こぼれ話

1994年9月
気がつくと首が痛かった・・・システィーナ礼拝堂、バチカン市国

 バチカン博物館は見るべきものが沢山ありすぎるくらい。その中でもシスティーナ礼拝堂は圧巻だ。祭
壇画(壁画)の「最後の審判」は、すばらしく澄んだ青をバックに、三次元画像のようにものすごい迫力で
ボクに迫る。ここではガイドの説明もなし。ただただみればわかるというやつだ。色の鮮明さでは、人間
創造などの天井画も負けてはいない。時を忘れ、見上げていまう。さんざん鑑賞した後、自分の頚の痛
さに気づく。そういえばどこかで経験した痛さ・・・そう、ルッツェルンのカペル橋。

1994年9月
誰のための貞操帯?・・・ドゥカーレ宮殿、ヴェネチィア・イタリア

 「ため息橋」があるドゥカーレ宮殿は、内部にも世界最大の油絵として有名な「天国」など、見るべき作
品が数多くある。そんな中、有名とは言い難いが、ある部屋のショーケースに陳列してあった鉄製の「貞
操帯」が、とてもボクのお気に入り(誰かに使いたいという意味ではないよ、念のため)。実物を見てもら
わないと表現は難しいが、とにかくあの構造ではとうてい何もできない。ガイドの説明では、長期に留守
することが多い船乗りが、妻につける場合が多かったとのこと。当然解除の鍵は船乗りがお守りとして
持っていった。 でもこれにはちゃんと「おち」があった。感のいい人はわかったでしょ、そう大抵の妻
は、旦那に内緒でちゃんとスペアー・キーを持っていたとさ。やっぱり、だまされるのは男か・・・

1994年9月
チップ(その2)、イタリアの場合・・・イタリア

 サービスの対するチップというのは、その地方の「習慣」だ。渡す金額やタイミングは、チップの習慣の
ない日本人にはなかなか理解できない。団体ツアーに付く現地のガイドさんもガイド・サービスはチップ
次第だとか。ツアーの場合は添乗員が渡しているようだが、添乗員によってサービスが違えばいろいろ
問題があるので、一応の額は決まっているらしい。ユーロ普及前のイタリアの通貨はリラ。この時のチッ
プは当然リラで支払いするのかと思っていたら、なんとUS$が一番喜ばれたらしい・・・自国の通貨に
信頼がないのだろうけど、変な話だ。

1994年9月
バイクが多いのはアジアだけではない・・・フィレンツェ、イタリア

 ベトナムやタイはバイクがものすごく多いのはご存じの通り。通りを横断するのもバイクをかき分けて
渡る必要があり、慣れるまでは勇気がいる。ところで、バイクが多いのはアジアだけではなかった。小さ
な石畳の路地が続くフィレンツェ市内もとても多い。フィレンツェ市内なんて、あちこちが観光ポイントの
建物だから、観光客は半口開けて建物を見上げながら歩くことがほとんど。そんな中、ロングスカートの
ネェーちゃんがくわえタバコで、ボクの脇をびゅーんと走り抜けて行く。これは大変恐ろしい。あのネェー
ちゃんだけかと思ったら、次から次から、ネェーちゃんのみならず、ニィーちゃんまで、多少の接触もお
構いなく走り去る。このような思いをすると、自分に向かってこなくてもブーンと音がしただけで思わず脇
へ逃げ出してしまうのである。そうそう、バイクのスリも多いとか、あんな路地では逃げ場もないので・・・
用心、用心。

1994年9月
安物買いは他人にも迷惑をかける・・・イタリア

 イタリアはスリが多い。ミラノ方面は親子連れのジプシーが物乞いに来た時、ローマでは若いお嬢さん
ジプシーが団体で近づいてきた時は用心すべしとのこと。そんな話を聞いていたので、腕時計も取られ
てもいいものをと、近所のデパートで特別価格600円という時計を、動作も十分に確認せず持参した。
 ある日の朝、教会の鐘がいつもより10分遅い。さすがイタリア、のんきなものだと思っていた。
集合時間は9時30分なので、9時25分にロビーへ降りる。
 と、そこには慌てた添乗員が待っていた、「もう、9時35分ですよ。早くバスに乗って下さい!」
 えっ!?そんなばかな?
なんと教会の鐘でなくて、ボクの時計が10分遅れていたのだ。この時はただ、ただ平謝り。 




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