J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
エゴイストの父を殺そうとする若者の青春。団鬼六の小説を原作にした根岸吉太郎のデビュー作。宝石店を営む父・浩三を憎みながら成長した敏彦。浩三は若く美しい麻子を後妻に迎え、敏彦は思慕の情を抱きながら父への復讐を練る。
十六歳の二人の女生徒が出会う様々な出来事を通して少女から大人へ脱皮する姿を描く。脚本は「女教師 秘密」の鹿水晶子と「オリオンの殺意より 情事の方程式」の根岸吉太郎、監督も同作の根岸吉太郎、撮影は「団鬼六 縄化粧」の前田米造がそれぞれ担当。
不倫の袋小路にはまり込むOLの心理を描くエロティック・サスペンス。情念の濃いヒロインを宮下順子が熱演。製靴工場の事務員・志麻子は社長の後藤と不倫関係にあった。後藤の妻が2人目の子供を出産したと知った志麻子は、次第にどす黒い感情を募らせる。
暴走族への憧れが高じて破壊活動に走る少年たちの無軌道な青春。脚本家・荒井晴彦との初コンビ作。暴走族に憧れていた4人の少年は念願の運転免許を手に入れるが、道路交通法が改正された後でグループは次々と解散。失望した彼らは元メンバーたちを襲い始める。
都会で奔放に生きる若きキャリアウーマンの冒険を軽妙に描く。鹿沼えりが80年代の女性像を好演。下着メーカーのデザイナー美希はプレイボーイと評判の辻本が気になって仕方がない。辻本にアタックする一方で、会社社長・三崎と愛人契約を結ぶが…。
強姦された過去をもつ女性教師の心の変遷を軸にした人間ドラマ。「ツィゴイネルワイゼン」の田中陽造が脚本を担当。学生時代、実習先で労務者風の男に強姦された教師・咲子。教え子のスエ子が強姦犯の娘と知り、しかも真犯人は別にいたと告げられる。
『遠雷』の根岸吉太郎監督がアリスのヒット曲「狂った果実」から着想を得て撮り上げた青春映画。社会の底辺に生きる青年が焦燥感を爆発させ、取り返しのつかない悲劇を招く。昼はガソリンスタンド、夜は暴力バーに勤めるテツオ(本間)。奔放な富豪の令嬢チカ(蜷川)と知り合い、愛し合うようになるが、自分とチカの環境のあまりの違いに打ちのめされ、次第に憎悪を募らせる。にっかつロマン・ポルノ時代を代表する秀作。
立松和平の野間文芸新人賞受賞作をロマンポルノ出身の根岸吉太郎監督が映画化。都市化の波にさらされる宇都宮の近郊農村でトマト栽培に従事する一人の青年が、そこに息づく人とのさまざまなドラマを経て、やがて、なおも“農”でありつづけようと決意するまでを描く秀作ドラマ。母と祖母と3人で暮らす青年、満夫(永島)は、ビニールハウスでトマトを作っている。ある日、家出していた父(ケーシー高峰)が何食わぬ顔で戻り、幼なじみの広次(ジョニー)はカエデ(横山)という女と駈け落ちする。
売り上げ競争に明け暮れるキャバレーを舞台にした人間模様。「暴行儀式」「遠雷」に続く、根岸吉太郎、荒井晴彦とのコンビ3作目。全国チェーンの中でも打ち上げナンバー1を目指すキャバレー”ミスニッポン”。新入社員和田はNo.1ホステスの宏美に恋をする。
『遠雷』の根岸吉太郎監督が時任三郎を主演に迎え、1983年に製作したコメディタッチのミステリー。花嫁殺人未遂事件の謎を追いつつ、1980年代の若者像を魅力的に描写する。ウェディングドレスの花嫁(宮崎)が刺され犯人が爆死する事件が起こる。警察は新郎・大村(時任)の過去の女たちを洗うが、結果はシロ。しかし、彼にはもう一人関係を持った女・時子(美保)がいた。警察に内緒で大村は独自に時子の消息を調べるが。
赤川次郎が薬師丸ひろ子のために書いたオリジナル・ストーリーを映画化したヒット作。大学受験のため芸能活動を一時休業していた薬師丸ひろ子の復帰第1作。間もなく父親の待つアメリカへ渡る予定の資産家令嬢・直美(薬師丸)の前に1人の男が現れた。直美の父親から彼女のボディーガードを依頼された、辻山秀一(松田)という探偵である。直美は、 どこにでも付いてくる辻山を疎ましく思っていたが、やがて彼に関心を抱くようになる。そんなある日、辻山の元妻・幸子が殺人事件に巻き込まれてしまう。警察と暴力団から追われるハメになった辻山と幸子の窮地を救った直美は、辻山と共に真犯人捜査に乗り出すが。殺人事件に首を突っ込んだお嬢様女子大生とドジな探偵が織りなす、淡い恋とサスペンスを絡めた青春ストーリー。薬師丸と松田優作のキスシーンも話題に。
