第17回 江別公演プログラム北海道農民管弦楽団 第17回定期演奏会(デンマーク演奏旅行プレ公演)
日時:2011年1月30日(日)13:30開場/14:00開演
会場:江別市民会館 大ホール
主催:北海道農民管弦楽団
協力:酪農学園大学室内楽団、酪農学園大学吹奏楽団、江別吹奏楽団、 山口太鼓流北海若衆太鼓
後援:江別市、江別市教育委員会、学校法人酪農学園、 ホクレン農業協同組合連合会、道央農業協同組合江別支所、 NPO法人江別文化協会、NPO法人えべつ楽友協会、北海道新聞社

■ごあいさつ

  

 北海道農民管弦楽団 代表 牧野 時夫


 本日は、北海道農民管弦楽団(通称:農民オケ)の演奏会に足をお運び下さいまして、誠にありがとうございます。このオーケストラは、全道各地の音楽を愛好する農家を中心に、農業試験場の研究員や、農政に携わる人、農協職員、農学関係の教職員や学生など、農業を支える多くのメンバーが集い、農閑期だけに活動するという、世界でもおそらく唯一の、とてもユニークなオーケストラです。創立以来17年間、道内各地で年1回の演奏会を開催してきましたが、江別市での公演は1998年に第4回定期演奏会を開館間もない「えぽあホール」にて開催して以来13年ぶりになります。

 この度、農民オケは、初の海外公演をデンマークで開催する運びとなりました。このデンマーク公演は、デンマーク式の農業と教育システムを北海道に導入すべく黒澤酉蔵により設立された酪農学園関係者の多大なる協力によって実現に至ったものです。そして、この演奏旅行には、酪農学園室内楽団に所属する学生・教職員がメンバーとして多数参加しますし、酪農学園の卒業生で過去にデンマークで農業研修の経験のあるメンバーも参加いたします。今回の江別公演は、デンマーク演奏旅行(2月10〜17日)に先立つ国内プレ公演という位置付けで、デンマークの農業地帯であるユトランド半島にある2箇所で開催する演奏会(シルケボー室内オーケストラとのジョイント公演、および酪農学園とわの森三愛高校の研修先になっているカロー農学校での音楽教室)で取り上げるプログラムの曲目を、酪農学園のお膝元である江別市の皆様にも聴いて頂きたいということで開催することになったものです。

酪農学園の理念となっている三愛主義(神を愛し、人を愛し、土を愛す)は、デンマークの国造りの基礎となっている思想であり、これはデンマークで最も尊敬されている思想家グルントヴィと、その意思を受け継いだコルという教育家によるものです。彼らは、農民自らが主体となる民主国家を築くためにフォルケホイスコーレという農民のための学校を創り、それが日本にも受け継がれ、宮澤賢治が農民芸術についての講義を受け持った花巻の国民高等学校や、北海道の酪農学園など、大正から昭和初期にかけて、全国各地にその理念を引き継いだ沢山の学校ができました。日本で最初に農民のオーケストラを作ろうとした宮澤賢治にも、実はデンマークの思想が引き継がれていたわけです。その宮澤賢治の遺志を現代に蘇らせるべく誕生した北海道農民管弦楽団が、今こうして酪農学園の力を借りてデンマークへ演奏旅行に行くということは、いわば原点に帰る旅でもあるわけです。

この三愛思想によってデンマークは、日本が明治維新で富国強兵の国家を目指している時に、農民主体の民主国家を作り上げました。そして気候の厳しい北方の小国(人口は北海道とほぼ同じ500万人強、面積は半分ほどだが、ほとんど山がなく全土が平地)ながら、現在でも農業・環境・福祉・デザインなど多くの分野で世界の最先端を走り、国民一人当たりの所得もトップクラス(日本はこの10年間でぐっと低下した)を維持し、国民の生活満足度は世界一と言われています。我々日本にも、もちろん誇るべきものは沢山あるわけですが、まだまだデンマークから学ぶべきものは多いように思います。

