セビリア

カテドラル(Catedral )


 「後世に見る人が我々を狂人扱いするほど大きな教会を建てよう」をコンセプトに15世紀に建てられたのがセビリアのカテドラル。ユネスコ世界文化遺産に登録されており、ローマのサン・ピエトロ寺院、ロンドンのセント・ポール寺院に次ぐ大きさを誇る堂々とした風格があります。建物自体は後期ゴシック様式ですが、一部にルネサンス様式もあるようです。
 外門をぬけると、そこはオレンジの木々が並ぶ「オレンジの中庭」と呼ばれる庭園となっており、カテドラルの一角には高さ98mのヒラルダの塔あります。この塔は昔のイスラムのモスクに建っていたミナレットを利用したものだそうで、イスラムでは時間になるとこの塔の上で人々にお祈りを呼びかけ、キリスト教会ではこの塔の上に大きな鐘をぶら下げて時を告げるために利用したそうです。その塔の周りに歩道をつけて馬車でも登れるようにした(馬車が通れる幅はないが、乗馬なら可能か?)ために、階段がほとんどなくスロープとなっています。
  16世紀に頂上にブロンズの女人像が設置され、その女人像が持つ旗が風を受けてぐるぐる回り、風見(ヒラルディーヨ)の役を果たすことからこの名前となったようです。1764年にこの塔に付けられた時計は、スペイン最古の時計だそうです。それにしても開館前からかなりの観光客が列をなしています。内部に一歩足を踏み入れれば、その豪華さに大きさばかりではない人気の理由がわかるでしょう。


カテドラル:礼拝堂


 幅76m、奥行き116mもある内部は入ってみると本当に大きいのがわかります。32本の巨大な石柱が並び、18人で演奏するというパイプオルガンが置かれ、周囲の小礼拝室や聖具室、総会室にはムリーリョ、ゴヤの絵等の豪華なコレクションが飾られているなどいわば美術館でもあるのです。 ここの一番の見所は中央礼拝堂の主祭壇で、キリストの誕生、受難、死など36の場面が4段にわたり浮き彫り彫刻で表現され、しかも下から見た時に全て同じ大きさに見えるように上に行くほど大きくしているなど手も込んでいます。
 これらを全部見て、しかもヒラルダの塔に登るとなればかなりの時間を要します。観光客でごった返しても当然かもしれません(ただし、内部はあまりにも大きいので人の多さは感じませんが)。


カテドラル:コロンブスの墓


 もう一つ、コロンブスの墓があるのも有名で、コロンブスの棺を四人の王(レオン・カスティーリア・ナバーラ・アラゴン)が担いでいる像があります。コロンブスの柩はキューバ・ハバナの大聖堂から、キューバ独立の際セビリアに返還されたそうです。他に王室礼拝堂にはセビリアをイスラムから取り戻した英雄サン・フェルナルド王の遺体が納められています。


サンタクルス街(Berrio de Santa Crus)


 かつてユダヤ人街だった場所で、南スペインらしい光景が見られる最もアンダルシア的な地区と言われています。非常に狭い道ですがきれいに石畳で舗装され、また自動車も通れないので安心してあっちこっちみながら散歩ができます。




 アンダルシアの伝統的な造りの家はパティオ(中庭)を囲むように建てられていて、入り口はデザインに工夫を凝らした鍛鉄細工の透かし扉がついています。 扉が開いていても閉まっていても、中庭までは入ってのぞいてもいいそうです。どこの中庭も手入れが行き届いていますが、毎年5月にパティオの祭りがあり、コンクールも催されるくらい住人がパティオの美化に注ぐ情熱はすごいのです。路地に連なる白壁の家(ここは黄色の壁が多かった)には、レストランやバール、土産物屋も多く、陶器や絵皿、革のバッグ、さらには日本語ガイドブックまで手に入ります。


サンタクルス街:ギター弾き


 とにかく狭く曲がりくねった道と似たような建物が続くので、ガイドさんがいなければすぐに道に迷いそうです。そうそうここではギター弾きのパフォーマンスも風景の一部となっていますが、列の後を演奏しながらついてくる、しかもチップをもらうまでどこまでもついてくる強者もいるので注意が必要です。


スペイン広場(Plaza de Espana)


 1929年にスペイン.アメリカ博覧会の会場として造られ、1992年には万国博覧会の会場にもなった場所としても有名な広場です。大きな噴水を囲むように半円形をしたイスラム様式の建物は今でも市の施設として使われているそうです。建物の壁面にはタイル貼りでスペイン各地の地図と歴史的な出来事、各地の名産品などが華やかなタイルで描かれています。またあちこちにセビリア陶器の壺なども置かれており、芸術作品の展示場でもあるのです。
 公園周囲では路線バスも走ってはいますが、観光スポットが集中しているこの地は、はやり馬車にてのんびりと観光するのが定番のようです。


ムリーリョ公園(Jardines de Murillo)


 サンタ・クロス街にある緑豊かな公園です。画家のムリーリョがこのサンタ・クルス街地区に住んでいたことが名前の由来だとか。車が通れないサンタ・クロス地区へ行くためには必ずといっていいほどこの公園を歩くはずで、公園内の道も広く歩きやすく整備されています。コロンブスが乗った『サンタ・マリア』号を配した記念塔がこの公園の目印ですが、他にこれといった見物はありません。


ラ ボデガ(La Bodega)



 フラメンコ・ショー発祥の地がセビリアで、今回はディナーショーに興味津々で参加してみました。一部2階となったホールはほぼ満席。ディナーをとりながらの観賞となりますが、食後にワインなどたしなむうちにフィナーレとなりほろ酔いのお客から「ブラボー」の声がかかります。ただステージと客席が分かれているので踊り子との距離が遠く、フラメンコの定番である「サパテアード」の力強さや踊り子の表情があまり伝わってきません。本場のフラメンコというよりも、フラメンコ・ステージショーと表現した方が正しいと思います。
 料理は一応コースとなっていて、4人に1本の割合で赤ワインがついています。メインのビーフシチューが運ばれる頃にはワインもなくなってしまいました。ちょうどお隣のご夫婦と視線が合い、割り勘で10ユーロのボトルワインを追加注文してしまいました。


ホテル:Melia Lebreros



 スペイン第4の都市セビリア、街の中心は近代的ビルが建ち並び、車の往来も非常に多くなっています。その騒々しい街の中心近くにあるホテルで、外観はコンベンション・センターのようです。14階建て439室という巨大なホテルはどこかのコンベンションセンターのような外観ですが、中に入ってみるとロビーにはアンティークな家財を配置するなど、意外に落ち着いた雰囲気になっています。
  部屋はシンプルですが広めで、申し訳程度ですがアメニティーも置かれていました。大ホテルの割にはシャワーの水量がなかったのが残念。
 朝食のビュッフェは種類、味ともに今回のツアーでは最高のもので、1泊だけだったが残念なくらいでした。またこのホテルのバーは、結構な広さをもち雰囲気も満点でお勧めです。





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