北海道医療新聞社

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週刊:北海道医療新聞

2020年(令和2年) 5月29日付

介護医療院、道内24施設・1,381床

 日常的な医学管理や看取り・ターミナルケア提供などの医療機能と生活施設を兼ね備えた「介護医療院」の制度創設から2年が経過した。全国の整備数は340施設・2万床を超え、このうち本道は24施設・1,381床と、福岡に次いで多い。老健や介護療養からの転換だけでなく、全床介護医療院や、老健と介護療養病棟を統合した初の施設など、本道の地域ニーズに合った、新たなモデルとして在宅療養支援機能を発揮している。

 本道の整備状況は、療養機能強化型相当の?型が16施設・938床、老人保健施設相当以上の?型が9施設・443床、I型・?型の混合型が1施設。病院・診療所の病床転換が19施設、老健が6施設となっている。


病院3団体コロナ調査、医業収入10.5%減少

 日病、全日病、医法協の3団体が実施した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」(速報)結果によると、4月の医業収入は前年同月に比べ10.5%減少したほか、コロナ患者受入病院は12.7%減、一時的病棟閉鎖病院は14.9%減と大幅に落ち込んだ。経営状況の悪化は深刻であり、「緊急的な助成がなければ、地域での医療崩壊が強く危惧される」と、2020年度第2次補正予算案での対応を訴えている。

 医業収入をみると、入院が8.9%減(コロナ受入12.2%減、病棟閉鎖14.2%減)、外来が11.5%減(12.0%減、14.9%減)、その他22.8%減(24.5%減、25.4%減)だった。


北大歯学グループ、腫瘍溶解ウイルス開発

 北大歯学研究院の東野史裕准教授らの研究グループは、がん細胞中に分解シグナルAREを持つmRNAが安定して存在していることを利用し、腫瘍を溶解させるアデノウイルスの開発に成功したと発表した。腫瘍以外にも炎症性疾患やウイルス性疾患などに応用できる可能性があるという。国際専門誌「Cancers」に掲載された。

 ARE─mRNAは、がん原遺伝子などの細胞増殖に関わる遺伝子から転写されるmRNAに多く、通常は転写後すぐ分解されるが、細胞にストレスが加わると一時的に核外で安定化され、ストレスが解除されると再び分解サイクルに戻る。この安定化システムに異常が起こりARE─mRNAが恒常的に安定化されると、発がんや炎症など多様な疾患に関わる。


札幌白石記念、IVR治療指標で脱毛リスクの不安解消へ

 札幌市白石区の札幌白石記念病院(野中雅理事長、宮田節也院長・103床)は、脳動脈瘤塞栓術のIVR(画像下治療)に伴う一過性脱毛にかかわる被ばく線量を調査し、脱毛リスクを減らす治療指標を作成した。患者への詳細なリスク説明で不安を解消し、治療意欲の向上を図ると同時に、スタッフの医療被ばくに対する意識をさらに高め、より安全な治療の実現に役立てている。

 脳血管内治療におけるIVRは、被ばくに伴う皮膚障害で一過性脱毛が生じることから、特に女性患者で、治療自体を拒否するケースも。


         

診療所の3月経営状況、9割近くが減収に─日医調査

 日医は、新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査結果を発表した。3月診療分のレセプトをみると、診療所は総件数が前年同月比マイナス10.9%、総日数マイナス10.7%、総点数マイナス9.4%で、9割近く(88%)の施設が減収となっており、全体の診療報酬収入は1割近く減少した。

 3月の総点数をみると、減収が30%以上は7.5%、30〜20%が1割強、20〜10%が3割弱、10%以下が4割強。初診料算定回数は29.0%(内科31.4%)、再診料または外来診療料算定回数は9.1%それぞれ減少した一方で、電話等再診は2.8倍(同3.7倍)になった。


●DPC病院等の新型コロナ検査料 出来高算定可能に

●相互研修等で連携推進─国立病院・労働者健康福祉機構

●新型コロナで年500億円減収 医学部長会議等が補填要望 

●帯広第一 人間ドックに健活ランチ

●道内4月末サ高住整備 494件・2万299室に

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