さて、農民オケのメンバーは、不況下で農業に対する風当たりも強く年々厳しい状況にさらされて、なかなか報われない労働の傍らでも、時間をさいて楽器をさらい、農閑期に道内各地から吹雪の中を何百キロも移動し、札幌に集まって練習を重ね、手弁当で道内各地に出かけて演奏会を開くという活動を続けてきました。これは、決して簡単なことではありません。それでも、ここまで続けて来ることができたのは、我々がオーケストラ音楽というすばらしい芸術に出会い、それを実践する歓びを知っているからだけでなく、その感動をより多くの人にも共有してもらいたいと強く願っているからです。農家がこのような音楽をやるということを、変わっていると思われるかもしれませんが、農業と音楽は決して無関係なものではありません。大地に生きる者こそが表現できる音楽というものも、あるのではないかと思っています。そのようなものを、今日聴きに来ていただいた皆様にも感じていただくことができれば、望外の喜びであります。

農閑期とはいえ、長期に留守にするのは大変な中で、時間と費用を捻出してデンマークへ行くことは、団員にとっても大きな決断を強いられるものでありました。実現に至るまでには、乗り越えなくてはならない幾多の障害もありました。そのような様々な困難も乗り越える大きな期待に、今の我々は胸をふくらませています。北海道農業の一つのモデルでもあり、また農民オーケストラの原点とも言えるデンマークを実際に訪れ、現地のアマチュア音楽家や農家と交流することが、日本とデンマーク両者にとって有意義なものになると確信しています。そのような我々の意気込みを含んだ今日の演奏を、皆様にも大いに楽しんでいただけたならば幸いです。


■曲目解説

モーツァルトWolfgang Amadeus Mozart  (1756〜1791)作曲  
歌劇「魔笛」序曲 K.620(1791)

    2幕から成るドイツ語の大衆オペラ(ジングシュピール)「魔笛」は、モーツァルトが最後に作曲したオペラの大作です。彼は、ウィーンにおける初演の2ヶ月余りの後、わずか35歳で世を去りました。
 あらすじ:最愛の娘パミーナを悪者に奪われた夜の女王が、自分の領地に迷い込んできたタミーノという異国(実は日本)の王子に娘を救い出すことを頼みます。鳥刺しのパパゲーノが嫌々ながら旅のお供をします。その際、タミーノには魔法の笛、パパゲーノには魔法の鈴を与えます。2人は3人の童子に導かれてパミーナの捕らえられている城に着くのですが、実は女王の言う悪者というのはイシス、オシリスの両神に使える高僧ザラストロでした。彼は悪い母親(夜の女王)からパミーナを保護し、心を導く男と出会わせるために、彼女からパミーナを奪ったのでした。ザラストロはタミーノを見込み、タミーノとパミーナに結ばれるための厳しい試練を与えるのですが、2人は魔法の笛の助けでその試練を乗り越えてめでたく結ばれ、嫌々ながらついてきたパパゲーノもついでに試練を受け、魔法の鈴のおかげでかわいい彼女パパゲーナをもらって幸せいっぱいになります。途中で善玉と悪玉が入れ替わる少し複雑な展開ですが、最後に夜の女王たちが地獄に落ちて、めでたしめでたしというお話です。
 荒唐無稽な御伽噺のようでもありますが、この曲は、モーツァルトも所属していた秘密結社フリーメイソンの会員であった、旅芸人一座の座長シカネーダーという人物により依頼されたものであり、この物語には、随所にフリーメイソンの思想を象徴する様々な意味が込められているようです。
 序曲の音楽は、歌劇本編で用いられている様々な曲をモチーフにして構成されていますが、冒頭と中間部に現れる和音は、フリーメイソンにとって重要な「3」という数字を現していて、各々3つの音による和音が3回鳴り響きます。
  全体は、導入部を持ったソナタ形式で書かれており、後半では主題が魔法にかけられたように次から次へと姿を変え、最後は全奏で華やかに終わり、第一幕を導きます。「フィガロの結婚」序曲と共に、モーツァルトの序曲の中でも人気が高く、最もよく演奏される曲です。
  この曲は、デンマークではシルケボー室内オーケストラ(弦楽合奏団)と合同で演奏することになっています。

