サマリーのDVDが思いの外よかったので、調子に乗って買ってしまったのが、この「海賊帆」でした。
正直に告白しますと、ワタシ、KAT-TUNにはほとんど興味がなく、「ホストみたいなユニットだよね」という程度の認識でした。
メンバーで知っているのは、昔からいる田中聖と、「模倣犯」に出てい田口君のみだし。そんな状態でサマリーを見たらビックリ!!! みんな、歌が上手い・・・・ちゅーか、下手な子がいない。全員、ワタシ的水準より上だ。
その中でも、KAT-TUNのこの綺麗な子が特別、上手い。単なる上手さじゃなく、この子の声は武器を持っている。この音を出せるなんて、ジャニーズでは異例じゃないの???この高さ、女の人でもかなりの確率で無理だよ。
というわけで、特別な声を持つ綺麗な子の歌をもっと聴くために、ワタシは買いました。「海賊帆」を。
オープニング。
会場全体を包む大海原の映像。まずこれにやられました。このCGは素晴らしい効果です。ライブでは左右に置かれたスクリーンで映したのでしょうが、DVDではそれを思い切り画面に被せました。うねる大波に客席が呑まれていくようで、有無を言わさず引き込まれます。
そして映し出されるライブのテーマのロゴ。髑髏です。
しかし、この髑髏、ちょっぴり可愛い・・・・、愛嬌があるんじゃない?そうだよね、アイドルのライブにリアルな髑髏はNGだよね。
そう思ったところで、メイン・ステージに独り立ち、会場の温度を高揚させようと雄叫びをあげている田中聖の姿が。
ひぇぇーーーーっ、コウキの顔が怖くて泣きそうです。ワタシ。
「ネバーランド」に出てた頃はもっと可愛かったのに聖。いつからこんなコワイ顔になったの?その眉、絶対に怖いって。
とはいえ、このシーン、効果絶大。聖の怖さと、スケールの大きさで叫ぶこと間違いなし!!!!ナイス・キャスティング。
「GOLD」のイントロと共に、会場のあちこちに散ったメンバーが登場。
それより驚いたのが、全貌を表したセットの数々ですよ。本舞台中央にド迫力の海賊船が現れ、それが回るんですよ。しかも、音楽とドンピシャで。
ワタシ、この演出を考えた人に、最優秀演出家賞を贈りたいと思います。
さらに豪華絢爛は続く。メンバーが乗って移動しているのは、なんと、小舟なんですよ。ちゃんとした舟なの。大きな船は浅い港に入れないから、沖に停泊して乗組員は小舟で上陸するでしょ、その小舟なの。
そして、各方面に散っていた乗組員(メンバー)は、その小舟で本舞台まで移動し、海賊船に乗り込むわけですよ。
あまりの見事さに、ワタシ、全身の血が逆流して沸騰しそうになりましたね。最近みないわ、ここまで完成されたショーの演出は。
小舟に乗り、外周にて歌う赤西くんの艶っぽいことといったら、誰に向かって挑発してるんだい。キャーキャーとお触りに来るファン達に気を留めることもなく、ちょっと気まぐれな子猫のような仕草で歌っておりました。
いつの間にこんな素敵なキャラを確立しちゃったんでしょうね。坊やの頃なんて、小タッキーだったのに。小タッキーのままだったら、決してワタシのには留まらなかったろうに(タッキーは二人要らない)、まったく違う独自のキャラを出しましたね。とにかく、赤西くんの仕草の優雅なこと。
亀梨くんがKAT-TUNでのアイドル的な存在のようですが、それに対して貴族的な物腰と艶やかな視線で、別個のアイドルとして両雄並び立とうというあたり、たいしたものです。
「綺麗なアイドル=歌はそこそこ」がバイブルになっているワタシ。なんせ、歌に対する基準がSMAPですからね。どれだけ低いか想像つくかと思います。
そんな基準を持つワタシに、赤西くんの歌を聴かせてご覧なさいな。基準値をはるかに超えて、もう計測不能よ。
歌そのものは、たぶんもっと上手な人はいるのでしょうが、赤西くんの凄いところは、なんたって声でしょう。ファルセットの上をいくソプラノ。
彼はおそらく、「オペラ座の怪人」のテーマである曲のクリスティーヌが最後に出しているソプラノを、出せるんではないかと思います。
ライブ中、あれだけ歌い踊り、そして叫んでいるにもかかわらず、あの声が出るんですからね、素晴らしいのを通り越して怖いくらい。
赤西くん、これからも将来ずっとタバコは吸っちゃだめよ。それと、メロンも喉にあまり良くないから控えてね。あなたの喉は宝物だから、大事にね。