複数の女性との関係を楽しむ中年男のエゴイズムを綴ったラブストーリー。渡辺淳一のベストセラー同名小説を「Wの悲劇」の荒井晴彦が脚本化。秋吉久美子のヌードシーンが話題を呼んだ。妻子と別居中で若い秘書を愛人にしている建築家・伊織(津川)は、かつて一度だけ関係をもった霞(秋吉)と再会する。裕福だが満たされない結婚生活を送る霞は、伊織の誘いに乗り情事を重ねる。遊びのはずだったが次第に霞の気持は燃え上がり…。
干刈あがたの同名小説を映画化。森田芳光の脚本を得て根岸吉太郎が監督した感動のホームドラマ。夫(田中)の浮気を機に離婚に踏み切った妻(十朱)が、世間体を気にする周りの人たちの目や、厳しい年頃の子供たちを抱えながら、明るい母子家庭を築いていく。そんなある日、夫が女と別れたと告白するが。解体しつつある家庭の新しい絆を求める現代人たちが見事に描かれている。
佐藤正午のすばる文学賞受賞作品を映画化。恋愛を軸に生き方の定まらない青年の姿を描く。婚約者にフラれ、市役所を辞めた途端にツキがまわってきた宏(時任)。だが、良子(大竹)と親密になってから身に覚えのないことでトラブルに巻き込まれていく。どうやらその影には宏にそっくりな別の男の存在が。1987年『私をスキーに連れてって』と併映ロードショーされた。
サラリーマンのバイブルといわれる弘兼憲史の同名漫画を根岸吉太郎が映画化。大手電機メーカーの宣伝課長・島耕作(田原)は妻、娘と別居中。出世を求めず、仕事に精を尽くすが、企業スパイ、派閥争い、インサイダー取引など次々に事件に巻き込まれていく。しかし、迷い悩みながらも上司におもねらず部下にもへつらわない超然とした生き方を貫く彼にはいつも女の影が。耕作に恋をする同僚樫村役の豊川悦司の演技にも注目。
直木賞作家・伊集院静が故・夏目雅子との体験を元に書いたといわれる原作「乳房」を、根岸吉太郎が映画化した中編映画。遊び人の中年男と病魔に冒された若い妻の愛情をしっとりと綴る。コンサート・ディレクターの憲一(小林)は、仕事を離れると呑む・打つ・買うに溺れる不良中年だった。スタッフの里子(及川)はそんな憲一に惹かれるが、憲一は彼女の想いを受け止めかねる。いつしか二人は愛し合い結婚するが、里子は白血病に倒れる。
暗い過去を背負ったヤクザ者の孤独な闘いと悲しき運命の行方をミステリータッチで描いた傑作。白川道の原作「海は涸いていた」を、『遠雷』『ひとひらの雪』などを生んだ監督・脚本コンビ、根岸吉太郎と荒井晴彦が映画化。役所広司、渡辺謙という二大実力派俳優の競演が話題となった。あるジャーナリストの殺人事件を捜査する佐古警部(渡辺)は、凶器の銃が10年前の未解決事件と同じものであることを突き止める。捜査線上に浮かび上がったのは、伊勢を名乗る芳賀(役所)という闇の実業家だった。やがて佐古は芳賀の怒りと悲しみに満ちた過去を知り、彼をめぐる強いきずなに胸を熱くする。
日本近代文学の名作を俳優が日本各地で朗読、旬の監督が演出するシリーズ。吉田満の「戦艦大和ノ最期」を、「とらばいゆ」の村上淳が朗読。『遠雷』『探偵物語』の根岸吉太郎監督が演出する。「昭和20年3月、世界最大の不沈戦艦を誇った大和が呉の軍港を出航した……」。海軍少尉、副電測士として戦艦大和に乗り込んでいた吉田満が、自ら体験した大和の出撃から沈没までを文語体で綴った戦記文学の名作を、村上が読み上げる。
鳴海章の人気小説「輓馬」を映画化。厳冬の北海道を舞台に、ばんえい競馬の世界に生きる人々の人間模様と、そんな人々や馬との触れ合いを通して自分の再生の道を探ろうとする青年のかっとうを感動的に描き出した。母と兄を故郷に捨てて、東京で一旗あげようとした弟・学。そんな学が十三年ぶりに故郷の帯広を訪れ、厩(きゅう)舎を営む兄のもとに姿を見せるが・・・。東京国際映画祭でグランプリを含む四冠を獲得。
芥川賞受賞作家・長嶋有のデビュー作を、『雪に願うこと』で各映画賞を総ナメにした根岸吉太郎監督が繊細なタッチでていねいに映画化。竹内結子がサバサバした男勝りな女という、今までとは違った表情を見せるのも見逃せない。薫が小4の時、父と喧嘩ばかりしていた母が家を出た。その数日後、家にヨーコさんという父の愛人が突然やって来た。お上品なルールとは無縁のヨーコさんの姿に、始めは戸惑う薫だったが、次第に憧れや友情を抱くようになる。