J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
ナントの近郊に住む木靴職人の夫婦についてのドキュメンタリー。ドゥミはこの短編処女作で、この老夫婦の労働によって営まれる生活や彼らのシンプルながら揺るぎない愛情へオマージュを捧げている。
コクトーがエディット・ピアフのために書き下ろした一幕劇の映画化。真っ赤に塗られたホテルの一室に佇む一組のカップル。冷淡な愛人を前に、悲しみに満ちた女のモノローグが響き渡る。ドゥミによる初のフィクション作品で、その後の作品のスタイルを形作っていくための魅惑的な実験となっている。
アルスの司祭、聖ヴィアンネの人生が語られる。暖かみに欠けた禁欲的な題材ながら、活気ある映画に作り上げた。迸るものをできる限り自然に捉えるそのスタイルは、次の処女長編『ローラ』へと繋がっていく。
ヌーヴェルヴァーグの真珠と謳われるジャック・ドゥミ監督の長編処女作。港町ナントで恋人の帰りを7年間待ち続ける踊り子ローラ(アヌーク・エーメ)の純真でひたむきな恋の物語。映画音楽の巨匠ミッシェル・ルグランとジャック・ドゥミ監督の初コンビ作で、神秘的な美しさを持つアヌーク・エーメは、後に「男と女」で有名になった。フランス西部の港町ナントでオールロケしたモノクローム映像(撮影は名手ラウール・クタール)も秀逸な珠玉作。
画学生のベルナールは、幼なじみジャックと町で出くわす。ふと買ったヒエロニムス・ボスの画集を見ているうち、幼い頃抱いた「淫乱の罪」という言葉のイメージから、官能的な世界と現実が重なってゆき……。ゴダール、シャブロル、ヴァディムら60年代新人監督たちによるオムニバスの一編。
ジャンヌ・モローがギャンブル狂の中年女を演じたジャック・ドゥミ監督の長編2作目。賭博にのめり込んだ男女の彷徨を流麗なカメラワークとミッシェル・ルグランの魅惑的な音楽で描く。浜辺に近い路上に立つジャンヌ・モローをアイリス・インで捉え、そのままカメラが急速に後退していく冒頭シーンが超有名な、情熱と愛のスリリングな物語。ピエール・カルダンの衣装を纏ったジャンヌ・モローが退廃的な魅力を発揮している。
カンヌ映画祭パルム・ドール受賞のジャック・ドゥミ監督のミュージカル史上不朽の名作が、製作から45年、デジタル修正による美麗映像で蘇る。フランスが誇る名女優カトリーヌ・ドヌーヴをスターダムに押し上げた。ミシェル・ルグランが担当した音楽(台詞の全てをオペラ形式で歌い語る画期的な手法)にも注目。
「シェルブールの雨傘」で、すべての台詞を歌にしたジャック・ドゥミが、感情の高まりとともに歌い、踊る、正統ミュージカルに挑んだ作品。ハリウッドから当時人気のジョージ・チャキリスと往年のミュージカル・スター、ジーン・ケリーを招き、フランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴの実の姉妹を双子役で起用。姉妹の恋愛や芸術への情熱、母親の大人のロマンスも織りまぜた心弾む展開。ルグランのジャズ・テイストに満ちた音楽と、ギスラン・クロケの鮮やかな原色の映像に胸踊る。見た後幸せな気分になるとはこのこと、といった楽しさに満ちた作品。
フランスの作家シャルル・ペローの童話「ろばの皮」を映画化。『シェルブールの雨傘』を世に送り出したジャック・ドゥミ監督が、美しい色彩映像と幻想的な音楽を用いて絢爛(けんらん)豪華に仕上げたファンタジー。遠い昔のとある国。妻に先立たれてしまった王様が、あろうことか自分の娘に恋焦がれ。美しいお妃(きさき)と王女の二役にふんしたカトリーヌ・ドヌーヴの美しさが秀逸。
主演カトリーヌ・ドヌーヴ&監督・脚本・作詞ジャック・ドゥミ&音楽・作曲ミッシェル・ルグランという黄金トリオの4作目で、原色使いの映像が実にポップ。共演した大物カップルの愛娘は、女優のキアラ・マストロヤンニ。