遠景、尖塔
海に囲まれ、山の上に立つ修道院は世界中にここだけ。しかも時代の異なるゴシック建築とロマネスク建築が混在した造りであることもあまり類を見ない構造となっています、
主要部はゴシック様式、教会堂はカロリング期の様式、入り口から祭壇まで続く身廊はノルマン様式、もともとロマネスク様式の祭壇は百年戦争で破壊され、フランボワイアン・ゴシック様式として再建されました。これらの周囲を聖堂外壁を支える補助壁として建造された修道院建築と軍事施設(城壁、見張り台)が取り囲んでいます。
対岸からの景観
島へ行くにはシャトルバスを利用する
バスはここまで
しばらく歩く
右側と左側、建築様式が違う
夜はライトアップ
ゴシック・リヴァイヴァル建築の鐘楼と尖塔は1987年に完成しました。尖塔の先端には、彫刻家エマニュエル・フレミエによって製作された高さ4.2mの黄金に輝く大天使ミカエル像が立っています。遠くからではせいぜい黄金色の像がありそうだ・・・くらいにしか見えませんが、修道院内にはそのレプリカが置かれています。空飛ぶ龍を踏みつけ、右手に剱を振りかざし、左手に円形の楯を持った像はヘリコプターで塔の先端に取り付けられ、当時の工事の様子も模型とパネルで知ることができます。
尖塔には像が建っている
拡大してもよくわからない
内部にレプリカあり
1877年に対岸との間に地続きの道路が作られ、潮の干満に関係なく島へと渡れるようになりましたが、これによって潮流をせき止めることとなり100年間で2mもの砂が堆積し砂州化してしまいました。このまま放置すればそこに雑草が生えて陸地化し、島の間際まで潮がくることはなくなってしまいます。そこで国家事業としてかつての姿を取り戻すプロジェクトが進行中で、陸路に変わって造られる新しい橋は海流により堆積した砂を取り除く装置が装備され2015年の完成を目指しているそうです。
修道院から見た工事現場
新しい橋は完成間近