アンダーソンLeroy Anderson (1908-1975)作曲
「シンコペーテッド・クロック」The Syncopated Clock (1946)
「ワルツィング・キャット」The Waltzing Cat (1950)
「そりすべり」Sleigh Ride (1948)

  これらの曲は、アーサー・フィドラー率いるボストン・ポップス管弦楽団のために書かれ、彼の作曲した数多くの小品は、今ではアメリカ国内のみならず、ヨーロッパや日本でも大変に親しまれる曲になっています。アンダーソンは、クラシック音楽を演奏するオーケストラによるポップス・クラシックというジャンルを確立しましたが、このジャンルでは今でも彼に敵うものはないでしょう。
 どの曲もアメリカらしいジャズ的な乗りのよいセンスと、見事なオーケストレーションで書かれていますが、何よりも大変ウイットが効いていて、これらの3曲はどれもオチまでついています。
 「シンコペーテッド・クロック」では、ウッドブロックとトライアングルにより表現される目覚まし時計は、何かちょっと調子がおかしいのですが、最後にゼンマイが壊れて時計が止まってしまいます。
 「ワルツイング・キャット」では、優雅に踊る猫たちの舞踏会が、最後に招かれざる犬の出現で混乱に陥りおしまいになってしまいます。
 「そりすべり」は、子どもの乗って遊ぶ小さなそりではなくて、馬の曳く馬橇ですが、途中スピードを増して調子よく走りますが、だんだんスピードを緩めて、最後には御者が手綱を引いて、トランペット奏者による見事な馬のいななきで橇が止まります。  これらの曲は、デンマーク第2の都市オーフスの近郊にあるカロー農業学校というところで演奏する予定です。この学校は有機農業を教える学校で、有機農業の基本である有畜循環農法には酪農学園も創立以来取り組んでおり、とわの森三愛高校の酪農科の学生が、毎年この学校に研修旅行に行っています。
 デンマークでは20〜40代くらいの若い世代が余りクラシック音楽をやらず、ジャズやロックが非常に盛んなようですが、再び10代の若者がクラシックに少しずつ戻ってきているとのことで、我々の演奏が、そんな彼らにまたクラシック音楽の良さを知ってもらう機会になれば、願ってもないことです。  

牧野時夫 MAKINO Tokio (1962〜)作曲
  独奏ヴァイオリンと管弦楽のための 「北海道奇想曲」Capriccio Hokkaidia (1998)

 この曲は、私がこの農民オケで自ら演奏するために書いた初めてのオーケストラ作品です。西洋の古典音楽を演奏するだけではどうしても表現しきれないものがあり、現代日本に生きる農民として表現せずにはいられないというものを曲にしてみたつもりです。技巧的なヴァイオリン独奏が活躍する民族的な音楽という意味では、現代日本版のツィゴイネルワイゼンといったところでしょうか。頭の痛くなるような現代音楽ではなく、かといって通俗的で陳腐なポピュラー音楽でもないものを目指しています。余りにも、そういう曲が存在しないので、自分で書くしかなかったのです。北海道民謡や、アイヌ民謡も採り入れていれているのですが、ドヴォルザークと同じように、民謡をそのまま使うのではなく、自分なりに消化して使うようにしました。アイヌの音楽には、日本民謡にはないような独特のリズムや音感覚があるので、北海道ならではの音楽ということで、そうした要素を積極的に取り入れてみました。
 そしてまた、オーケストラの通常の打楽器に加えて、日本の打楽器である宮太鼓、締太鼓、摺鉦(すりがね、チャンチキ)も用い、またオーケストラに元々ある楽器で、箏、三味線、笙などの和楽器を模してみたところも随所にあります。
 もちろん、基本的には西洋音楽のスタイルを踏襲して書かれていますが、それはすでに西洋だけのものでは全くないし、世界中の人々に受け入れられるためには欠かせないものです。私自身が、子供のときから身に着けてきた音楽でもあります。しかし、それだけでは真似事に過ぎませんから、そこにプラスして日本人や北海道人としてのアイデンティティーやローカルなものがなければ、世界に通用する価値もないのだと思います。しかし、そういう民族的なもの以上に、自分が美しいと思う音の響き、そういったものを一層重視して作曲していますから、私の好きなフランスの作曲家のドビュッシーのような響きも聴き取れるのではないかと思います。
 今回のデンマーク公演では、日本の、できれば北海道の曲を演奏しなくてはならないと思い、せっかくなので1999年に札幌コンサートホールKitaraでの初演以来眠っていたこの曲を再演することにしました。
 今回、和太鼓は、江別の団体からお借りいたしましたが、ヨーロッパでも和太鼓はブームになっているようで、コペンハーゲンにも和太鼓サークルがあり、演奏旅行ではそのサークルから太鼓を借りることになっています。オーケストラと和太鼓とのコラボレーションも、見所の一つです。

