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オホーツクから関西国際空港への便は季節運行。この日はその初日であり、こちらから搭乗した乗
客は僕たち夫妻を含めたった4人。航空機は31K(120人乗り)。ちなみに客室乗務員も4人。サービ
スもマンツーマン。乗務員全員のサインが入ったお礼のはがきまでもらい、なかなか良かった。予定通
り関空上空へ、着陸態勢に入り、エンジン出力も低下、気持ちも体もさぁランディング・・・と思ったら、機
体がぐらり傾く、その瞬間エンジン出力があがり、まるで離陸状態となる。あそこまで行ってのやり直し
は初めての経験。風が強いなんて話は聞いていないし、そのうち乗務員から「原因は不明だが一度上
昇します」のアナウンス。原因不明?・・・名古屋での中華航空の事故を思い出し、とりあえず水平飛行
になるまではかなり不安だった。その後の機長の話では着陸寸前に風速が安全域を超えたのでやり直
したとのこと。まあ機体のトラブルでないことがわかりとりあえず安心。やり直した着陸も機体は結構揺
れたが無事成功、機内4人で拍手・・・久しぶりにどきどきした。これが満席だったらこんなに揺れなかっ
た・・・かも?
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甘い言葉にご用心・・・ジャカルタ国際空港、インドネシア |
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バリ島からの帰りはジャカルタ経由。添乗員もいない旅で、「簡単だから自分で乗り換えて下さいね」と
バリ島を送り出される。ジャカルタに到着後、国際線カウンターへ直行できると思っていたら、誘導され
て出てきたのは一般の出口。そこには「芸能人でもないのに何でこんなに人がいるの」状態の人だかり
である。ボクに笑顔で近づいてきたお兄ちゃん、何処へ行くか聞いてきた(もちろん日本語で)。JALの
カウンターと話すと、連れて行ってあげると。おや親切な人もいるね、なんて思いついていくと、いつの間
にか建物の外に出てしまった。しかも正面にはタクシーが止まっている。JALは別のビルだから、タクシ
ーでなくてはいけない。タクシー料は特別に100ルピアでいいと。
ちょっと待ってよ、どこの国際空港にタクシーを使う必要があるほど遠い乗り換えターミナルがあるの
(あら?成田は遠いか)。引かれていた手を振りほどき、先ほどのターミナルビルへ戻り、インフォメーシ
ョンカウンターへ向かう。最初からこうすりゃ良かったのにね。インフォメーションに着いてJALカウンタ
ーの場所を尋ねた途端、ボク達についていた数人のお兄ちゃん達はさっと消えてしまった。結局、到着
したロビーから2階へ上がり、100mも歩かずにJALカウンターに到着。話のタネにタクシー乗ってみて
もよかったけど、あえて冒険する意味もないか。
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節電? ロマンチック?・・・ヌサ・ドゥア、バリ島・インドネシア |
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テロ事件は残念だったが、日本人女性に人気上昇中のバリ島。ビーチに面した地域では開発が進み
大型のホテルが群れをなしている。ヌサドァにある高級ホテルへの到着は夜中11時過ぎであった。玄
関からフロントまでは人の顔も判別できる明るさであったが、フロントから部屋までの道のりはとても暗
い。案内してくれたボーイさんは、ボクが文句を言う前に「日本人の皆さんは、暗い、暗いといいますが、
こちらではロマンティックといいます」と先手を打つ。「ロマンティック?、足下もよく見えないのがロマンチ
ック?」ついつい、こう答えるのはボクだけではあるまい。でも、しばらく歩くと暗さにも慣れ、星も綺麗に
見えるし、日本は明るすぎるのかもしれない、なんて相手の思惑にはまるのも簡単なボク。翌日、ホテ
ル内の丘の上のバーへ、「星空を眺めながら食後の一杯」なんて思いながら向かう。なだらかな階段を
上って向かうのだが、とにかく暗い。よーく見ないと躓いてしまう。やっとたどり着いたバーも、カウンター
の一部のみ明るい。カウンター奥の眺めがよいという席(といっても夜は真っ暗で、テーブルに置いたキ
ャンドルの周りわずかと、夜空の星が見えるだけ)に案内され、いざ席に着こうとすると、椅子と足かけ
の間に段差があった。夫婦してそこへ足を滑らせ、頭と頭をごっつんこ。目の前が明るくなる・・・? ど
こがロマンティックじゃい!
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いろいろな団体ツアーに参加したが、南フランスを旅した時の添乗員は記憶に残る。年の頃はボクよ
り数年上、学生時代パリに住み、かのムーラン・ルージュなどでアルバイトしながら、イタリア、スペイン
を旅していたとか。語学力も堪能で、観光地の情報などは現地のガイドよりも詳しく、またユーモアに富
んだ説明は本当のプロを感じさせてくれた。
さてこの添乗員、昼食でワインを飲み真っ赤な顔をしながら、バスの中でマイクを握っての一言。 「こ
のツアーに参加された人たちは全員とても運がいいですよ。ボクは今まで、地下鉄や空港の爆破など
身近で事故に出会っていますが、ボクもツアーに参加された方もみなさん、運良く生きていますから」だ
って。一瞬、喜んだけど・・・まてよ、これは死なないまでも事故に遭う確率が高いってことか?
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ラナイ島へはホノルルから飛行機で行くことができるが、そこへ向かう飛行機はプロペラ機、それも1
4人乗り程度の小さなものだ(運が良ければ30人乗り程度のジェット機に乗れる)。ホノルル国際空港
での乗り換えで、国内線チェックイン・カウンターの女性がボクと妻の体重を確認した後(チェックインで
体重まで聞かれたのはこの時が始めてだった)、チケットを手渡しながら「今日の天気だとSurf riding の
ような体験ができる」と忠告?してた。「波乗り?」、たぶん英語の聞き違いかと思って聞き流した、その
時は。
いよいよ搭乗時間となって、僕たちの目の前に現れた飛行機はまるで遊覧飛行に使うような小さな機
体である。ゲートに並んだ乗客は満席の14人で、唖然と機体を見ていたボクは結局最後となり非常口
の所に座ることとなる。ベルトを締めてから非常口のサインに気づき、 「あっ、まずい」と思っても後の祭
り。乗客の最後尾でタラップのロープを引っ張り収納しながら乗り込んできたパイロットに、「英語が分か
るか?」なんて言われても・・・えーい、この際だ、「イエース」と答えてはみた。が、その発音を聞いたパ
イロットはきっと不安に思ったのだろう。シートの陰からわざわざ日本語の注釈がついたパンフレットを
取り出し、にこやかにボクに手渡したのだ。
何はともあれ定時刻で飛び立ったまではよかったのだが、上空に行ってからはいやー、揺れる、揺れ
る。「波乗り」の意味がわかったのはこの時だ。しかし、この揺れ方は波乗りどろこではなくジェット・コー
スターと言った方が正しいだろう。30分弱の飛行だったが、時差ボケの身体にジェット・コースターは厳
しく着陸後はまるで二日酔いのように足腰がくたくたの状態で、全身冷や汗でびっしょりとなっていた。も
しラナイ島にもう一度くるとするなら今度は船にしようと心に誓ったのだ。
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