やまたまおもちゃ箱
033■水面下
・・・
「よう、ランちゃん、オレ様と一緒に遊ばない?」
「ええっ、こ、こまります・・・」
・・・
「やめろブラック!ランちゃんが嫌がってるじゃないか!」
「フン、チュー吉か。一丁前に正義の味方きどりか」
「なんだと!今日という今日は許さないぞ!」
「カッコつけてるんじゃねぇよ。お前とはまた今度遊んでやるよ」
・・・
「ちきしょー、アイツ。ランちゃん、だいじょうぶだった?」
「え、ええ。ありがとう、チュー吉くん。おかげで助かっ・・・」
・・・
ドンッ!
「キャーッ!!」
・・・
「ああっ、ランちゃん!!あんのヤロー!!」
「ち、違うの!ブラックさんは私を助けようとしてくれたの!」
「な、なんだって!?」
「ほら、あそこ!」
「ブ・・・ブラック!!」
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「フッ・・・どうやらオレ様もヤキが回ったようだぜ。
今日でおまえ達ともサヨナラだ。今まで意地悪して悪かったな。
お二人さんよ、仲良くやってくれよ!」
「ブラックさん・・・」
「ちきしょう!カッコつけてるのはお前の方じゃねぇかよ!
ブラックーーーーーーー!!!」
**
「ほーら、クウ坊」
「うわー、お父さんすごーい!!」
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お祭りの露店で目にする金魚すくい。
その水槽の中で、このようなドラマが繰り広げられていることを
我々は決して忘れてはならない・・・。
・・・
(かと言って覚えている必要もない・・・)
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