宮殿内部

ゲート


 アルハンブラ宮殿内の王宮には入場制限があります。団体ツアーではまず問題なく入場できるのですが、個人で入場する場合は当日券が完売になることもあるそうです。ちなみに入り口も異なる団体ツアーの場合、宮殿内の見学には制限時間があるそうで、その時間が短いほどよいガイドさんとなるそうです。今回のガイドさん、「カワサキ」と自称する赤ズボンのガイドさんは流ちょうな日本語で、しかも早口だったわけがこの話を聞いてわかりました。この「カワサキ」さん、日本語のジョークもまじえていましたが、日本語の質問は受け付けない(わからない?)ようだったので、たぶん台本の棒読みだったのでしょう。もちろん英語の質問は通じていました。


カルロス五世宮殿(Palacio de Carlos V)


 正方形の建物の中心に真円形の中庭があるカルロス五世宮殿(Palacio de Carlos V)は上空から全体像を撮影した写真では目立つ建物です。ルネッサンス様式の王宮の中では異様とも言えるドーリア式建築(1階)で、イスラム建築には見られない外壁の装飾や王家の紋章が特徴的です。この宮殿は16世紀にスペイン国王のカルロス五世が造らせたものですが、資金難のため工事は延び延びとなり、屋根が付いたのは18世紀になってからだそうです。円形となっている中庭では、雨水は中央の排水口に集められる設計となっています。現在、内部は1階がスペイン・イスラム美術館、2階が市立美術館となっています。


ライオンのパティオ


 124本の大理石の細い列柱が立ちならぶ回廊に囲まれて、12頭のライオン(実際は犬か猫のように見えます)が雪花石膏 alabaster の水盤を支え、かつては水時計の役割を果たしていたそうです。ここは王の寵愛を受けていた女性たちのハーレムで、パティオの周囲には「諸王の間」、八角形の天井の乳石飾り(モカラベ)が印象的な「二姉妹の間」、寄木細工を使った天井が特徴的な「アベンセラへスの間」などが配置されています。


アラヤネスのパティオ


 宮殿を代表する写真といえばアラヤネスのパティオ。プールのような長方形の池がある中庭で、大理石柱とアーチの回廊に囲まれています。水面の映るコマレス宮殿は上下に、そして左右にも完全にシンメトリーになっています。 イスラム文化のシンプルで整合性のとれた美しさは現代でも十分に通用するようです。池の両側の建物には4つの部屋があり、王の4人の正室の部屋になっていたとのことです。また、ライオンの中庭の階上と連絡している部屋は女性の部屋で内部から中庭が見られるように作られていて、構造自体ほんとにハーレム状態です。うらやましいというか、なんというか・・・


メスアールの間


 メスアール(政庁)の間は王宮で最初に建てられた部分で、入り口の紋様美しい装飾がなされています。壁は美しいのですが、実は罪人たちをここで取り調べ裁いた場所だったようです。


鉄格子の間


 鉄格子の間では鉄格子の窓越しに噴水のある小さな中庭をみることができます。ところで何のための鉄格子なのだろう?


メスアール宮


 メスアール宮はコマレス宮、ライオン宮と並んでイスラム時代に建築されたもので、旧王宮と呼ばれています。イスラムの住居は緑のある中庭が特徴で、中庭の緑の生け垣は糸杉を成形したものだそうですが、手入れが大変そうですね・・・


パルタル宮


 パルタル宮はアルハンブラ最古の宮殿最古の宮殿ですが、度重なる改修が加えられたため当初の宮殿の姿とは変わってしまったらしいです。「池の側に立つ貴婦人の塔」といわれるように、緑と池と草花に囲まれた塔が印象的な建物です。


ヘネラリーフェ(Generalife)


 14世紀に建設された王家の避暑地がヘネラリーフェ。アラビア語で「天の楽園」を意味し、天国にあるという水の庭園のイメージを形にしたものとされています。はるばるシエラ・ネバダ山脈から引かれた水は途絶えることなくこの庭園を潤し続けています。噴水は敷地の高低差を生かして設計されており、イスラムの土木技術水準の高さを知らされます。
 庭園の中でも特に有名で美しいのがアセキアのパティオ。糸杉の並木や花壇や植え込みはすべて後世のものらしいですが、自宅のしかも別邸の庭に数個の噴水がある庭園ですよ・・・ボクには夢のまた夢・・・ 


宮殿周囲


 アルハンブラ宮殿近くは小さなホテルやレストランが多く並んでいます。ごく普通の雑貨屋さんやバーまで、それぞれに特徴がありふらりと寄ってみたくなります。旅人を飽きさせないところはさすがに有名観光地ですね。





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