナナミの存在が大きく膨らんでいくのだった。
8ミリを携えて旅に出た二人の女子高生の夏休みを描いた羽仁進監督作。即興演出に加え、生まれて初めてカメラを手にした主演の少女たちによる8ミリ映像が全編の半分以上に使われるなど大胆な演出に取り組んだ野心作。8ミリカメラでお互いに撮り合いながら旅をする玲子と草子。しかし、旅の途中で草子が謎の死をとげ、東京に戻った玲子は彼女と回したフィルムを映写して真相を知ろうとするが。