北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 2月14日付

20年度改定答申、「地域医療体制確保加算」520点

 中医協総会は、2020年度診療報酬改定について加藤勝信厚生労働相に答申した。医療従事者の働き方改革、病院勤務医の負担軽減などを目指し、救急医療体制における重要な機能を担う医療機関を評価する「地域医療体制確保加算」(520点)を新設。医師事務作業補助体制加算は1・2とも50点増やしたほか、地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟、精神科急性期治療病棟などにも拡大。かかりつけ医と連携した情報通信機器を用いた診療を行う場合の遠隔連携診療料(500点)を新たに設ける。

 答申後、田辺国昭会長は、?医師等の働き方改革を推進するよう診療報酬においても下支えする?かかりつけ医機能と多施設間の連携の強化促進?医療技術のイノベーションを適切に位置付ける?入院基本料にかかわる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)を見直す─ことにより、地域医療構想に寄り添ったより安定的な運用を可能とする改定となったと統括した。


札幌市20年度予算案、保健所等で自家発電整備

 札幌市は、2020年度予算案発表した。一般会計・保健福祉費は前年度予算比4.2%、611億円増の4,139億600万円。保健所庁舎・区保健センターの非常用自家発電設備を整備するほか、重度障がい者へのヘルパー派遣や個々の状況に応じて必要な介護時間数を決定する非定型の導入、在宅医療と介護の連携に関する相談窓口機能強化へ1,700万円を計上した。

 医療的ケアが必要な児童等へ、障害児通所支援事業所等の巡回指導を行うサポート医を新たに配置し、小中学校の看護師配置を週1回から3回に増加、さらに保育所に加えて児童会館も看護師派遣施設にする。


平岸病院、新棟整備 166床移設

 赤平市の平岸病院(谷博理事長、郡正博院長・366床)は、療養環境の改善、地域医療の充実を図るため、2017年秋から進めてきた新病棟の工事を終え、3月1日の供用開始を予定している。3病棟166床を新病棟に移設。5階フロア全体を地域交流の場と位置付け、社会資源として活用していく考えだ。

 新病棟は、RC造5階建て延べ約8,000平方メートル。1階は診察室2室、薬剤室や調剤室、検査室を設置し外来機能を集約。ゆとりある開放的なロビーと回遊型廊下で受診しやすい動線を確保した。

 病床は、2階が精神療養病棟60床、3階が精神特殊疾患病棟60床、4階が精神一般病棟46床と機能別に配置。


札医大・佐藤研究G、耐性菌生まない抗菌薬開発へ

 札医大微生物学講座の佐藤豊孝助教を中心とした研究グループは、従来の抗菌薬開発法に捉われない新たな細菌感染症治療薬のスクリーニングの研究を進めている。これまで抗菌薬に選ばれていない複数の既存化合物でスクリーニングを行い、一定の生体条件下で抗菌作用が判明するなど、新薬開発につながる成果が出ている。

 細菌感染症等に対する抗菌薬使用では、薬剤耐性菌の発生が大きな課題となっている。抗菌薬使用が世界中で増えるにつれて薬剤耐性菌も増加し、2050年には、それに起因する死亡者数が、がんによる死亡者数を超えるという予測もある。

 抗菌薬の使用は、標的とする細菌のほか、常在細菌の減少にもつながり、耐性菌のみを選択的に増殖させてしまうリスクがある。新薬は種類を問わず細菌の増殖を抑える化合物を特定し、それを基に開発しているため、菌種や条件を問わずその増殖を抑えてしまう。


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