ドヴォルザークAntonin Leopold Dvo?ak (1841-1904)作曲
交響曲第8番ト長調 作品88 (1889)

 アマオケ界では、「ドボ8」と呼びます。アマオケの世界で、ベートーヴェンの交響曲第6番を「田園」と呼ぶことは構いませんが、第5番は「運命」とは呼ばずに「ベト5」と呼ぶのが正解! 最初から話が脱線しましたが、この曲は古くは出版順により第4番とされていて、またLPの時代には「イギリス」というタイトルがつけられていました。これは、単に最初ロンドンの出版社から楽譜が出版されたという理由によります。もともとドヴォルザークはブラームスに見出されて作曲家として名を成した人ですが、出版社もブラームスの世話でジムロック社と専属契約を結んでいました。ところが、ジムロックは原稿料を渋る上に、契約を破り旧作を新作に見せかけて出版するなどという行為を繰り返していたため、堪忍袋の切れたドヴォルザークが、契約を破棄して新作の交響曲をイギリスのノヴェロ社から出版したという訳です。この係争はブラームスのとりなしで和解にこぎつけたので、このあとの第9番(当初は第5番)は再びジムロック社から出版されています。
 音楽そのものにはイギリスらしいところはどこにもなく、ドヴォルザークがアメリカに渡って交響曲第9番「新世界より」などを作曲する以前の、最もボヘミア(現在のチェコ中西部)的な作品と言えます。のどかで明るい田園的な印象が特徴的で、「新世界より」と並ぶ人気を誇り、演奏会でもよく取り上げられますが、我々のオケでは初演です。
 一昨年、農民オケで取り上げた交響曲第6番も田園的で魅力的な作品でしたが、第7番以降に比べて極端に演奏機会が少なく、隠れた名曲とも言えるものでした。ドヴォルザークはブラームスから多くのものを学んでおり、第6番には、形式面でブラームスの交響曲第2番と共通するものが多く、第7番にはブラームスの交響曲第3番に共通する点が多くあります。そして、この第8番にはブラームスの交響曲第4番との形式面で共通性が多く見られます。そして第9番になると、かなりブラームスを脱して、アメリカの音楽を取り入れつつもボヘミアへの郷愁を強く感じさせる独創的な音楽になっています。
  第7番は、ブラームスのように内省的なところも多い曲ですが、この第8番は、とても明るく分かりやすい曲想です。第1楽章や第4楽章には、小鳥のさえずりを描写するようなフルートの旋律も随所にあり、ボヘミアの自然を彷彿とさせる高揚する生命力に満ちたものです。第2楽章には、ボヘミアの草原を感じさせる牧歌的な美しさが満ち、中間部では、ヴァイオリン・ソロが郷愁に満ちた民謡風の旋律を奏でます。第3楽章は、実に魅力的な哀愁漂うスラブ風舞曲であり、全曲を通じて実に変化に富んでいて飽きさせない作品です。また、第4楽章の中間部に土俗的なリズムに乗って出てくる「コガネムシ〜は金持ちだ〜」(中山晋平作曲「黄金虫」)にそっくりのフレーズは、新潟大学准教授でチェリストの宇野哲之によれば、「トルコ軍楽隊」とも呼ばれていたオーストリア軍楽隊の音楽であり、当時ボヘミアを支配していたハプスブルグ帝国を表しているということです。それに対して第4楽章冒頭でチェロによって奏される第1主題は、英雄の勇気と慈愛を表すものであり、この最終楽章は、ボヘミア独立の英雄を描いた、祖国の独立を願う音楽だということです。おそらく、その推測は正しいのではないでしょうか。最後には、この第1主題が圧倒的な力を持ってオーケストラ全体で奏され、勝利と歓喜の興奮のうちに幕を閉じます。
  ドヴォルザークの音楽は、美しい湧き出るような旋律に満ちあふれ、都会的・近代的なセンスも備えつつ、懐かしい故郷と美しい自然を何よりも大切に思う心に根ざしています。そんなところが、農民オケにはしっくりと来て、最も頻繁に取り上げられる作曲家になっているのです。

