第19回 花巻公演プログラム北海道農民管弦楽団 第19回定期演奏会(花巻公演 宮沢賢治没後80年記念)
日時:2013年1月27日(日)午後1時開場 午後1時30分開演
会場:花巻市文化会館大ホール
主催:北海道農民管弦楽団花巻演奏会実行委員会(実行委員長 林正文)
共催:花巻市、花巻市教育委員会
後援:花巻市文化団体連絡協議会、JAいわて花巻、花巻商工会議所、花巻青年会議所、
宮沢賢治記念館、宮沢賢治学会イーハトーブセンター、(財)宮沢賢治記念会、宮沢賢治センター(岩手大学内)、
(株)林風舎、岩手農民大学・農村文化懇談会、岩手日報、岩手日日新聞、えふえむ花巻
助成:第1回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞、北海道ろうきん社会貢献助成制度
入場料 一般1000円、小中高校生500円、親子ペア1200円
指揮  牧野時夫(北海道農民管弦楽団代表)、南紳一(ぐんま青少年オーケストラ総監督)
演奏 北海道農民管弦楽団、東北農民管弦楽団、金星少年少女オーケストラ

■ごあいさつ

  

 花巻市長 大石満雄


 北海道農民管弦楽団の皆さま、そして東北農民管弦楽団の皆さま、ようこそ「賢治のまち花巻」にお越しくださいました。 花巻市民を代表して心から歓迎申し上げます。
 北海道農民管弦楽団の皆さまは、「鍬で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに、宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」に 基づいて、賢治が果たすことのできなかった夢を現代に蘇らせようと1994年の設立以来、毎年北海道内で定期演奏会を 開催しておられると伺いました。賢治没後80周年の今年、賢治生誕の地花巻市で演奏会を開催していただき、深く感謝を 申し上げます。
 また、「東北農民管弦楽団」の皆さまは、このたびの北海道農民管弦楽団花巻公演を機に結成され、本日が初めての演奏会 とお聞きしました。誠におめでとうございます。 本日の公演では、皆さま方とともに「セロ弾きのゴーシュ」の中に登場する楽団に因んだ、花巻市の「金星少年少女オーケストラ」も 共演いたします。宮沢賢治が縁で結ばれた音楽を愛する人たち。皆さんの演奏が賢治さんの平和への思いを伝え、私たちの心を耕して くれるものと期待しております。本花巻公演の開催にあたり、ご尽力を賜りました関係各位に心から感謝を申し上げますとともに、 本公演を機に賢治さんがつなぐ人々の交流の輪が全国に広がり行くことを祈念しごあいさつといたします。

 花巻演奏会実行委員長 林 正文


 新春を迎え皆様には心新たに毎日何かしらを発見する日々をおすごしのことと存じます。宮沢賢治先生没後八十年を記念して 「北海道農民管弦楽団」が花巻公演を行うことになりました。私は生まれが北海道石狩郡当別町の出身です。北海道出身の御縁と 賢治先生を心より尊敬している者として微力ではありますが御協力をさせていただくことに致しました。「金星少年少女オーケストラ」 は宮沢賢治先生の作品「セロ弾きのゴーシュ」から名づけられたオーケストラです。一昨年の東日本大震災の復興シンボルとして誕生 した金星少年少女オーケストラの皆さんも本日は心一つにしてすばらしい演奏をしてくれると思います。
  本日は東北六県の農民有志の方々で結成された「東北農民管弦楽団」の方々も共演します。賢治先生のふるさと花巻の地で「鍬で大地を耕し、音楽で心を耕す」という願いをもって人生を歩まれた賢治先生の没後八十年にふさわしい公演になると思います。どうぞ心静かにお聴き下さいますようお願いいたします。
 「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」といわれた賢治精神を私達がきちんと受けとめ次の世代の子供達へ戦争のない平和な世界をバトンタッチしてゆかねばと思います。世界の国々の人々と共に生きる世界を実現するために賢治精神を音楽を通じて世界中に発信してまいりたいものです。
 最後に此度の花巻公演を御縁に「北海道農民管弦楽団」を皆様と御一緒に応援して行きたいと思います。よろしくお願いいたします。又、「金星少年少女オーケストラ」「東北農民管弦楽団」の御支援もお願い致しまして御挨拶とさせていただき御挨拶とさせていただきます。本日は御来場まことにありがとうございます。

