医療法人社団 耕仁会 曽我クリニック 院長 曽我 龍紀

 近年、医療に関する国民の理解や医療行政の変化に伴い各種医療機関の組織編制が進みつつあるところであります。この中で道内のこの地方においては地域医療の役割はさらに重要なものとなってきました。
 大学病院のような高度先進医療を行うべき基幹病院と本病院規模の医療機関や個人医院の担うべき役割は異なり、これらの間の信頼関係、密な交流と連携が効果を発揮してこそ地域医療の充実が計られるわけであります。

 曽我クリニックは同地域の人工透析治療施設や脳外科疾患の治療施設の不足により平成4年11月1日に開設に至りました。当初、診療所として人工透析、脳外科治療、一般外科の診断、治療に勤めてまいりました。その中で循環器疾患の増加や治療専門施設が遠隔地にあるための不便さを解消するために平成8年4月1日より心臓血管外科医を常勤とし、聖マリアンナ医科大学心臓血管外科の協力のもとに人工心肺下の開心術、腹部大動脈瘤切除術、閉塞性動脈疾患のカテーテル治療や外科治療、頻脈性または徐脈性不整脈のカテーテル治療やペースメーカ治療を実施してまいりました。
 地域の皆様のお役に立てるよう、平成14年9月、診療所から50床の一般病院とし、入院設備の拡張と設備充実をおこないました。現在の当病院の役割または使命として急性期の初期診断、初期治療が挙げられます。当院は一次救急としての重症例、緊急例の受け入れと専門医療機関との連携、また、地元急病センターとの連携は不可欠と考えております。従ってこの対策としてマンパワーの充実、組織としてのチームワークを構築するとともに医師とコメデイカルの学習ばどを通して若い人材の教育と育成を心がけています。

 医療機器の開発、進歩はめざましいものがあります。重症疾患患者を扱う当施設としてはその医療機器や設備が十分に充実していることは重要なことでありますが、しかし、より重要なことは病気に悩む患者に接する医師、看護師、臨床工学技士、その他のコメデイカルの医療に対する意識の向上であります。職員一同心を一つにして地域医療の使命を実現するために前進を続ける所存であります。