オープニングにはまさ最強ともいえる「GOLD」のあとは、なんとも可愛らしい雰囲気の曲で、呪文のような冒頭の歌詞はフランス語だったんですね。付録の歌詞カードを見て知りました。何度もパリに行ってるわりには判らなかった。
可愛い雰囲気なのに振付は案外エロ入ってまして、みなさん、腰振りが漏れなくついてきます。でもね、その様子がまた可愛い。KAT-TUNが可愛いなんて、ワタシ今まで知らなかったわ。
赤西くんは艶っぽい。エロとも色っぽいとも違うのね、頑張って日本語を探して形容すると、「艶っぽい」って雰囲気。可愛らしい顔もするし、挑発的な顔もするし、はにかんだ笑顔もしてみせるし。それの全てに艶っぽさが入っているところが、他のジャニーズと違うところかな。
メンバーのソロも個性的かつ練り込んでいて良かったしね。「ジンクス」懐かしかったわーー。トニセンとはまた違った魅力があり、ナイスでした。
聖のラップはなんて言ってるのか全く聞き取れないけど(笑)、雰囲気はとてもよく出てました。(聞き取れないのはたぶんDVDプレーヤーの装置のためです、聖の責任ではないから)
赤西くんはエロダンスと自作の曲ですね。ふたつのカラーにギャップがありすぎですが、それも狙いでしょう(笑)。「ムラサキ」、ワタシけっこう好きです。タイトルは微妙だけど、曲の雰囲気がいいですね。
「愛のかたまり」にも言えるんだけど、タイトル、なんとかならないかなーー。恥ずかしくてタイトル言えないことってありません?「愛のかたまり」は正直いってワタシ、言えませんもん。「ムラサキ」は言えますよ、もちろん(笑)。
やがて出るであろうアルバムに、是非ともフルバージョンで入れて戴きたいですね。赤西くん、頑張ってフルバージョン分、作ってね。
ライブ全体の構成も、海賊船をメインに据えて、ちゃんとまとまっていて、KAT-TUNは乗組員というコンセプトを守っていたので見やすくスムーズ。テーマを立てて作られたショーはそれが的を射ると、単なるライブにとどまらず、エンターテイメントなショーに化けますからね。
主軸に海賊船を置き、そこから枝分かれしながら各テーマごとの場面だったり、各人のソロだったりが展開し、ラストで再び海賊船に戻りグランド・フィナーレ。
ジャニーズという制約があるので、それを100%するのは無理だとしても、KAT-TUNの「海賊帆」は限りなくそれに近いものが出来ていたのではないかと、見終わって感じました。
数回のみのステージなので予算の関係もあるわけですが、バックダンサーにあたるJrの衣裳が過去の使い回しであるため、海賊船とは雰囲気も年代も無関係であり、そのあたりが惜しかった。中盤の牢のシーンで、Jrが英国艦隊を彷彿させる衣裳であれば、立派にショーだったと思います。
次回以降もこれほどお金と時間をかけて構成を立てられるかは疑問ですが、構成を練ることに対して貪欲である限り、おのずと良い作品になるでしょうから、KAT-TUNにはこれからもライプの企画や構成に(忙しいでしょうが)時間を割いて、良いものを創っていって欲しいなと願っております。
ワタシ、いろんなライブDVDを見ましたが、それを見て「これ、実物見たかったーー」と切実に思ったのは、SMAP「BIRDMAN」、昨年のSUMMARY、そしてKAT-TUN「海賊帆」の三つだけです。
SMAPは別格として、残る二つのうち、「海賊帆」は自分たちで考えてアイディアを出したということ。これはもう、諸手を挙げてワタシ、誉めます。
初ライブの時の涙は、無駄じゃなかったね。数年後に、こんなに立派になるとは夢にも思いませんでした。それぞれがバラパラで、単なる前に出たがりにしか見えなかった当時とは違い、今回は完璧にエンターティメントに仕上がってました。
本人の意志とは関係なく、「今日からYOUたちKAT-TUN」と一方的に言われて、それでこんなに素晴らしい舞台が創れるんですから、もっともっと自信を持ってもいいと思います。本当に、素晴らしいライブでした。
おめでとうの言葉は、CDデビューが決まった時にするとして(笑)、とりあえず、そのうち生のライブには行こうと決心しているワタシです。
とても楽しい2時間弱でした。KAT-TUNに拍手〜〜〜〜
さて、ここから先は感想でもなんでもなく、「海賊帆」を見ての単なるアホな妄想です。付いて来られるという自信のある方のみ、来て下さいませ。
行ってみる やめときます