「コブなんか今夜踊って取ってもらいなさい」 「あんたの言うことはますますわからん。とにかく捨ててくるから」 おじいさんはおばあさんが捨て身で突いてきた包丁を紙一重でかわし、今度こそ桃をかついで走って逃げ出した。 《作》ま、人気のないリレー桃伝だし、秘密をばらしちまったって誰も困らんだろうからばらすけど、この大桃の中には実は時限爆弾が仕掛けられてるんですな。ちょうどあと20分で爆発する仕掛けですが、乱暴な組織が作った爆弾なんで、ひどいショックを与えると時間前に爆発しちまうかも。くれぐれも扱いは丁寧に。 ま、そんなわけで、ぼくは初めからそのつもりで書いてたんだから、時限爆弾について無視してるサイド・ストーリは全て嘘ですよ。無効です。でたらめです。 おじいさんは、どこに桃を捨てようか迷っていた。もし本当に毒桃だったりしたら(《爺》まあその可能性の方が強いのだが)、誰かが拾って食って死んだりしたらやっぱり桃を捨てた自分の責任にもなるだろうし、ましてや、もし時限爆弾が仕掛けられたりしていたら、一大事である(《爺》まあいくら何でもそんな事はないだろうが)。 埋めるにしてもそこにある穴は小さすぎるし、第一おむすびがころりんと落ちる為にあるような穴だ。 おじいさんが大桃を持て余していると、お猿のカゴ屋が通りかかった
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