サケについて

●概況

 平成8年度の漁業生産量、生産額を覗いてみると意外や意外、いずれも第1位はホタテガイ。サケは生産量は第3位(2位はスケトウダラ)、生産額は第2位となっていました。

 サケの来遊量は平成5年以降5千万尾を超えており、高い水準で安定している。その原因として孵化技術が確立されたことと放流事業を拡大したことがあげられる。

 一方、価格はみなさんご存知のように低迷しており、10年前と比べると生産量は倍近く増えているのに生産額は100〜200億円減少している。

●孵化放流事業について

 サケの放流事業は、明治13年に13万尾の稚魚放流に始まり、国中心に継続され、現在では全道約130水系に10億尾を放流するまでになっている。

 ここまで見ると何事も順調のようだが、問題点もいくつかあるようだ。一つには、海区間に来遊量の格差や変動が大きいこと。オホーツク、日本海、根室、えりも以東、えりも以西の各海区で約2億尾放流しているにもかかわらず、来遊漁は平成8年度(先ほどの順で)1700万尾、500万尾、1700万尾、900万尾、700万尾というようにかなりの差が見られる。

 2つ目として概況でも触れた価格の問題。これは、近年サケマス類の輸入が急増していることによるようだ。(そう言えば、市場などで○○産キングサーモンとかサーモントラウトなどと呼ばれているサケなのマスなのはっきりして!みたいな切り身をよく見かけるようになったなあ。)そして、この魚価安の一番影響を受けているのが水揚げ金額の中からその大半が孵化放流経費にまかなわれている放流事業を実施している民間団体。

 国はこのような状況を受け、北海道さけ・ます孵化場をさけ・ます資源管理センターに改組し、今後10年間で計画的段階的に事業を縮小し、その事業の一部を民間等に移行する予定。さらに、今年度中に民間増殖組織体制の構築と今後の増殖事業の方向性を検討するとしている。

(参考文献:’98北海道水産業のすがた:北海道水産林務部発行)


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