遊漁について

●概況

 海面における遊漁者数は年々増加してきており、平成5年の調査では全国で延べ3700万人、道内で180万人となっています。道内の遊漁の内訳はその99%が釣りで残る1%未満が潮干狩りとなっています。なかでもその8割が磯や岸壁からの投げ釣りで2割が船釣りとなっています。

 また、海での遊漁者が増える中、漁業を営む人たちとのトラブルも多くなってきています。釣果のみを追求する無制限な釣り、漁具の破損、漁船の航行妨害、ゴミの投棄、迷惑駐車などなど。釣り人のモラルが今問われています。

●遊漁における様々の試み

 *秋サケライセンス制・・・昭和63年から標津町と別海町の沖合い海域で、平成元年には羅臼町と斜里町ウトロ海域で秋サケ船釣りライセンス制が試行されました。この試行は漁業と遊漁との調整、遊漁秩序や釣りのマナー向上を目的としており、平成9年度にはのべ2000人の遊漁者が参加しています。

 *サケマス有効利用調査・・・サケマスの増殖のため、遡上してきた親魚の捕獲や採卵、稚魚放流等が全道の各河川で行われてきましたが、事業合理化のため平成7年度から一部の河川で捕獲事業が廃止になりました。これを契機に遡上してきたサケマスの有効利用がするための方策が検討され、全国で初めて忠類川で実施されました。
 その後、元浦川、茶路川、浜益川でも調査が開始されました。今後の展開に向けて、漁業関係法令の見なおしなど、クリアしなければならない課題も多く抱えていますが、道では、この調査結果を参考とし、地域の実情に応じ、サケマス資源を有効に活用した「サーモンフィッシング」を定着させたいと考えているようです。

 *その他のライセンス制・・・本道の遊漁制度として、道ではライセンス制を定着させていきたいと考えているようです。当面はPRと普及を図りながら「秋サケ船釣りライセンス制」の他海域への検討、ヒラメ・サクラマスなどについても導入を検討するようです。

(参考文献:’98北海道水産業のすがた:北海道水産林務部発行)


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