 北海道農民管弦楽団 代表 牧野 時夫


 本日は、大変お寒い中、また足元の悪い中、北海道農民管弦楽団の第19回定期演奏会のために足をお運び下さいまして、誠にありがとうございます。北海道農民管弦楽団は、「鍬で土を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに、北海道各地の音楽を愛好する農家を中心に、農業試験場の研究員や、農協職員、農学関係の教員や学生など、農業を支える多くのメンバーが、冬の農閑期に集まって練習し、毎年異なる地域に出かけて演奏会を開くというユニークな活動を続けております。1995年1月の旗揚げ公演以来、北海道内15ヶ所で18回の公演を開催し、2011年には北海道の農業に大きな影響を与えた農業大国デンマーク2ヶ所で初の海外公演を行いました。設立19年目にあたる今回は、デンマーク以来の道外公演ということになりますが、国内では最初の道外公演地に花巻を選んだのは、もちろん特別の思い入れがあってのことです。
 私は、学生時代に農学部で園芸学を学び、学生オーケストラで活動もする中で、宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」に出会い、彼の思想とその行動に深く共感しました。そして、将来は自ら農業を営み、農民オーケストラを創りたいとの強い決意を抱いたのでした。賢治は花巻農学校の教師を辞して羅須地人協会を設立し、その中で自らチェロを習い農家を集めて楽団を作り練習したものの、様々な事情で1年余りの活動で頓挫してしまいました。私は、資金作りと経験を積むため6年間ワイン会社でブドウの栽培や研究などに携わり、社会人オーケストラの活動も続けましたが、1992年に賢治が百姓になったのと同じ30歳で脱サラして就農し、1994年には思いを共にする仲間と、賢治が日本で初めて創った農民オーケストラを60年の時を経て復活させました。そういうわけで、この花巻での公演は、北海道農民管弦楽団の精神の故郷での演奏ということになります。そしてまた、このタイミングであることには偶然だけではないものがあります。 2011年の東日本大震災は、東北の人たちのために何かできることをしたいという思いを様々な人の心に呼び起こしました。我々もそういう中で、次は花巻でとの決心を固めたのです。たまたま、やはり大震災の復興のため子どもたちのオーケストラを創ろうとの働きかけで花巻に金星少年少女オーケストラが誕生したことを知り、大震災から丸一年目の2012年3月11日の第1回演奏会に、我々のメンバー6名は賛助出演させていただきました。そこで我々は、今回の公演での足がかりを築き、「セロ弾きのゴーシュ」の金星音楽団から名前をいただいた子どもたちのオーケストラとの共演も実現することになりました。また、かつて北海道農民管弦楽団に所属していた弘前の白取さん(賢治さんが大好きで山形大農学部の学生だった頃からチェロを持って花巻を何度も訪問していました)が、今回の演奏会をきっかけに東北農民管弦楽団の設立も呼びかけ、東北各地の農民音楽愛好家や、かつて賢治が学んだ盛岡高等農林の後身である岩手大学農学部の教師や学生たちもたくさん参加してくれることになりました。賢治没後80年に、賢治さんの思いが花巻の地に大きく甦ったのです。
 本日は、宮沢賢治が教師として働いた花巻農学校の跡地に建つ花巻市文化会館にて、賢治さんが大好きだった田園交響曲ほかを演奏させていただきますが、明日は、大津波で町ごとさらわれ大きな被害を受けた陸前高田市の高田小学校で小編成のオーケストラにて演奏いたします。そこでは、陸前高田での津波による流木から回収したカエデとマツによって創られたヴァイオリンを私がお借りし、ヴィヴァルディの冬などを演奏させていただく予定です。賢治の37年という短い生涯は、偶然にも1896年の明治三陸大津波の年に始まり、1933年の昭和三陸大津波の年に閉じました。その賢治の「雨ニモマケズ」の詩や賢治の精神が、2011年の平成の巨大津波によって大きな被害を受けた東北の人たちに、再び大きく注目され勇気を与えています。自然の猛威の前に、人間の力はちっぽけなものです。自然を支配しようとしても、所詮人間は自然には逆らえません。自然を支配しようとすればするほど、人間は自然によって大きな仕打ちを受けることになるだけです。私たちは、この大自然を支配するのではなく、その一員として感謝して恵みに与り、すべての生きとし生きるものと恵みを分かち合って生きるべきなのです。「農民芸術概論綱要」で「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と述べた賢治さんは、決して全体主義を肯定したのではなく、そういうことを訴えていたのだと思います。賢治の理想主義には危うさもありますが、彼自身の純粋な気持ちは尊いものであり、新自由主義が世界を席巻して再び格差の広がる社会となっている今こそ、彼の思想は生きてくるのだと思います。私たちの奏でる音楽も、そのような全ての人の幸福を願う精神を、皆様と共に分かち合うためのものでありたいと思います。
 最後になりましたが、この演奏会のためにご尽力いただきました、地元実行委員会の皆様、花巻市賢治まちづくり課の皆様、金星少年少女オーケストラ関係者の皆様に感謝を申し上げ、ご挨拶といたします。


