怪しい桃   作/鐘辺完



「おじいさぁん!」
 タキ教官、いや、おばあさんはもうとうてい生きていないだろうおじいさんの 名を叫んだ。(別に「おじいさん」という名前ではないが)
「なんじゃい」
 おじいさんはひょっこり瓦礫になった家の裏側から現れた。
「今、片づけるのに忙しいんじゃ」
「生きてたの……」
「ああ。考えてみたらあんなに大きな桃は怪しいからな」
 おじいさんの話によると、念のため打診で調べてみると、不自然な空洞があっ たので、注意深く解体してみた。
 すると、中の起爆装置についた液晶表示が「あと7秒」とあったんであわてて 家を飛び出したおかげで助かったそうだ。
 桃は真ん中から包丁を入れたりすると即座に爆発するようにできているから、 知らずにお約束で桃を割っていれば即死していたらしい。
 おじいさんの名は袋田安智。優秀な能力を持ってはいたが、人を傷つけること が嫌いなためだけにアーミーでは落第生であった。






「伝説の桃」(はるだぁ)
この続きを作って。





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