■デンマーク公演の概要

  2011年2月11日から17日の一週間の日程でデンマーク公演を実施します。滞在中に2回の演奏会を計画しています。2月11日にコペンハーゲンに到着し、まずは13日にデンマークのユトランド半島の中ほどにあるシルケボー市のJysk Musik&Teaterhus(市民ホール)にてシルケボー室内管弦楽団とのジョイントコンサートを開催します。この演奏会には在デンマーク日本大使やシルケボー市長も来聴される予定です。現地のマスコミも興味を持っているようで大きな反響が期待されます。シルケボーでは現地のアマチュア音楽家の家庭にホームステイする予定で、団員の楽しみの一つです。翌日の14日にはシルケボーからバスでオーフス大聖堂や現地の農場を見学しながらKaloe Oekolgisk Landbrugsskole(カロー環境農学校)に移動し、そこで農学校の生徒や近隣の農家の方々を対象にしたコンサートを開催します。この農学校は江別市の酪農学園とわの森三愛高校の生徒が毎年酪農実習でお世話になっている学校です。15日にはオーフスからコペンハーゲンに戻り、グルンドヴィ教会などを見学し、デンマーク最終日をコペンハーゲン市内で過ごす予定です。そして16日にはコペンハーゲンを発ち帰国の途につきます。
  現地での受け入れ準備についてはシルケボー室内管弦楽団のメンバーである木下澄代さん(シルケボー在住の看護師さんでヴァイオリン奏者)とオーフス大教授で酪農学園大学特任教授の高井久光先生に大変お世話になっております。資金面では本公演に対して国際交流基金および北方圏センターから助成金をいただいております。また参加メンバーのなかの酪農学園大学を中心とした学生諸君は自らの旅費の一部を捻出するために自主演奏会を開くなどしてカンパを募り、多くの皆さまからカンパをいただきました。これらのご支援に対してこの場を借りて御礼申し上げます。
  デンマークと北海道は物理的にも遠く離れており、また文化・風習も異なります。そんなデンマークでの演奏会開催の準備は想像以上に大変な作業でした。現実には本日現在でも未確定の事項がいくつか残されているのが現状です。しかし団員一同期待と不安に胸を膨らませながら出発の日を待っております(出発の日は吹雪かなければいいのですが・・・)。是非本公演を成功させ、これをきっかけにして第二回、第三回と交流を深めていければいいなと考えています。今後とも変わらぬご支援の程よろしくお願いいたします。
           デンマーク公演実行委員長 金田 勇

■出演者プロフィール

指揮 ・ヴァイオリン独奏: 牧野時夫      1962年大阪府生まれ、山梨県で少年時代を過ごす。4歳よりヴァイオリン、ピアノを習う。北海道大学農学部卒業、同大学院修士課程修了(果樹蔬菜園芸学)。北海道大学交響楽団、北海道交響楽団、山梨交響楽団でコンサートマスター、岡山交響楽団でアシスタント・コンサートマスターを務める。
  本州のワイン会社にてブドウの栽培・育種の研究後、1992年余市町に有機農園「えこふぁーむ」を開設し、ブドウを中心に数百種類の果樹・野菜を無農薬栽培。1994年日本有機農業研究会の仲間と共に、北海道農民管弦楽団を設立、同代表・指揮者、作・編曲も行う。余市室内楽協会代表・コンサートマスター、CFバロックアンサンブル・コンサートマスター。また小樽室内管弦楽団との共演、学校や施設でのコンサート等、道内各地で年間30回ほどの演奏活動を行っている。
 北海道有機農業研究会運営委員、しりべしなんでも百姓くらぶ会員、日本グルントヴィ協会会員、宮澤賢治学会会員。