■曲目解説

シュトラウスU世(Johann Straus II)1825-1899 作曲
美しき青きドナウ An der schonen blauen Donau 1867

 今年も新年を迎えられたことに感謝しながら、気づけば月末。といえども、まだ新たな希望に満ちた気持ちで一杯である。日本では 1 月は旧暦で「睦月」と呼ぶが、諸説あるが親族一同集って宴をする「睦び月(むつびつき)」の意とある。なるほど団員にも「睦」が つく方が在籍、どおりで宴会が好きなわけである。納得(笑)。家族や仲間との結びつきはいつまでも大切にしたい。 さて、元旦のウィーン・フィルのニューイヤーコンサート( 今年はウィーン国立歌劇場音楽監督フランツ・ウェルザー=メストが指揮、 来年はD・バレンボイムが2009 年以来の2 度目の登場) ではアンコールの定番であるが、もともとは、1866 年の普墺戦争で大敗し、 失望の底に沈んだウィーン市民を慰めるために作曲されたようだ。当初は合唱用として書かれたが反響がよくなく管弦楽用に書き直した ところ1867 年のパリ万博などで高い評価を受けたことから再評価され、「第二の国歌」「シュトラウスの最高傑作」としての名誉を博す るようになった。
 曲は弦楽器のトレモロに乗ってホルン* が静かに主題旋律を奏し、ドナウ川の源流(ドナウエッシンゲンにある「ドナウの泉」)と黒い 森の情景が描かれる。次第にワルツに発展しニ長調の有名な主部となる。その後、明るい5 つのワルツが連結された後、主部が再現され、華やかなコーダとなり、終わる。
 花巻には北上川が流れ、北海道には石狩川や十勝川、天塩川が流れています。ふるさとの景色には川が似合う。チェコのヴルタヴァ (モルダウ) 川や今回演奏するドナウ川も同様で、時のが移り変わっても泰然自若とした「母なる川」を見るとどこかホッとする。
*ウィーン・フィルでは通常のホルンとは違い、伝統的なウィーンナホルンを使用している。 特殊なヴァルブとF 管の倍音豊かで滑らかで芳醇な音色が出る。 

ボロディン(Alexander Borodin)1833-1887 作曲
歌劇「イーゴリ公」より" ダッタン人の娘の踊り"" ダッタン人の踊り"
Polovtsian Dances from Prince Igor 1890

  この曲名を聞いて「だったんソバ」との関係は?と思った方も多いのではないか。中国からパキスタン北部まで広く分布し、ルチン含有量が普通ソバの100 倍ということもあり健康ブームで口にした方も多いかと思う。日本では北海道( 当麻町、士別市、森町、八雲町) や長野県北部でも栽培されている。
 1890 年初演の歌劇「イーゴリ公」は、様々な民族・宗教を擁する雄大なロシアを、異国情緒溢れるボロディンの音楽に乗せて描ききったスペクタクル大作である。「イーゴリ遠征物語」という南ロシア(現ウクライナ)で実際にあった史実に基づきドラマ化した作品である。  時は1185 年、南ロシアのイーゴリ公は、不吉な前触れに出陣を止める妻を振り切って、息子と共に遊牧民族ポーロヴェツ(ダッタン人*)との戦いに赴くが、戦に負けて捕虜の身に。しかしダッタン人の頭目、コンチャーク・カンは、敵ながら尊敬するイーゴリ公を手厚くもてなし、恋に落ちた自分の娘とイーゴリ公の息子の結婚も許す。そして最後には脱走するイーゴリを追討しない…
 曲は、はじめに「ダッタンの娘たちの踊り」と題された短いながらも活気にあふれた舞曲に始まり、続いて5つの部分からなる「ダッタン人 の踊り」になる。第1 部は「若い奴隷女の踊り」オーボエによる美しい旋律、第2部は「荒々しい男達の踊り」クラリネットが速い動きを 見せる。第3部は「ダッタンの奴隷たち全員の踊り」荒々しく勇壮な舞曲、第4部は「少年たち・娘たち・若い男たちの踊り」さらに野生的で、激しいリズムが加わる。「少年たち・男たち・全員の踊り」続いて第1部の旋律が現れます。第5部では、第2部の旋律も加えられ、さらに熱狂的な盛り上がりを作り上げ曲を閉じる。
 ロシア5 人組の一人でこの曲の作曲者・ボロディンの中心的な仕事は化学者。いわゆる「日曜作曲家」を自称し、多くの作品を残したわけではないが、他にも交響詩「中央アジアの草原にて」という名作も残している。古典的な作曲方法にとらわれず、どこか異国情緒に溢れたメロディと大胆なハーモニーや作風は、近代印象派( ドビュッシーやラヴェルなど) にも大きく影響を与えたという。歌劇「イーゴリ公」はボロディンの未完成作品で、死後に彼の草稿をもとにグラズノフやリムスキー=コルサコフの補筆によって完成され初演された。
*韃靼人は、" タタール人"を中国式に表記したもので、「イーゴリ公」に登場する民族(ポーロヴェツ人)とは異なる民族である。ポーロヴェツ人は、11 世紀に黒海北岸からベッサラビア(現モルドバ)の方面に遊牧していたテュルク系遊牧民たちのことで、  東欧史ではクマン人とも呼ばれる。ポーロヴェツ人は、13 世紀のモンゴル侵攻によってハンガリー方面に逃れ、ハンガリー人に  同化していき姿を消した。
金星少年少女オーケストラとの共演曲
ウッドハウス ばらのつぼみ
 花巻市には東北屈指のバラ園が花巻温泉にあると聞いている。同園には450 種、6,000 株のバラが6 月上旬より10 月中旬まで鮮やかに咲き続けるとのこと。その馥郁とした香りは、市民や訪れる方を歓迎し癒してくれることであろう。この曲も優雅なワルツに乗って人々を楽しませてくれる。作曲のウッドハウスはスクールオーケストラの作編曲に携わりその発展に大いに貢献している。
ビゼー カルメン行進曲
  お馴染みのメロディーは、ビゼー作曲の歌劇「カルメン」より第1 幕への前奏曲。闘牛士の入場行進に続き、中間部は「トレアドール」と歌われる闘牛士の歌だ。原作者のメリメも作曲者のビゼーも「一度もスペインには行ったことがない」そうである。フランス人2 人の見事な想像力には説得力がある。数あるオペラ作品でも非常に人気の高い曲である。
ヴェルディ アイーダより凱旋行進曲
  本年はヴェルディとワーグナーの生誕200 年でもある。舞台はファラオ時代のエジプトとエチオピア、2 つの国に引き裂かれた男女の悲恋が描かれ、この凱旋行進曲は第2 幕第2 場で演奏される。メロディーは単独でも有名。サッカー応援では欠かせない曲となっている。エジプトを舞台にしたオペラは2 つある。「アイーダ」とモーツァルトの「魔笛」である。今日1/27 は偶然にもモーツァルトの誕生日。
(以上の解説 事務局:助乗)

