J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
バカンスで全裸で泳いでいた少年を見初め、森へ誘う女性。情事の後、海辺に戻ると脱ぎ捨てた衣服はそっくり盗まれていた。サマードレスを借り、家に戻った少年は連れの男友達と激しく抱き合う。サマードレスを巡る一夏の思い出。ロカルノ映画祭グランプリ受賞作
別荘で夫を待つ女性のところに気ままな旅行を続ける若い女が転がり込む。夫のいない退屈さを紛らす相手につい心許してしまうが。出世作となった名作サスペンス
リュックは一緒に暮らすアリスから同級生のサイードを殺す話を持ちかけられ、犯行に及び、二人で逃避行する。森でリュックの遺体を埋めるところを森の山小屋の主人に見つかり、二人は監禁され。1999年ヴェネチア映画祭正式出品作品。主演は『天使が見た夢』のナターシャ・レニエ、『イゴールの約束』のジェレミー・レニエ。
愛する人を失い、孤独をさまよう主人公の喪失感にドラマは濃密に寄り添っていく。台詞を廃した余白の積み重ねが、いっそうの寂寥を誘う。そんな悲しみのただ中に凛としてたたずむ主人公を、シャーロット・ランプリングが円熟の名演でみせる。その視線の演技は、すべての心情を言い表しているかのよう。とりわけ、いるはずのない亡霊としての夫との語らいが印象的だ。海原の轟音がいつまでも心に残るのは、抑制された音楽演出の効果にほかならない。前半は35ミリだが、後半は予算の関係上、スーパー16で撮影されているのだが、これがまた絶妙の効果をあげている。異能の人、フランソワ・オゾンがこれまでのダークな作風から一転、正攻法の語り口で巨匠の道を歩みはじめた転機的作品。
フランスを代表する名女優8人が共演したフランソワ・オゾン監督によるミュージカル仕立ての密室ミステリー。クリスマスを祝うために家族が集まった大邸宅で主人が殺された。電話線は切られ、吹雪でそこに完全に閉じ込められた8人の女たち。全員が容疑者ということになり、お互いの詮索(せんさく)が始まることに。ベルリン映画祭では8人の女優全員が銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)を受賞して話題となった。
2人の対照的な女性の間で現実と幻想が交錯し、謎が二転三転していくさまを、ミステリアスかつ官能的に描いたサスペンス・ドラマ。監督は『8人の女たち』のフランソワ・オゾン。いずれもオゾン作品に出演した二人の女優の競演。
離婚を決意した夫婦の関係の時間軸を遡り、その「別れ」から「出会い」までを描いていく異色恋愛映画。監督は『スイミング・プール』のフランソワ・オゾン。
カメラマンのロマンが、脳腫瘍が発見され、余命3か月と宣告される。ゲイである彼は、ボーイフレンドや家族に対し、できるだけ平穏を装って過ごすことを決めるが、偶然出会った女性に子どもを作ってほしいと頼まれ、当惑する。メルヴィル・プポーが体重を減らしながらロマンを熱演するが、表情は極力抑えられ、つねに穏やか。その瞳の奥のまた奥に悲しみが潜み、観ているこちらは胸が痛くなる。オゾン映画らしいショッキングなラブシーンもあるが、根底には自分の子孫を残したいという人間の本能に迫るテーマが流れ、共感を誘う。この点もオゾン映画では異例。子ども時代の記憶、ジャンヌ・モロー演じる祖母との対話など、要所に心を締めつけるシーンを盛り込んだ構成がうまい。荘厳なほどに美しいラストシーンからは、人生への賛歌も感じられ、余韻がいつまでも続く。
フランソワ・オゾンは、映画『エンジェル』の撮影開始が1週間延期になった時、久々に自身の原点でもある短編を撮ることにした。題材として選んだのはモンテルランの戯曲『Un incompris』。遅刻魔で嘘つきな彼女に耐えられなくなった青年が、自らの価値観と彼女への愛の狭間で葛藤するさまは、恋愛の「うまくいかなさ」を見事にカリカチュアライズしている。
1900年代初頭の英国、上流階級に憧れる16歳のエンジェルは、豊かな才能で人気作家への道を駆け上がる。富と名声、憧れの暮らしを手に入れたエンジェルは孤高の画家と恋に落ちる。『8人の女たち』のフランソワ・オゾンが、女流作家エンジェルの夢と現実を描くドラマ。