村研10年の歩み


すべてはここから始まった。

「北の浪漫と活力あふれる美しい村づくり」のため、自分たちで出来ることはないだろうかーそん
な思いを抱いた農業者、商店主、教員、公務員ら11名が集まったのが平成2年、真狩村づくり研究会の始まり。翌年には、村づくりに意欲を持ち積極的に係わって行きたいという人材を掘り起こし育てていけたらと賛同する仲間を募り、20名〜30名のメンバーが参加。
自ら調査研究・研鑽を積み、意見を交わしながら村の活性化について積極的な活動・事業に取り組み現在に至っています。異業種の面々が集う任意参加の団体は「村づくり研究会」だけ。情報交換・交流の場として自由に夢を語り合う機会として私たちメンバーにとって大切な会となっています。


―――村づくり研究会、記念すべき第一歩―――それはまだ昭和の時代から



『10年を迎えて』 村づくり研究会元会長 藤本民夫氏
 村づくり研究会も今年発足から11年を迎えました。会員の皆さんの活動に対する情熱や協力、村役場はじめ関係各位の機会あるごとのご支援があったからこそと心から感謝申し上げます。思い起こせば平成に変わるわずか前、昭和64年1月早々のこと。異なる仕事を持っている者同士所属する組織に縛られないで話ができる、夢を語り合える場を持ちたい、と言う思いを抱いた11人が新年会を兼ねて集まったのがきっかけでした。その点は酒が入ればいろんなアイデア、いい話がわき出てくるという村研らしさに受け継がれているのではないでしょうか。

地域づくりは"人"だとよく言われますが、刺激のない論議からは考え方も片寄ったり、新しい発想も沸いてきません。異業種のメンバーが集まることで刺激が生まれ、考え方の幅を広げたり奥を深めていくものと思います。

そうしたことも話し合いながら平成2年に規約をつくり正式に発足し、翌年からはメンバーの公募も始めました。村づくりにかかわっていたい、何か手伝えることはないかという意欲を持った人に参加してもらうことで、新たな刺激が得られるからです。
今ではメンバーも29名となり、農業、商業、行政などそれぞれの仕事に従事しながらも、村研では一人のメンバーとして個人の力を寄せていただいています。今後、様々な活動とともに村づくりに微力ながらでも役立っていけるグループとして、そしてそんな人材を育てるグループでありたいと考えています。常に夢を語り合ってゆく、それが村研のモットーです。

メンバーの方々にはこの村に対する思いをより高めてもらいたい、転勤等により村外で活躍されている皆さんにはこの村の良き応援団であってもらいたい、そして関係各位の変わらぬご支援とご理解を願いながら11周年を一つの節目とした村研の新たな第一歩を踏み出していこうと思います。



『この村にはまだ感動させる余地がある』 村づくり研究会元会長 島口 勝氏
20数年前、商工会青年部に在籍中に「この村には、鉄道もない、国道もない、温泉もない」と嘆いたレポートをある機関誌に寄稿したことがあった。それを読んだ周囲の人等から可哀想という同情の声とこれから好きなように村を描けるなと羨望にも似た声を耳にする機会があった。それから11年後、村研という絵具を使って共同作品の製作に取りかかった。しかし、絵を描くにはデッサンをする。

しかしその基礎が不足していたため大事な線がなかなか引けない。時間が掛かるが、やはり多くの人の話を聴き、行ったことのない土地に脚を踏み入れ、新たな体験をすることが線を引くための重要な課題であった。

この数年、村研で色々な人との出会いを通じて見落としていたものの再発見をすることができたし、創造する力も少しは身に付いたとも思われる。しかし、この村には未だ発見されていないお宝が眠っているような気がする。一つには、変に毒されていない自然環境、もう一つは純朴な精神。

近年、ドライとかデジタルとか何でも割り切れる事が社会や企業の繁栄の基本のように思われていたが、それが一部の所で負に作用し結果として、バブル崩壊による企業の破綻、経済的豊かさだけを追求したための家庭崩壊等と間違った効率化が一番大事な人の心を害しているのではないだろうか。

勿論、有効な効率化・合理化は必要なことではあるが、ある大企業の例では、ドライとウェットを要領よく使い分けているところがある。どんな素晴らしい商品でも気持ち良く買える環境が必要であってその原点は人の心であると言っている。全く当然のようだが、以前はマニュアル通りの対応、エンドレステープのような言葉遣いが接客術であった。可もなく不可もない接客マナー、うわべだけの接客だけでは心の時代といわれる今日では、通用しないのだそうだ。

確かにその通りで幾度か小さな観光地や老舗といわれる和菓子屋で出会った人の心が、もう一度行ってみたい地であり、もう一度入りたい店という思いにつながっている。以前、新聞の投稿欄に真狩での感動と感謝の気持ちの記事が載っていたが、それがこの村の魅力ではないだろうか。訪れた人に自然と村民性に感動させることがこれからの時代に求められる事だろう。後は好奇心を持った人々の英知を結集するのみ。私自身生涯現役の生徒の気分で行動していきたい。


こんなこともありました。♪
○ 地ビールの製造………流行の地ビールブームにあやかり、ビールの製造(密造?)。

○ PR用名詞作成………住民が個人の名詞を持つ習慣を植え付け、広大な真狩村をイメージした名詞により村外へのPRを図ることを願って、本会で名詞の台詞を3種類作成し有料で配布しました。

○ 各種イベント協力……村内各団体が主催するイベントに、後援協力などにより随時参加しています。

○ ゆり根料理講習会……一般家庭に向けて、特産品の食用ゆり根の料理方法を洞爺パークホテル天翔「磯のれん」板長 山川義行氏に依頼し、調理実習を行いました。食用ユリ根の消費拡大につながっていくことを願い、今後も取り組んでいけたらと考えている活動の1つです。



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