牧野時夫 ( まきのときお)  1962 〜
宮沢賢治 ( みやざわけんじ) 1896-1933 作詞作曲
「星めぐりの歌」による幻想曲 2012 *初演

 賢治は大の音楽好きであり、羅須地人協会を設立してからは農民にも教えようと、東京までチェロや オルガンを習いに行ったりもした。クラシックのレコード収集家であったこともよく知られているが、 農学校教師の時代には学生たちのために何曲もの歌を作曲した。クラシックの名曲や讃美歌に替え歌のように歌詞をつけただけのものもあり、その中には自筆の楽譜として残されたものもあるが、作曲された ものは、どれもきちんと楽譜に書かれたものではなく、周囲の人たちによって歌い継がれたものを、後世の人が採譜して現在残されているという ことのようだ。その中で「星めぐりの歌」は童話「双子の星」の中で歌われる歌として作られ、彼の歌曲の中で最も有名なものである。ところが、大正時代に東京有楽座で上演された「カルメン」の挿入歌として作られた北原白秋作詞、中山晋平作曲の「酒場の唄」に、前半部分は瓜二つなので、賢治はこの歌を聴いて影響された可能性は十分にある。彼は作曲という意識もなく作ったのであろうが、自作の曲として発表していれば、盗作騒ぎになっていたようなものだ。
 いずれにしろ、賢治の歌曲は、どれもあまり和音進行に変化のない一本調子のものばかりであり、西洋音楽をきっちり勉強した人からみたら、少し不完全で変な感じがするものも多いのだが、逆にそこに何となく不思議な魅力もある。彼の童話同様、 日本風でも西欧風でもない国籍不明の感じもある。私は、この「星めぐりの歌」の旋律に新たな和声をつけて、新しい魅力を加えようと努めた。またもう一つ、花巻市民に馴染みの歌として「精神歌」という曲があることを知り、これも一部取り入れてみた。これは賢治が花巻農学校の生徒に歌わせるために作詞をし、盛岡高等農林の学生であった友人の川村悟郎に作曲を依頼したもので西欧讃美歌風の旋律をもっている。これを「星めぐりの歌」の対旋律に使ってみたら意外にもうまく合ったので驚いた。また、星に関係する有名な曲(聴きながら探してみてください)の断片も織り込んだり色々と遊びも試みたが、天空を巡る幻想的な雰囲気と、科学や宗教を探求し四次元宇宙にまで思いを馳せた賢治の深遠なる世界を、少しでも音楽で表現しようと試みた。                     

ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)1770-1827 作曲
交響曲第6 番「田園」ヘ長調 作品68  1808
Sinfonie Nr. 6 F-Dur op.68 (Pastorale)

