「お経を取りに」   作/みかりん



おじいさんが、犬、猿、雉を連れ、旅を続けていると、怪しい一行を見かけた。
彼らは、猿、豚、河童を連れた坊主の旅人だった。
「どのような事情があるのだろうか、あのような動物連れの旅とは。」すでに団子の効果は切れているので、人の事は言えたものではないと思うが。
犬、猿、雉を連れた爺さんは、猿、豚、河童を連れた坊主に話しかけた。

「もし、旅のお坊様、もしよろしかったら一緒に。」
「おやまぁ、動物連れのお爺さん。旅は道連れ。ありがたい。」
こうして爺さんと坊主と犬、猿2匹、雉、豚、河童の一行は旅を続けた。

しばらく行くと、怪しい一行を見かけた。今度は動物ばかりである。
ロバ、犬、猫、鶏。
「そこの動物達。どこに行きなさるね?」
「私達はブレーメンの音楽隊。これから泥棒の住みかへいって退治しに。あなた達は?」
「わしは鬼退治に。」
「私は、天竺へお経を取りに。」
そうだったのか!今までなんとなく聞くに聞けなかったが天竺へお経とやらを取りに行く一行だったのか。しかし、ロバのくせにあっさりと旅の目的を聞き出すとはたいしたものよ。
爺さん、爺さん、それは違う。はっきり聞かなかったお前様が悪い。と猿は思ったが黙っていた。
「で。どうだね?一緒に旅をするっていうのは。」
聡明なロバは即座に答えた。
「私達は旅の目的が違うのでずっと一緒にという訳には参りませんがこの辺りは盗賊も多いと聞きます。方角が同じなら途中までご一緒させて下さい。」
ロバは続けた。
「あなた方は、旅の目的が違うのにご一緒なさってる。どこまでご一緒なのですか?」
「うっ・・・っ。」爺さんは答えに詰まった。
こんな基本的な質問に詰まるなよ。犬は思ったが黙っていた。
こうして一行は、爺さん、坊主、犬2匹、猿2匹、雉、豚、河童、ロバ、猫、鶏という団体になった。
大勢での旅は楽しかった。坊主はなかなか口が達者でいつの間にか話しに引き込まれた。

ある町に着いたとき坊主が人に尋ねた。
「天竺はこっちの方角でいいのですか?」
「あぁ、そうともよ。お前様方は天竺へ行きなさるのかね?」
爺さんはきっぱりと答えた。
「そうです!わしらは天竺へお経をとりに行く者なのです。」
おいおい、爺さん、そうだったか?雉は思ったがもうどうでもいいやと思い黙っていた。

一行は度重なる困難にもめげず天竺にお経を取りに行き、仏教を広め人々に感謝されましたとさ。





 この続きを作って。
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