我が家を失った袋田夫妻は、母屋から離れたところにある洞窟へと向かっていっ
た。この洞窟は秘密基地となっており、来るべき大戦の戦火に耐えるように設計され
ていた。 「おじいさん、ついにこの時がきましたな」 「タキ……」 おじいさんはタキの瞳を見つめ軽く頷くと洞窟内の無線室へと向かい無線機の電源 を入れた。そして、電鍵に手を乗せると一心不乱にモールス信号を打ち始めた。 「教官、何をなさるんですか」 おじいさんの行動を不思議に思った犬山はおじいさんの後ろに立つタキに尋ねた。 「伝説のソルジャーを呼ぶのさ……」 不敵な笑みを見せるタキの表情に犬山達は恐怖を覚えた。
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