 交響曲第6番は、1801 年夏、ベートーヴェンがその風景をこよなく愛していたウィーン郊外ハイリゲンシュタットで作曲され、田園 交響曲(シンフォニア・パストラーレ)という題と、楽章ごとにも表題がつけられている。第5番と同時期に作曲され、初演も1822 年 12 月の同日に行われたが、この2曲はまさに対照的な性格を持つ。のちに「運命」と呼ばれることにもなる第5番が、苦悩から歓喜へ という人間の内面を、自身の人生にも照らし合わせて描き、一音の無駄もなく凝縮され精神的な迫力をもっているのに対し、第6番 「田園」では、人間を包み込む自然をベートーヴェン自ら田園地帯にしばらく身をおいて描きだしてみせた。
 自然は常にのどかで優しいばかりではなく、試練を与えるような激しい嵐もあるが、嵐はいずれ過ぎ去り、雨は大地を潤し恵みに満ちた 光かがやく太陽も現れる。そういう厳しさと優しさをもった自然に対する感情をベートーヴェンは見事に描き、全体的に明るさと開放的な 安らかさに溢れている。唯一自身で表題をつけた交響曲であって、鳥のさえずりや小川のせせらぎ、とどろく雷鳴やうちつける暴風雨など、田園光景が目に浮かぶ絵画的なところも随所にあり、我々にぴったりの農民たちの楽しい踊りを表した楽章もある。しかしながら、彼自身はこの曲について、「絵画ではなく、感情を表現したもの」と語っている。この2つの交響曲は、交響曲というもの自体、もはや単なる形式的絶対音楽ではなく、人々に感情を通して精神性を訴える、思想性をもった音楽のジャンルであることを確立した、音楽史におけるエポックメイキングなものであったと言えるだろう。
 この2曲は相反する性格を持つ反面、共通する点も多く持つ。その冒頭、「運命」の速いテンポのff、「田園」の中庸なテンポのp という 対照的性格はあるものの、8分休符のあとに「タタタター」と入るところは全く同じ。そして、このモティーフだけを提示して一旦フェル マータで終始してから本格的に曲が始まるところや、展開部での広がりなど、構成上も双生児と言える。また、「田園」は珍しく5つの楽章で構成されているが、通常の第3楽章と終楽章の間に短い楽章が一つはさまった形で第3楽章から終楽章まで続けて演奏され、この点でもやはり第3楽章から第4楽章になだれ込むように続けて演奏される「運命」と同様の作りになっている。

 第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」 アレグロ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調  4 分の2 拍子 ソナタ形式 第1主題は晴朗で親しみやすいメロディーで、田舎に着いた時の晴れ晴れした愉快な気分が表現される。 流れるような第2 主題は第1ヴァイオリンで提示され、展開部は第1 主題を中心に展開され、第1 主題の動機が巧みに利用される。再現部は第1 主題が第2ヴァイオリンとヴィオラで再現され、第2 主題、コデッタも型どおりの再現。第1 主題に始まるコーダも長大なものだが、楽章全体を通して明るく平和に満ちたものとなっている。
 第2楽章「小川のほとりの情景」 アンダンテ・モルト・モッソ 変ロ長調  12 分の8 拍子 ソナタ形式 様々な楽器により流麗で長閑なメロディーで小川のほとりの情景が表現され、楽章を通して小川のせせらぎの音が弦楽合奏で奏でられる。コーダは鳥のさえずりの掛け合いで始まり、フルートはナイチンゲール(夜鶯)、オーボエは鶉、クラリネットはカッコウの声を模倣する。
 第3楽章「農夫達の楽しい集い」 アレグロ ヘ長調  4 分の3 拍子 スケルツォ  ABABA の構成で2 拍子のB 部を挟むというオーストリア田舎の舞踊音楽の形をとる。スケルツォは、ベートーヴェンが交響曲の中間 楽章として、従来使われていたメヌエットのような洒脱な舞曲に代えて、内面の葛藤を描くのに適した激しい楽章として第1 番の時から 取り入れたものだが、この曲ではそのスケルツォが従来のメヌエット楽章に近い舞曲的に扱われている。音域の狭いオーボエの旋律に、 変なタイミングで入るファとドの音しか出せないファゴットなど、いかにも田舎の楽隊といった感じで、かなりユーモアも効いている。
 第4楽章「雷雨、嵐」 アレグロ ヘ短調  4 分の4 拍子 特に形式はない。 本楽章のみピッコロとティンパニが加わり、トロンボーンもここから最終楽章まで加わる。楽しい農民の集いを突然襲った昼下がりの 激しい雷雨の様子を活写する。低弦が遠雷の様子を、中高弦・木管が怪しい風音・閃光と雨足を、金管とティンパニが激しい雷鳴と大地の鳴動を表現する。それにしても、本来どちらかといえば鈍重な楽器であるコントラバスをこれほど激しく動かすとは、ベートーヴェン 先生、少々サディスティックなところもあるようだ。最終部では雨足が遠のき雷雲が去り、晴れ間が差した清々しい麗らかな田舎の情景 が奏でられ、フルートの澄んだ旋律が流れる。
 第5楽章「牧人の歌−嵐のあとの喜ばしい感謝に満ちた気分」 アレグレット ヘ長調  8 分の6 拍子 ロンドソナタ形式 雨が上がり恵みの太陽が輝いて、自然への畏敬と感謝の牧歌が歌い上げられる。従前の作品では終楽章に気分の高揚するアレグロのテンポを取ってきたベートーヴェンが、この曲ではアレグレットという中庸のテンポを採用し、パストラール(田園曲)の典型的なリズム である6/8 拍子のリズムとも相まって、長閑で穏やかな牧歌の印象を際立てている。牧笛を模したクラリネットと森の楽器ホルンによる 導入句が象徴的。コーダは全体の4 割を占める長大なもので、穏やかな内に鐘の音を模倣した弱音器を付けたホルンのフレーズによって全曲が閉じられ、心鎮まり満たされた気分で聴き終えることができる。
 農民オケの第1回旗揚げ演奏会の曲目も、この「田園交響曲」だった。もちろん、農民オーケストラの原点である宮沢賢治の作品「セロ弾きのゴーシュ」で、賢治の化身でもあるゴーシュが金星音楽団で一生懸命に練習した曲目が、この第六交響曲だったからである。  賢治は田園を散歩するベートヴェンの肖像の真似をして、ベートーヴェンと同じようなマントをまとい同じ格好で写真撮影までしている。 この夏、私は演奏会の準備のために花巻を訪れた際、現在花巻農業高校の敷地に移転されている羅須地人協会(当時の農民たちには「農民芸術学校」と呼ばれていたらしい)の建物前にある、そのベートーヴェンの真似をした賢治の銅像の前で、同じポーズをとってデジカメで記念撮影をした・・・
 私の次なる目標は、賢治の遺志を継ぐべく、現代において「農民芸術学校」を復活させることなのである。
 (以上の曲目解説:代表の牧野) 

