町民芝居ゆうべつ 第7作
脚 本 | ||
町民芝居ゆうべつ 第七回公演 作・石渡輝道 ゆうべつ物語第七話 「ハッカ狂騒曲」 (一幕五場 九十分) 初版 平成二十年十一月 七日 第二版 平成二一年 二月 四日 第三版 平成二一年 三月二一日 この話は、昭和の初め頃、この湧別が「ハッカ王国」「芭露ハッカ」とも云われ、名を売った時があった。その時代を背景にして、三人の姉妹の「生き方を見ながら「お金とは、家とは、家族とは、親子とは」を考えて見ることにした。 |
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第一場(二十分 |
ナレーター |
舞台には、「三つの家庭の居間」がセットされている そこで、各々の家族の芝居が始まる スタッフ、キャスト紹介する(三分) 音楽大きくなる 幕上がる 舞台上手に長女「春江」の家の居間があり、春江がみんなにお茶 を出している。 さて、長女春江の家では?
春 江 そう云ったって、この辺の人は、みんなハッカにしたし、残ってる者だって、
春江お茶を出す 力 うん、そうださ。
なー春江よ。
ハッカやって、少しは、本家らしいところ、見せてやりたいもんだ。 土地ばかりあったって、だめだ。お金になるもの作らんと… 少しは蓄えがなければ、周囲の人たちに笑われるって。
― 間 ― 今が悪い時だっていうなら、努力をしていれば、きっと良くなる。 きっと……。
それが、ハッカを作ったら、こんなにみんなが儲かった。 それを今、夏の家では、どうやって使おうかって困っているのよ。
……でも少しは欲しいね。
昌 子 お兄ちゃん、早く帰ってきてくれないかなー。 ……やってみたらだめだべか。
音楽入り、照明消える |
第二場(十五分) |
ナレーター |
舞台中央には、次女「夏」の家の居間に照明が入る。 家族で茶菓子を食べている。
玄関にお客さんが来る 飲み屋の和子である 飲み屋初音 和子が戸を開け、顔を出す。 和子、家に上がる 和 子 はい、ありがとうございます。突然お邪魔して申し訳ありません。 夏、お茶だす 和子は請求書を渡す
和子、立ち上がる 照明消え、音楽入る |
第三場(二十分) |
ナレーター |
舞台下手の三女「秋子」の家の居間に照明が少しずつ入る。
さてこの三女の家では。 音楽消える 夫俊夫は布団の上に横たわっている 秋 子 ねーあんた。医者に行こうよ。腰が痛くて休んでばかりでしょ。
秋子、下手外に出て、姉のところに電話する。 夏、電話をとる。
そこに敏夫も入って来る
そこに子どもの知子が入って来る
敏夫、いやいやながら一言
音楽入り、照明消える |
第四場(三十分) |
第二場と同じ ナレーター |
(舞台中央に次女「夏」の家の居間がある) 音楽が徐々に通策なる。
音楽消える 夏 秋子のところも、困ったもんだ。
― 間 ― ところで、どうします。私が預かった、このお金。
みんな心配そうな顔をしている そこに勝一が入って来る
太 郎 本当だ。ここ何日も顔見てないもんなー。なー姉ちゃん。
亨、はな、立ち上がり、そこを去る
良 子 母さん、母さん、
中に手を入れ燃えかけた札束を包んだ紙包みを取り出す
言葉がない、しばらくしてから
は な こんなにまで子どもたちがお前のこと、思ってるのに、何にも感じないのか。
ははは…… 音楽入り、照明徐々に消えていく 音楽大きくなる |
第五場(十分) |
舞台中央に縁側がある ナレーター |
照明入る。音楽次第に小さくなる。 春江、秋子が中央に座っている。
春江、立って帰りだす。
秋 子 そうかな。でも私は幸せだったよ。
春江立ち上り歩きながら語りだす 春 江 そうだね。好きなことをして終るのが一番いいよね。
秋子立ち歩きながら語りだす 秋 子 私もそう思うよ。…人の一生って何なんだろうね。 ― 間 ― 秋子座って話す 一生っていうものは、「ごく平凡」で「風もなく」「波も無い」 ― 間 ―
照明徐々に消え、音楽入る。
❘幕❘ 幕上る カーテンコール キャスト各家族に入り、自己紹介する スタッフ全員舞台に出て自己紹介をする 司会は演出が行う お礼の挨拶は久保さやかと渡辺静香二名で行う 音楽大きくなり一礼し幕下りる |
スタッフ |
企画 町民芝居ゆうべつ 脚本、演出 石 渡 輝 道 仁 木 慶 子 舞台、道具 大 崎 一 文 洞 口 忠 雄 丘 上 美 智 湊 谷 真由美 着付 小 川 敬 子 増 山 澄 子 洞 口 百合子 佐 藤 真由美 久 保 幹 江 大 渕 美 夏 相 場 典 子 藤 本 祐 司 後援 湧別町教育委員会 書きどころ係 由 野 のぞみ 藤 本 祐 司 かわらばん係 茂 利 泰 史 |
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キャスト |
長女 春江の家 妻 春江(45) 仁 木 慶 子 夫 元治(48) 深 谷 聡 その長男 誠(21) 出演なし 次女 昌子(15) 久 保 さやか(初舞台) 祖父 力(70) 本 田 勝 樹 祖母 フク(65) 由 野 のぞみ 次女 夏の家 妻 夏(40) 佐々木 絵 里 夫 勝一(45) 茂 利 泰 史 その長女 良子(15) 佐 藤 梨 華 長男 太郎(13) 仲 崇太郎 祖母 はな(65) 松下章子
夫 敏夫(38) 荒井佳人 その長女 知子(13) 渡邊 静香 ナレーター 窪 田 大 輝 |