管弦楽:北海道農民管弦楽団   北海道農民管弦楽団は、全道各地の音楽を愛好する農家を中心として1994年に発足し、農業関係の職業人(農業試験場の研究者、道農政部職員、農協職員など)や農学関係の学生、教職も加わり、約70名で構成される世界的にも類を見ない農民主体の本格的オーケストラ。農閑期に年1回だけの演奏会を、道内各地(札幌、江別、千歳、余市、美唄、当麻、幕別、千歳、小樽、富良野、北見、夕張、岩見沢、士別)で開催し、好評を博している。
 「鍬で土を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに、宮澤賢治が『農民芸術概論綱要』で述べた理想に基づき、彼が果たせなかった農民オーケストラを現代に蘇らせる試みでもあり、道内各地での演奏活動が認められ、平成12年度ホクレン夢大賞を農業応援部門で受賞、平成19年度に北海道地域文化選奨特別賞を受賞。

■出演者

指揮 牧野 時夫(余市)

第1ヴァイオリン
*野村 聡(千歳)
井坂 有美子(札幌)
小田 すみれ(壮瞥)
小田 道子(壮瞥)
栗島 和巳(札幌)
小泉 雅広(小樽)
橋田 栄(札幌)
長尾 賢(江別)
古谷 甫(小樽)
松原 寿晴(札幌)
水谷 侑子(札幌)
村松 由美子(札幌)
山口 夏樹(札幌)

第2ヴァイオリン
*久保田 睦(札幌)
畔上 健志(江別)
石川 真滋(池田)
北市 不二佳(小樽)
後明 理沙子(江別)
舘巖 晶子(余市)
高橋 幸治(当別)
中岡 亮子(余市)
中島 美和(別海)
廣田 洋子(小樽)
山口 美緒(札幌)
山口 奈緒(札幌)
山本 智美(札幌)

ヴィオラ
  *川原 信太(江別)
栢森 美如(長沼)
清水 友紀子(札幌)
清水 三佐子(小樽)
古谷 洋子(小樽)
森 かなみ(札幌)
渡邊 雅美(江別)

チェロ
*村上 朋広(札幌)
阿部 俊彦(小樽)
石埜 正穂(札幌)
越智 恵美子(札幌)
小野寺 賢介(美唄)
椎名 拓海(江別)
平野 令緒(札幌)
二川 俊哉(富良野)
山口 恭平(江別)

コントラバス
*茂垣 匠(江別)
板原 可苗(江別)
梅津 敏(江別)
木栖 慎太郎(札幌)

フルート/ピッコロ
*赤部 里美(中札内)
寺島 隆司(余市)
中島 夕里(札幌)
オーボエ/コーラングレ
*内藤 小容子(札幌)
根本 千香子(岩見沢)

クラリネット
*長崎 亜希子(小樽)
稲川 裕(南幌)
大久保 陽子(札幌)
ファゴット
*高嶋 孝寛(仁木)
皆木 友和(北広島)
渡邊 愛梨(札幌)

ホルン
*助乗 慎一(岩見沢)
岡村 雄一(札幌)
正源 雪 (札幌)
高田 伸子(北斗)

トランペット
  *佐藤 導謙(下川)
奥村 理(共和)
金田 勇(札幌)
川合 拓男(芽室)

トロンボーン
*西村 竜彦(札幌)
浅田 真(音更)
森田 重樹(美深)

チューバ
*乙部 裕一(北斗)

パーカッション
*近田 亜佐子(札幌)
溝延 学(岩見沢)
永井 守(興部)

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