■出演者プロフィール

指揮 : 牧野時夫    1962 年大阪府生まれ、山梨県で少年時代を過ごす。4 歳よりヴァイオリン、ピアノを習う。北海道大学農学部卒業、同大学院修士課程修了(果樹蔬菜園芸学)。北海道大学交響楽団、北海道交響楽団、山梨交響楽団でコンサートマスター、岡山交響楽団でアシスタント・コンサートマスターを務める。
 本州のワイン会社にてブドウの栽培・育種の研究後、1992 年余市町に有機農園「えこふぁーむ」を開設し、ブドウを中心に数百種類の果樹・野菜を無農薬栽培。1994 年日本有機農業研究会の仲間と共に、北海道農民管弦楽団を設立、同代表・指揮者、 作・編曲も行う。余市室内楽協会代表・コンサートマスター、CFバロックアンサンブル・コンサートマスター。また小樽室内管弦楽団との共演、学校や施設でのコンサート等、道内各地で年間30 回ほどの演奏活動を行っている。北海道有機農業研究会運営委員、しりべし なんでも百姓くらぶ会員、日本グルントヴィ協会会員、宮澤賢治学会会員。  

指揮 : 南 紳一   東京都生まれ。都内の小学校で音楽を教えていた母親の影響で、幼少より音楽を学ぶ。都立高校卒業後、師事していた千葉国夫氏(芸大教授・NHK交響楽団)の勧めで、ウィーン国立音楽大学へ5年間留学(クラリネット、ピアノ、指揮)して、帰国後は全日本学校音楽研究会の指導者として群馬県を中心に小中高校の教員と生徒を指導する傍ら、1983年(昭和58年)群馬県太田市に「こどものオーケストラ」を設立し、現在アジアを中心に約30か国の青少年オーケストラの指導や交流を続けている。

管弦楽:北海道農民管弦楽団  1994年8月余市で開催された日本農業研究会北海道グループ学習会において、オーケストラで演奏したくてうずうずして いた脱サラ百姓3名の酒席での話がとんとん拍子に進み、翌年1月の「田園交響曲」演奏会へと開花した。以降年々仲間を増や しながら、毎冬1回の道内各地での公演を続けている。農業が土を耕す行為であれば、音楽は心を耕す行為である。宮澤賢治が 『農民芸術概論綱要』で述べた理想に基き、彼が果たしえなかった農民オーケストラを現代に蘇らせる試みでもあり、真の芸術 とは何かを追求する志高い楽団である。昨年は初の海外演奏公演をデンマーク国内2ヶ所にて実施し、大成功を収める。 平成12 年度 第6回ホクレン夢大賞を農業応援部門で受賞、平成19 年度 第15回北海道地域文化選奨特別賞を受賞。第1 回 ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞受賞をし花巻公演と陸前高田での音楽教室を実施。

