北海道医療新聞社

▼バックナンバーはこちらから
週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 9月4日付

コロナ感染拡大警戒ステージ、道内5段階に細分化

 道は新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、感染拡大時の道独自の警戒ステージを3段階から5段階に細分化するとともに、各段階に応じた病床数、療養者数、PCR検査陽性率、新規報告数、直近・先週1週間との比較、感染経路不明割合の指標を示した。感染者病床や重症者用病床等の逼迫状況、感染発生状況などを総合的に判断し、「感染拡大防止と社会経済活動の両立」へ、それぞれに応じた対策や要請を行っていく。

 国の提言基準、広域分散型である本道の実情を踏まえ、「十分に制御可能なレベルに感染拡大を抑制し、死亡者数・重症者数を最小化」「迅速・効果的な対策を講じ、感染レベルをなるべく早期に減少」することを目標に、感染者が急増する前の段階から必要な対策が講じられるよう新たなステージ指標や施策を設定した。


道内日赤病院19年度決算、利益率大きく改善

 日赤道支部がまとめた道内10赤十字病院の2019年度医療施設特別会計決算によると、医業外や付帯事業、特別利益を含む収益合計は2.6%増の631億1,100万円、支出合計は0.8%増の633億100万円で、1億9,000万円の赤字となった。利益率は前年度のマイナス2.1%から同0.3%となり、赤字額は11億900万円改善した。

 医療を取り巻く環境が大きな転換期を迎える中で、病院ごとに地域特性を踏まえた将来ビジョンを検討。地域ニーズに応じたサービス提供に重点を置き、医療の近代化、介護・在宅医療、介護医療院(ポストアキュート)への変換など、病床構成・機能の見直し等を進めた。旭川、北見、清水の3病院で入院・外来診療収益が増加、6病院で損出改善が図られた。


北大が国内初、献体で機器開発へ─臨床解剖実習室を開設

 北大病院(秋田弘俊院長・944床)と同大医学研究院(吉岡充弘研究院長)は、献体を用いた臨床医学の教育研究を行う「臨床解剖実習室」(CAST-Lab.)を医歯学総合研究棟1階に開設した。通常の手術室と同等の設備を有し、医師や歯科医師が手術手技研修(CST)を行えるほか、国内唯一の献体を利用した医療機器開発や、献体利用を推進する専門人材養成の拠点として、本格稼働を始めている。

 2012年に日本外科学会と日本解剖学会が「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を策定以降、国内で献体を用いたCSTが普及しつつある一方、臨床医学の教育研究や医療機器開発等への献体利用はこれまで進んでいなかった。

 同大は、16年から「献体を使用した外科解剖・手術手技研修事業」(CAST事業、実施運営委員長・平野聡消化器外科学教室?教授)を開始。


済生会小樽、重心施設統合 新棟オープン

 北海道済生会(近藤真章支部長)は1日、小樽市の済生会小樽病院(和田卓郎院長)に、同市の重症心身障害児(者)施設「済生会西小樽病院みどりの里」(120床)を移転統合し、オープンした。新棟には同施設のほか、地域ケアセンターを設置し、地域共生社会の実現を見据えて医療・介護・福祉を一体的に提供していく。

 統合によって小樽病院は許可病床数が378床、標榜科は小児科が加わり計14科となった。西小樽病院は廃止され、跡地は障害者等就労支援のためのソーシャルファームを計画している。

 西小樽病院は国立療養所小樽病院の移譲で2002年に開院し、高齢者医療と障害者福祉の一体的運営を行ってきたが、建物の老朽化が進み、アクセス難や専門スタッフ確保も課題だった。


道文教大・金子G、肘部菅症候群の肘屈曲テストを検証

 道文教大作業療法学科の金子翔拓准教授を中心とする研究グループは、肘部管症候群に対する肘屈曲テストについて、健常若年者の陽性率に性差が与える影響を検証。肩関節内旋肘屈曲テスト(SIREFT)では、女性に偽陽性判定が出やすいことが分かった。

 肘部管症候群は、上肢絞扼性神経障害の中で手根管症候群に次いで患者数が多い。症状誘発テストは、肘屈曲テスト(EFT)が一般的だが、正確な陽性率を得るためには、30秒から5分程度の時間が必要で患者の負担が少なくないほか、貴重なリハビリ時間の浪費につながっていた。


3団体・第1四半期調査、赤字病院6割超え

 日病、全日病、医法協は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による病院経営状況調査(2020年度第1四半期)の結果を発表した。赤字割合は4月69.4%、5月62.8%、6月67.7%、中でもコロナ患者受け入れや一時閉鎖に至った医療機関では各月とも8割を超えるなど、「コロナ対応で診療報酬が引き上げられたものの、経営状況の悪化に歯止めがかからなかった」としている。

 1,459病院の回答を集計した。

 赤字割合は、コロナ入院患者受け入れ・受け入れ準備病院が4月82.1%、5月80.0%、6月82.1%、一時的外来・病棟閉鎖病院が82.9%、81.9%、82.9%。


●緊急対策 6割が評価せず―医療関連団体等調査

●公私病院連盟調査 5月医業収入16%減 

●臨床研究医コース 23日にも募集開始―専門医機構

●北光記念 4プロジェクトでやりがい充実

●渓仁会 児童デイ開設 通所・訪問支援連携

●道内高齢化率31.7%に 3市町村50%超

ご注意/このサイトに掲載されている記事、写真、図表などの流用・無断転載を禁じます。