北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

平成27年(2015年)2月27日付

道内の26年診療所開業、5年ぶり増加

 道内で26年1〜12月に新規開業した診療所(新規保険指定から移転を除く)は、過去最少だった前年を7件上回る66件となり、5年ぶりに増加したことが本紙のまとめで分かった。全件数のうち、3次医療圏別では道央が77%(51件)、札幌市内に限ると56%(37件)を占めており、一極集中傾向が続いている状況だ。
 17年から過去10年間の開業件数動向では、年100件を超えたのは18年のみで、減少傾向が続いており、22〜25年には4年続けて減少、25年に60件を割り込んでいた。


市立札幌、臨床研修プライマリケア対応促進

 市立札幌病院(関利盛事業管理者・798床)は、臨床研修体制を見直し、本年度から各臓器病態別の専門科診療と、一般外来や病棟での救急患者に対応できる新たな育成システムを構築。外来フロア内に診療ができる専用室を設置するとともに、各診療科の医師からの指示出しや病棟連携がスムーズにいくように『院内119番』を介して、プライマリケアを実践できる新しい取り組みを行っている。
 3次救急を担う同病院では、診療科の専門分化が進み、外来患者数や手術件数なども多いことから、▽主治医が急変時にすぐ対応できない▽病棟、外来の急変前兆が見逃される▽看護師からの相談対応に遅れる―など問題視されていた。


道医療大・眞島さん、歯垢形成の新菌種発見

 道医療大歯学研究科大学院4年生の眞島いづみさんは、第5回日本学術振興会育志賞を受賞した。歯垢(バイオフィルム)の初期形成に関与する新しい細菌を世界で初めて同定するとともに、学術誌に掲載された英語論文9本などが評価され、修了後の4月以降も同大で研究活動に取り組む。
 眞島さんは神奈川県出身。同大歯学部在学中に日歯主催の歯学部学生研究発表会(スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム)で準優勝に輝くなど研究の魅力に目覚め、歯科医師免許を取得後、同大大学院に進み、微生物学教室(中澤太教授)で学んでいる。


札幌百合の会、胃瘻造設の肺炎患者分析

 札幌市北区の札幌百合の会病院(憲克彦理事長、小野寺次民院長・136床)は、胃瘻造設が必要な症例の疾患別分析と造設後の生存分析を実施。誤嚥性肺炎を繰り返している反復性肺炎患者は生存期間が半減、有害事象率が30%超と高い上、認知症患者などにおいては血清アルブミン値が有意に低下していることを明らかにした。
 反復性肺炎は胃瘻造設後も繰り返すことが知られている。そこで高齢入院患者の多い同病院では、20年4月〜26年3月の新規胃瘻造設患者46人を分析した。


日医総研意識調査、7割「受けた医療に満足」

 日医総研は、国民を対象に26年8月に実施した「第5回日本の医療に関する意識調査」の結果をまとめた。受けた医療全般に対する満足度は約70%と高く、個別では「医師・看護師の態度や言葉遣い」「医師の知識や技術」が90%を超えているものの、待ち時間や治療費では「満足していない」という回答が目立った。
 調査は、全国の20歳以上を対象とした個別面接調査法により14年から実施、今回は1,122人の回答をまとめた。

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