サクラマスについて

●概況

 サクラマスは日本海でその大半が漁獲されることから「日本海振興ビジョン」の中核魚種として注目されている。しかし、漁獲量は減少傾向にあり、水産孵化場では昭和62年からプロジェクト研究を開始し、放流魚の種苗性の問題や放流後の河川内減耗要因等について成果を得てきている。同時に様々な放流方法の開発やその放流方法の効果を推定するための標識魚市場調査や回帰率計算技術の方法論的検討も行われている。

 現在は6年間の試験研究期間に入っており、放流魚の種苗性や大きさと回帰率の関係の解明を中心に研究が進められている。

 また、後志管内神恵内村に幼魚50万尾、留萌管内増毛町に幼魚30万尾を飼育できる孵化施設が完成し、サクラマスの孵化事業体制は拡充されつつある。


●放流について

 平成8年度、国・民間の施設から約1400万尾の稚魚・幼魚を放流している。その放流の仕方として3つの方法を取り入れている

 *春放流・・・卵から産まれてすぐ春先に放流する方法
 *秋放流・・・秋まで飼育したものを放流(河川における稚魚の消耗を抑制することを目的)
 *スモルト放流・・・放流後すぐに海に降下できるまでに飼育した幼魚を放流

 今後は、スモルト放流を中心とした人口孵化事業に取り組むとともに、保護水面の見なおし(保護水面の新たな指定、ヤマベ保護の規制内容の見なおし)など河川環境の保全などに取り組みながら、放流事業や天然産卵の助長を総合的に取り進めることとしている。

 (私見ーいずれスモルト放流が中心になると天然孵化したヤマベしか川にいなくなるのかな?親魚が自然産卵できない環境の川ではヤマベはいなくなってしまうんですね。新子の数釣りなど見直す時期はもうそこまでやって来ているのかもしれないですね。)

 また、サクラマスのほか、カラフトマス、ベニザケも孵化放流事業の一環として実施されている。 カラフトマスは平成8年度約1億4000万尾放流し、来遊量は1900万尾と順調に伸びてきている。 ベニザケは昭和42年から始められ、平成8年度は936尾が捕獲されている。

(参考文献:’98北海道水産業のすがた:北海道水産林務部発行)


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