秘技公開



次なる秘技は、門外不出なり。・・・

<秘技 その1>1997年6月尻別川支流。

今年の尻別川は、水量が少ない。支流では川幅がいつもの半分ほどになっているところさえある。冬の後半大量に雪が降ったが全体的には、少なかったのかもしれない。それにもまして、釣り人が多いのでこの日は移動移動の連続で結局たどり着いたところは、両脇をブッシュで覆われた細い支流だった。自分はウェットフライの提灯釣りのような格好で、J氏はめげずにルアーを投げていた。当然の様にJ氏はルアーを木に引っかけ、竿をあおったときに糸が切れ、ルアーだけが流れていってしまった。1300円さようなら・・・しばらく釣れず、かなり下ったところでJ氏に小さなあたりが・・・何かの稚魚のようだ。おまけに針まで付いている。そう、J氏が釣ったのはさっきほど流したミノーだったのだ。他の人のなくしたルアーを釣るときは時々ある。糸が少し付いているルアーなら糸に引っかけて釣ることもあるだろうが、糸の付いてない流れたルアーを釣ってしまうところがこの男の”恐るべし”なのだ!これぞ第1の秘技「だったらはじめから流すな。」である。

<秘技 その2>1997年6月千歳川。

千歳川舞鶴橋付近のマスは、シビアだ。春先のアメマスならまだ、純朴で可愛げがあるのだが、なかなか手強いのが中にはいる。目の前で大きな魚体を見せつけてのライズ。あいつを釣ってやる。毎日のように通い詰めるが、悠々とまたライズをくりかえす。未だにその正体はつかめていない。そんなイライラが募った後に行くポイントが放水口だ。ウグイしかつれないのだがついきてしまう。・・・益男君なんてもう知らない。宇具井君と一緒に遊ぼう・・・そんな心理状態でいつもこのポイントにくるのだ。時々宇具井君もどこかへ遊びに行っているときもあるのだが。
この日もこのポイントで何匹かウグイをつり上げていた。そして、キャストを繰り返す。中に、不思議なあたりがあった。キャストしてルアーが着水すると同時にあたりがあったのだ。まだリールは巻いていない。釣れたのはやはりウグイ。しかもスレ。もうおわかりいただけたでしょう。魚がルアーに反応したのではなく、悠々と魚が泳いでいるところにルアーが突き刺さったのである。
これぞ第2の秘技「無茶するな。」である。だが、これは技を磨けば使えそうだ。ま、そんな人はいないか。

<秘技 その3>1997年8月湧別川。

湧別川中流域、丸瀬布市街地付近は所々函が連続しており大物ニジマスが期待できる場所である。J氏と私は上流と下流に別れ秘めたる意欲を持って川へと入っていった。函では反応もなかったが、落ち込みや溜まりではそこそこニジマスがでてきた。今年はことごとく大物を獲り逃しているのだがこの日もそうだった。40センチオーバーとおぼしきニジマスをばらし、約束の時間に車へと戻った。車中その様子を興奮しながらJ氏に話し、J氏の釣果を聞いた。
「そっちのほうはどうだった?」
「・・・すごい物を釣った。」・・・
こういう言い方をしたときはかなりやばいか大したことがないかどちらかである。そして、状況から話し始めるのが彼のパターンだ。
 私と別れてすぐ激しいライズを発見。いろいろルアーを試すがあたりもなく下流へと向かった。しばらく釣り下るが連日の釣行で疲れた彼は、予定より早く待ち合わせ場所で待っていた。すると川に釣り人が引っかけたと思われる浮きがスーと下流へ動いた。しばらくすると今度はどんどん自分の方に向かってくる。もしやと思い、浮きに向かってルアーを投げるがなかなか引っかからない。投げた後しばらく浮きは姿を消すがいつの間にか元の場所に戻ってくる。渓流ではまず投げない重いスプーンに換え1投目、ついにかかった。リールを巻くごとに手応えが、そして姿を現しジャンプ。何とかはずれることなくキャッチ。釣れた(?)のは25センチのニジマス、針を奥まで飲み込んでいたため口元で糸を切りリリースしたそうだ。 これぞ第3の秘技「漁夫の利」である。


まだまだ我々の修行は続く・・・・





Sample image

千歳川


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