管弦楽:東北農民管弦楽団  東北農民管弦楽団は、東北6県の農家や、農政職員、農業研究機関職員、獣医、農学部の学生や卒業生、お米屋さんや味噌製造業など農業に関係するメンバーが集まって1月6日に設立されたばかりです。現在団員はまだ44名ですが、来年2014年2月には第1回目の定期演奏会を行おうとメンバー一同張り切っております。その後は、毎年冬に東北のいずれかの県で1回定期演奏会を開いていく予定です。東北6県にメンバーがいることから、練習は東北の中央付近ということで花巻で行い、毎年農閑期の冬にだけ集まる期間限定のオーケストラです。まだまだ団員を募集しております。農業に関係していると思われる方、経験・技術などのレベルは問いませんのでお気軽にご連絡ください。< 東北農民管弦楽団設立発起人 チェロ 野菜農家 弘前市 白取克之>

弦楽合奏:金星少年少女オーケストラ  2011年5月、花巻市内で音楽教室を主宰する玉山朱美さんに、1通のメールが届きました。群馬県を中心に、20年以上活動を 続けている、ぐんまジュニアオーケストラの総監督、南紳一さんからのメールで、「アジア各国から、震災復興に役出ててほしいと、バイオリンの寄付の申し出があり、その楽器を使って花巻に子供たちのオーケストラを作りませんか? との内容でした。南さんは、アジア各国にジュニアオーケストラの設立指導にかかわった経験があり、その関係者から日本の大震災復興に、音楽で援助したいと、シンガポールやベトナム、韓国から90台を越える楽器寄贈の申し出を受けており、その楽器を使って東北の被災県でオーケストラを作って指導したいが、沿岸部は無理なので、避難先にもなっている花巻はどうだろう、というお話でした。さっそく、花巻市に相談、花巻市で楽器の寄付を受け、花巻市文化団体連絡協議会でその楽器を借り、同協議会役員の多田貢を代表にしての運営を行うということで、花巻市の了解を取り付け、発足の準備に取り掛かりました。8月花巻市役所で贈呈式が行われ、9月から花巻交流会館で月2回の練習、指導の南さんは、自費で群馬から指導に通い、3月に第1回の演奏会を行う計画で花巻市内の小中学生を対象に団員募集も開始したところ、9月7日の発会式には予想を上回る95名が集まり、「金星少年少女オーケストラ」がスタートしました。
 オーケストラの名前は、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の主人公ゴーシュが所属する金星音楽団にちなみました。3月11日、震災からちょうど1年目に花巻市文化会館大ホールで〜アジアに響け 感謝の音色〜と銘打った初コンサートを開催しました。当日は、同じ花巻で音楽を楽しんでいる、イーハトーブこども合唱隊、花巻ジュニアスィングオーケストラの皆さんの賛助出演、ぐんまジュニアオーケストラの100人、ぐんま国際合唱団の50人の参加をいただいて、800名あまりのお客様にすばらしい演奏会を行うことができました。4月以降、新しい団員を加えて、50人でスタート。 指導者に、盛岡の寺崎巌氏も迎え、月4回の練習、7月、韓国の海洋博に5名の団員参加、8月イーハトーブ音楽祭、10月には、花巻市民芸術祭や宮沢賢治記念館20周年コンサートでチェリストの藤原真理さんと一緒のステージで演奏、など精力的に活動中。現在は、3月の第2回演奏会に向けて練習を続けている。

■出演者&スタッフ

・ 指揮者:牧 野 時 夫(北海道・余市町)、南 紳 一(群馬県・大泉町)

・第1ヴァイオリン
☆野 村 聡(北海道・千歳市) 井 坂 有美子(北海道・札幌市)
 古 谷 甫(北海道・小樽市)小 泉 雅 広(北海道・小樽市) 水 谷 侑 子(北海道・小樽市)
 山 口 夏 樹(北海道・札幌市)松 原 寿 晴(北海道・札幌市)
栗 嶋 和 巳(北海道・札幌市) 橋 田 栄(北海道・札幌市)
木 下 澄 代(デンマーク・シルケボー市) 長 尾 公 彦(千葉県・浦安市)
開 勇 人(岩手県・盛岡市) 金 谷 真 希(岩手県・盛岡市) 水 本 淳 一(岩手県・矢巾町)
 安 部 真由子(南城小4 年)大 沼 風 華(南城小5 年)菊 池 渓 花(宮野目小6 年)
高 橋 ひかる(八重畑小6 年)都 島 由衣乃(北上中1 年)

