北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 8月21日付

コロナ病床、道内最大1,800床確保へ

 道は、新型コロナウイルス感染症の今後の再流行を見据えた医療提供体制について、3段階のフェーズを設定して整備していく方針を、道議会保健福祉委員会で説明した。感染ピーク時に推計最大入院者数を満たす病床を全道で1,800床程度確保するほか、保健所の即応体制は1,200人配置を目指し増強していく考えだ。

 新たな流行シナリオによる同感染症のピーク時の1日当たり患者数推計は、最大新規陽性者数96人、最大療養者数1,241人(入院839人、宿泊療養402人)、最大検査数2,620人(新規1,594人、濃厚接触者1,026人)、最大相談件数6,361人になると想定。入院医療体制は現在、約60病院で700床(うち道央圏350床)の即応病床を確保している。


空知南部医師会、かかりつけ医支援へ─訪問診療コーディネート

 空知南部医師会(梶良行会長)は、在宅医療の推進に向けて、地域で訪問診療を行う医療機関をコーディネートする取り組みをスタートした。国保由仁町立診療所(小端順一所長・19床)を窓口として、栗山・長沼・南幌・由仁の4町をエリアに、夜間・休日を含め24時間体制で往診、かかりつけ医のサポートを行う、全道に先駆けた事業として注目される。

 疾病構造の変化や高齢化の進展等で、長期療養や介護を必要とする患者が増加。一方で、かかりつけ医となっている地域の開業医の高齢化等も進んでいる。

 「通院が大変になってきた」「かかりつけ医は替えたくない」という患者・家族の声を踏まえ、住み慣れた地域で、訪問診療の受けやすい環境を整備し、在宅医療サービスの拡充を目指す。


国立大運営費交付金、旭医大が重点支援で増額

 文部科学省は、2020年度国立大学法人運営費交付金の「重点支援の評価結果」と「成果を中心とする実績状況に基づく配分」を公表した。重点支援評価では、全86法人が自ら設定した戦略の評価指標に基づく再配分率で、旭医大が道内7法人で唯一増額の102.5%、北大(全学)は同額の100%だった。

 成果・実績配分は、旭医大が「卒業・修了者の就職・進学等の状況」「若手研究者の雇用状況」の2指標で、重点支援評価の枠組み内で上位10%以上にあたる115%の最高評価。増額は他に「常勤教員当たり経営資金獲得実績」の105%(上位30%以上)。北大の増額は「会計マネジメント改革推進状況」の1指標で、配分率は110%(上位20%以上)。


柏葉脳神経外科、AI活用のスマート問診導入

 札幌市豊平区の柏葉脳神経外科病院(寺坂俊介理事長・144床)は、AIを活用したスマート問診を導入した。入力内容に応じて患者に適した設問を表示し、電子カルテとの連動により再入力の手間を省き診療を効率化。待ち時間や診療時間の短縮で他の患者やスタッフとの接触時間が減少するため、感染症対策にも役立つという。

 スマート問診は、外来担当看護師が、タブレット端末に新規患者から聞き取った全身状態を入力。AIが性別や回答内容も踏まえながら、一人一人に適した設問を定める。

 内容は、クラウドサーバーに蓄積され、患者の診療開始と同時に、連動する電子カルテ画面に表示。


札幌白石記念、難聴患者に助聴器活用

 札幌市白石区の札幌白石記念病院(野中雅理事長・103床)第3病棟は、循環器疾患で入院する高齢難聴患者との意思疎通に助聴器を活用。確実に内容を伝えることで患者の不安を解消し、治療のモチベーションアップにつなげている。

 これまで高齢難聴患者には、ゆっくりと大きな声で、ジェスチャーを交えて説明してきたが、患者が内容を理解できず、看護師は同じ説明を何度も繰り返すことで必要以上に体力を消耗し、看護効率の悪化を招いていた。

 さらに、大きな声で話すことで、患者は怒られていると感じて委縮してしまい、相槌を打って理解したふりをし、分からないことを質問できないといった悪循環に陥っていた。


保団連が5月診療分調査、医療機関の83.7%減収

 保団連は「新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する医療機関アンケート」第2弾結果を公表。5月の診療収入は、前年同月比で83.7%の医療機関が減少、診療所は耳鼻咽喉科、小児科などで減収幅が大きかった。

 5月減収幅をみると、「10?20%」32.9%、「20?30%」25.5%、「10%未満」19.0%、「30?50%」15.3%で、「20%以上減」が44.7%を占めた。

 病院は減収が81.3%、20%以上減が22.4%となっており、診療所は83.8%、45.9%だった。

 診療科別(診療所)は、小児科(91.3%)、眼科(88.8%)、耳鼻咽喉科(87.8%)、整形外科(87.0%)、内科(86.7%)の順に減収割合が高い。


●道有識者会議 新型コロナ対策 行政・医療一丸の部隊を

●5月の診療所総点数20%減─日医調査 

●北大遺制研グループ TN乳がん新規標的を同定 

●札樽 書字改善で不器用児DCDに介入

●市立美唄 認知症患者身体拘束ゼロで尊厳守るケア実践

●国立感染症研対策チーム クラスター事例を報告

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