元来19世紀のナポレオン時代にオレンジの果樹園として使われていたことから「オランジュリ
ー」と名付けられたこの美術館は、1930年代にモネの睡蓮を展示するための会場となったの
が始まりでした。 モネは自身の集大成ともいえるこの睡蓮という作品に非常に強いこだわりを
持ち、展示する場所から展示方法までを自ら指定することに執着したそうです。作品内容か
ら、展示する美術館は自然に囲まれた環境でなければいけないとし、光も自然光を使うことと
しました。その結果、セーヌ川という「水」がすぐ近くにあり、チュイルリー庭園の中にあるオラ
ンジュリーに白羽の矢が立ったそうです。 8枚連作の「睡蓮」は2つの楕円形の部屋に展示さ
れています(カメラ撮影は禁止されています)。その幻想的な空間は圧巻と言うほかなく、これ
だけでも訪れる価値は十分ですが、ほかにもセザンヌ、ルノワール、ルソー、ピカソ、モジリア
ニら印象派の作品144点が所蔵されています。('13.11)
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