・第2ヴァイオリン
◆久保田 睦(北海道・札幌市)金 田 勇(北海道・札幌市)
金 子みどり(北海道・札幌市)室 谷 将 人(北海道・帯広市)
中 岡 亮 子(北海道・余市町)廣 田 洋 子(北海道・小樽市)
石 川 真 滋(北海道・池田町) 高 橋 幸 治(北海道・当別町) 須 藤 廉太郎(北海道・札幌市)
鎌 田 凛音(宮野目小3 年)菊 池 涼 平(宮野目小3 年) 佐 藤 文(矢沢3 年)
長 岐 和 哉(宮野目小3 年)岩 舘 佑 奈(南城小4 年)大ケ生 瑛 音(宮野目小4 年)
鈴 木 葵 唯(花巻小4 年)都 島 未 遠(黒沢尻西小4 年) 菊 池 雅 紅(宮野目小5 年)
中 島 香音里(湯本小5 年) 桜 田 菜々海(八幡小6 年)相 場 崚 汰(花巻北中2 年)

・ヴィオラ
◆三 林 光(北海道・室蘭市)寺 島 佑 衣(北海道・札幌市)
 古 谷 洋 子(北海道・小樽市) 花 本 威 士(千葉県・千葉市)
 佐藤 華奈子(北海道・札幌市)渡 邉 雅 美(北海道・江別市)
 小 川 文 子(岩手県・矢巾町) 白 澤 孝 子(岩手県・矢巾町)
 尾 ア 日向子(桜台小5 年)鎌 田 夏 鈴(宮野目小5 年)
 千 田 優 芽(南城小5 年)吉 田 祐 菜(桜台小5 年)

・チェロ
◆石 埜 正 穂(北海道・札幌市) 平 野 令 緒(秋田県・湯沢市)
 越 智 恵美子(北海道・札幌市) 山 口 恭 平(北海道・江別市)
 鈴 木 絵理奈(北海道・札幌市)佐 藤 恵 理(北海道・札幌市) 白 取 克 之(青森県・弘前市)
鎌 田 亜 美(湯口小6 年) 菊 池 颯 真(宮野目小6 年) 伊 藤 大 純(花巻中1 年)

・コントラバス
◆駒 野 明 子(北海道・札幌市) 茂 垣  匠( 北海道・江別市)
堀 澤 真美子(北海道・札幌市) 二 宮 一 敏(埼玉県・さいたま市)

・フルート
◆中 島 夕 里(北海道・札幌市) 松 田 有希子(千葉県・千葉市)
星 野 彗 一(北海道・岩見沢市)石 川 亨(岩手県・花巻市)
増 山 裕 子(宮城県・仙台市)冨 永 陽 子(岩手県・盛岡市)

・オーボエ
◆根 本 千香子(北海道・岩見沢市) 石 田 浩 子(北海道・小樽市)

・クラリネット
◆大久保 陽 子(北海道・札幌市) 伊 藤 章 博(北海道・札幌市)
 小 川 紗也加(青森県・弘前市)

・ファゴット
◆皆 木 友 和(北海道・北広島市)  渡 邊 愛 梨(北海道・札幌市)

・ホルン
◆♭助 乗 慎 一(北海道・札幌市) 笠 小 春(北海道・余市町)  正 源 雪(北海道・札幌市) 高 田 伸 子(北海道・北斗市)  山 本 遥(北海道・余市町) 岡 村 雄 一(北海道・札幌市) 高 橋 瑞 恵(岩手県・北上市)

・トランペット
◆佐 藤 導 謙(北海道・下川町) 川 合 拓 男(北海道・芽室町) 菅 原 卓( 岩手県・遠野市)

・トロンボーン
◆土井上 輝 夫(北海道・中標津町) 浅 田 真(北海道・音更町)
 奈 良 正 浩(北海道・森町) 森 田 重 樹(北海道・美深町)

・チューバ
◆小 関 宏 樹(北海道・美幌町) 相 馬 貴 之(青森県・弘前市)

・打楽器
◆溝 延 学(北海道・岩見沢市)近 田 亜佐子(北海道・札幌市)
 大 山 雅 世(北海道・札幌市)田 中 宏 典(北海道・江別市)
 土井上 和 彦(北海道・中標津町)鈴 木 強 史(岩手県・滝沢村) 山 本 豊(青森県・青森市)

・ピアノ
 土井上 智 彦( 北海道・中標津町)

・ステージマネージャー
 二 村 宣 行(東京都・千代田区) 大 橋 証 太(山梨県・甲府市)
☆コンサートマスター、◆パートリーダー、♭インスペクター

・花巻公演実行委員会
実行委員長:林 正文
副委員長:牧野時夫
実行委員:藤根正悦、多田 貢、白取克之、水本淳一、小川文子、白澤孝子、真嶋 実
     村田浩一、菊池洋子、伊藤達也、石川 亨、平野令緒、佐々木奈津江、助乗慎一(事務局)

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