お風呂免許習得物語
<其の2>

【Q青年】
「あなたの場合、まず、このお風呂年鑑を1週間で読破しなさい。その後、簡単なテストをしてあげましょう。」

【み・素人】
「こ・こんな厚い本をですか?1週間でなんて、とても読めません。」

【Q青年】
「やるんです!これでも手加減してるんですよ。私だって、仕事の合間に自分の勉強と、しかもあなたの面倒までみようってんですから!」

【み・素人】
「あっ、すみません。すみません。読みます。あの、先生とお呼びしていいですか?」

【Q青年】
「いや、竜王と呼んで欲しい所ですが、保健衛生省認定正調お風呂講座1級免状を取ってからそう呼んで下さい。
そうですね、私の事は、名人と呼んでくれれば。」

【み・素人】
「名人ですね。判りました。あの、さっそく名人と呼ばせていただきます。Q名人は、さっきから何を聞いているんで?」

【Q名人】
「え? heavy metalですよ。」

【み・素人】
「heavy metal?
それって、お風呂となんの関係もないんじゃないんですか?
お風呂なら、こう、もっと・・例えば、浪曲とか・・。それは極端にしても、もうちょっと日本的な。」

【Q名人】
「な・な・何を言ってる。
heavy metalやハードロックは、生きていくのに必要不可欠なモノなんですよ。あなたそういう教養がないんですか?」
(ちょっと動揺)

【み・素人】
「いや、以外だなっと思ったんで。私は、洋楽はちょっとうといんです。」

【Q名人】
「ふふん。頂点を目指す者は、どんなことにも精通してなくちゃいけないんです。
あなたまず10級を取るつもりなんでしょうけど、そんな人の揚げ足を取っているようではいけません。」

【み・素人】
「はぁ。すいません。」
(なんで叱られたんだろう?)

【Q名人】
「まず、簡単な試験をしてあげるから、1週間後その年鑑を読破してから来なさい。」

【み・素人】
「はい。それとは別に明日も来て良いですか?
名人の邪魔はしません。名人の立ち振る舞いをみて、少しでも名人に近づきたいんです。厳しくしつけて下さい。」

【Q名人】
「わかりました。」
(不気味に笑う。)


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